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31.王女が放った雷撃を第一皇子がはじき返してくれました

 相手の力が強すぎて学園備え付けの剣が折れてしまった。

 こんなの初めてだ。

 どうする?


 そこにカールが渾身の撃ち込みをしてくれた。

 こいつは俺を殺すつもりか?


「ラフィー!」

 遠くからアンジェの絶叫が聞こえた。


 俺はぞわりと背中に冷や汗が流れた。


 これは絶対にまずい奴だ。

 危険は前の騎士団長じゃなくて、後ろだ……


「伏せろ!」

 俺の前任者の声が聞こえたような気がした。

 というか、俺の本能が勝手に反応した。


 次の瞬間俺は伏せていた。


 その時だ。


 ズドーーーーン!


 俺の真上を凄まじい勢いで雷撃が通り過ぎた。

 そして、それは騎士団長を直撃した。


「ギャーーーーー!」

 騎士団長の絶叫が温室内に響いた。


 いくら騎士団長とはいえ、アンジェの怒りの雷撃の直撃を受けてただで済む訳はなかった。


 元々真っ黒だったが、更に黒焦げになってピクピク震えている。


 そして、バタンと後ろに倒れた。


 危うく、巻き込まれるところだった。せめて俺を避けてほしかった……

 まあ、避けられたから良しとする……いや、後で注意しておこう。


 とりあえず、良くやったとアンジェを見ようとして俺はアンジェに斬りかかろうとしている騎士を見つけた。

「危ない!」

 俺は剣先が無くなった柄をその騎士に投げつけれた。


「ギャッ!」

 男の顔面にそれが命中して男が後ろにひっくり返った。


「有難う、助かったわ」

 アンジェが駆け寄ってきた。

「こっちも助かった」

 俺はアンジェとハイタッチした。


 周りを見ると、大半の騎士は既に倒れていた。


 大半はアンジェの雷撃にやられてピクピクしていた。


 ニコとヒルデは一人づつ騎士を倒していた。

 現役の騎士を倒すとはこの2人もまあまあの腕前だ。


 後で聞いたらアンジェに斬りかかろうとした騎士を後ろから斬りかかっただけだと言われたが、それでも倒したことには違いない。



「よし、全員良くやった。あと少しだ。頑張っていくぞ!」

 俺が皆に言うと、

「ラフィー、貴方、剣はどうするの?」

 アンジェが尋ねてきた。


「ああ、剣か?」

 そう言えば俺の剣は折られたんだった。


「この剣をもらおうか」

 俺は騎士団長が持っていた剣を無造作に掴んだ。


「良いんですか? 何か結構高そうな剣みたいですけど」

 ニコが尋ねてきた。


「オリエンテーションとは言え、戦場だからな。そもそもこいつが馬鹿力出すから俺の剣が折れたんだし……こいつから剣を奪っても問題はないはずだ」

 サラマンダーはいたし、現役の騎士団長までいたのだ。この先に何がいるか判ったものではない。

 ちゃんとした剣を持って行くに限る。


 俺はその高価そうな剣を手に取った。


「しかし、さすがラフイー様。帝国最強と言われた騎士団長とも互角の斬り合いをされましたね」

 ヒルデが俺を賞賛してきた。


「しかし、剣を折られたからな」

「学園の備え付けの剣で騎士団長の撃ち込みをあそこまで防げたら十分ですよ」

「まあ、剣を折られて最後はアンジェに助けられたしな」

 俺がアンジェに感謝の意を伝えると

「ふふん。まあ、私もラフィーに助けられたからおあいこね」

 アンジェは機嫌良く笑ったってくれた。


「でも、あんなに激しく戦ったのに、イレーネはよく背中で寝ていられるわね」

 アンジェが呆れてイレーネを見た。


「起きてたら10回くらい気絶しているんじゃない。気絶していて正解よ」

 ヒルデが肩をすくめた。



 俺達はそのまま先に進んだ。


 さすがにもう何も出てこないだろうと思ったのだが、甘かった。


 最後のゴール手前の開けたところに出た時だ。


 そこには20名くらいの黒づくめの連中が待ち構えていた。


「何と、ここまで来れたのか、アンジェリーナ!」

 黒ずくめのボスらしき男が思わず声に出していた。

 声の主はどうやらエーベルらしかった。


「当然よ」

アンジェが胸を張った。


「ふんっ、しかし、これ以上先に行かす訳にはいかない」

 エーベルが剣を抜いてくれたんだが、おいおい、待てよ。お前、アンジェの婚約者だろう!

 ここは婚約者の誼で見逃してやるくらい言えよ!

 俺はそう叫びたかった。


 とうか、婚約者同士で戦うのは良くないだろう。


「アンジェ、ここは俺がやろう」

 俺が前に出ようとした。


「良いわ。ラフィー。せっかくだからどちらが強いかはっきりさせるわ」

 俺を押しとどめてアンジェが前に出た。


「そんなの俺の方が強いに決まっているだろう」

 エーベルが首を振って宣言した。自分が負けるとは全く思ってもいないみたいだった。


「甘いわね」

 アンジェが構えた。


「いや、アンジェ、さすがに、婚約者とやるのはまずいだろう」

 ここでアンジェが勝つなんて事になったら、エーベルのプライドはズタズタになるはずだ。

 そんなことしたら婚約破棄確定してしまうではないか!

 それは絶対にまずい。


 俺がアンジェを押えて前に出ようとしたが遅かった。


「行くわよ!」

アンジェがエーベル目がけて雷撃していた。

俺は目が点になった。


しかし、エーベルは余裕でニタリとほくそ笑んだのだ。

アンジェの雷撃を剣ではじき返してくれた。


俺は生まれて初めて雷撃がはじき返されるのを見た。


俺の目の前で、雷撃がアンジェを直撃したのだった。




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