表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/98

31.王女が放った雷撃を第一皇子がはじき返してくれました

 相手の力が強すぎて学園備え付けの剣が折れてしまった。

 こんなの初めてだ。

 どうする?


 そこにカールが渾身の撃ち込みをしてくれた。

 こいつは俺を殺すつもりか?


「ラフィー!」

 遠くからアンジェの絶叫が聞こえた。


 俺はぞわりと背中に冷や汗が流れた。


 これは絶対にまずい奴だ。

 危険は前の騎士団長じゃなくて、後ろだ……


「伏せろ!」

 俺の前任者の声が聞こえたような気がした。

 というか、俺の本能が勝手に反応した。


 次の瞬間俺は伏せていた。


 その時だ。


 ズドーーーーン!


 俺の真上を凄まじい勢いで雷撃が通り過ぎた。

 そして、それは騎士団長を直撃した。


「ギャーーーーー!」

 騎士団長の絶叫が温室内に響いた。


 いくら騎士団長とはいえ、アンジェの怒りの雷撃の直撃を受けてただで済む訳はなかった。


 元々真っ黒だったが、更に黒焦げになってピクピク震えている。


 そして、バタンと後ろに倒れた。


 危うく、巻き込まれるところだった。せめて俺を避けてほしかった……

 まあ、避けられたから良しとする……いや、後で注意しておこう。


 とりあえず、良くやったとアンジェを見ようとして俺はアンジェに斬りかかろうとしている騎士を見つけた。

「危ない!」

 俺は剣先が無くなった柄をその騎士に投げつけれた。


「ギャッ!」

 男の顔面にそれが命中して男が後ろにひっくり返った。


「有難う、助かったわ」

 アンジェが駆け寄ってきた。

「こっちも助かった」

 俺はアンジェとハイタッチした。


 周りを見ると、大半の騎士は既に倒れていた。


 大半はアンジェの雷撃にやられてピクピクしていた。


 ニコとヒルデは一人づつ騎士を倒していた。

 現役の騎士を倒すとはこの2人もまあまあの腕前だ。


 後で聞いたらアンジェに斬りかかろうとした騎士を後ろから斬りかかっただけだと言われたが、それでも倒したことには違いない。



「よし、全員良くやった。あと少しだ。頑張っていくぞ!」

 俺が皆に言うと、

「ラフィー、貴方、剣はどうするの?」

 アンジェが尋ねてきた。


「ああ、剣か?」

 そう言えば俺の剣は折られたんだった。


「この剣をもらおうか」

 俺は騎士団長が持っていた剣を無造作に掴んだ。


「良いんですか? 何か結構高そうな剣みたいですけど」

 ニコが尋ねてきた。


「オリエンテーションとは言え、戦場だからな。そもそもこいつが馬鹿力出すから俺の剣が折れたんだし……こいつから剣を奪っても問題はないはずだ」

 サラマンダーはいたし、現役の騎士団長までいたのだ。この先に何がいるか判ったものではない。

 ちゃんとした剣を持って行くに限る。


 俺はその高価そうな剣を手に取った。


「しかし、さすがラフイー様。帝国最強と言われた騎士団長とも互角の斬り合いをされましたね」

 ヒルデが俺を賞賛してきた。


「しかし、剣を折られたからな」

「学園の備え付けの剣で騎士団長の撃ち込みをあそこまで防げたら十分ですよ」

「まあ、剣を折られて最後はアンジェに助けられたしな」

 俺がアンジェに感謝の意を伝えると

「ふふん。まあ、私もラフィーに助けられたからおあいこね」

 アンジェは機嫌良く笑ったってくれた。


「でも、あんなに激しく戦ったのに、イレーネはよく背中で寝ていられるわね」

 アンジェが呆れてイレーネを見た。


「起きてたら10回くらい気絶しているんじゃない。気絶していて正解よ」

 ヒルデが肩をすくめた。



 俺達はそのまま先に進んだ。


 さすがにもう何も出てこないだろうと思ったのだが、甘かった。


 最後のゴール手前の開けたところに出た時だ。


 そこには20名くらいの黒づくめの連中が待ち構えていた。


「何と、ここまで来れたのか、アンジェリーナ!」

 黒ずくめのボスらしき男が思わず声に出していた。

 声の主はどうやらエーベルらしかった。


「当然よ」

アンジェが胸を張った。


「ふんっ、しかし、これ以上先に行かす訳にはいかない」

 エーベルが剣を抜いてくれたんだが、おいおい、待てよ。お前、アンジェの婚約者だろう!

 ここは婚約者の誼で見逃してやるくらい言えよ!

 俺はそう叫びたかった。


 とうか、婚約者同士で戦うのは良くないだろう。


「アンジェ、ここは俺がやろう」

 俺が前に出ようとした。


「良いわ。ラフィー。せっかくだからどちらが強いかはっきりさせるわ」

 俺を押しとどめてアンジェが前に出た。


「そんなの俺の方が強いに決まっているだろう」

 エーベルが首を振って宣言した。自分が負けるとは全く思ってもいないみたいだった。


「甘いわね」

 アンジェが構えた。


「いや、アンジェ、さすがに、婚約者とやるのはまずいだろう」

 ここでアンジェが勝つなんて事になったら、エーベルのプライドはズタズタになるはずだ。

 そんなことしたら婚約破棄確定してしまうではないか!

 それは絶対にまずい。


 俺がアンジェを押えて前に出ようとしたが遅かった。


「行くわよ!」

アンジェがエーベル目がけて雷撃していた。

俺は目が点になった。


しかし、エーベルは余裕でニタリとほくそ笑んだのだ。

アンジェの雷撃を剣ではじき返してくれた。


俺は生まれて初めて雷撃がはじき返されるのを見た。


俺の目の前で、雷撃がアンジェを直撃したのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『悪役令嬢に転生したのを知ったのは断罪されて婚約者に顔面を蹴られた時でした。ツンデレ兄と辺境で米作りして一からやり直します』https://ncode.syosetu.com/n5024mh/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話


前前前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ