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あいつは俺の仇!  作者: 方結奈矢
第二部 五年生編
17/58

これって悪巧み?


 とても怖い夢を見るようになった私・・・


 真っ裸で全校生徒を前にグランドを走る夢よ。


 目覚めると恥ずかしさから死んでしまいたくなるんだよ。


 翔介君に、「真っ裸にして・・・」なんて言われてからそんな夢を見るようになって、仕返しに、


 (呪ってやる)


 なんて思うようになったの。


 でも、どうして?翔介君があのリクの為に私に向かってあんな酷い事を言ったのかわからない。


 (まさか、翔介君あのリクのことが本当に好きなの?)


 (私のことをどうして嫌いになったの?)


 (私よりデカブツ女子の方がいいというの?)


 何もかもわからない事ばかりよ。


  (呪ってやる)


 そんな事を思うようになったのは、翔介君が私以外の子を好きになるなんて許せなかったからで、


 (どうせならいなくなってしまえばいいのに)


 なんて思うようにもなったんだ。


 (あんなデカ女子に取られるぐらいなら・・・)


 私は気が付いてしまった。


 「潰す!」なんてまで言われたというのに、まだ、翔介君が好きなんだと・・・


 (うんうん、そんなことがあってはダメよ、この私にあんな酷いことを言ったんだから、許しちゃダメよ)


 「呪ってやる」


 給食に嫌いなグリーンピースが入っていたので、知らないうちにそう言ってしまったのを隣の席の砂子田政四に聞かれてしまった。


 「篠崎さん、僕が食べちゃるよ」


 こんな親切に、甘えるしかないのは、先生の言いつけで給食を残さず食べないといけないからよ。


 皆の目を盗んで砂子田は、私が皿のすみに集めた豆を手づかみで一瞬で食べてくれた。


 「ありがとう砂子田君」


 クラスでは、「フルチン君」なんて呼ばれバカにされ男子を私は優しくしてあげているんだ。だって何かと雑用に使えるからよ!


 掃除当番も変わってもらったし、売店に買い物にも行ってもらったし、重たい荷物があるときは家まで届けさせたし。それに先生からこのバカ男子の相手をしてやると褒めてもらえるんだ。


 「篠崎さんは相変わらず優しい子ね」

 なんてよ。


 私は一年生の時から弱者の面倒をよくみてきたのよ。そうすると先生が誉めてくれるからよ。


 オキョンは、昔から私を真似てばかり。


 隣のクラスで私が褒めてもらうために便利に使っていた三五君に島波さんを自分の班に取り込んでいるじゃない、あれって完全な私の真似なのよね。


 (気に入らない!)


 弱者とは、ケンちゃんの話だと誰からも相手にされない人のことらしい。


 イジメにも合わないんだって。

 そのかわりに仲間扱いもされないんだって。

 空気みたいな可哀想な無視されっ子なんだって。


 そういえば三五君とか班にも先生が決めないと入れてもらえなかったな・・・


 島波さんとか遠足のグループにも誘われなかったな・・・


 とにかく弱すぎて誰からも相手にされない子のことを弱者と言うのよ。


 気に入らないといえば、『春の児童絵画コンクール』で翔介君の描いたあの正伝寺のクロガネモチが金賞を取った事よ。


 あの嫌な思い出がカラーで新聞にも載って、今は校長室に飾ってあるのよ。


 (あ~腹が立つ!)


 なんて思うのは私だけで、クラスの皆は、「凄いね、加羅君は」とか言って騒いでいる。

 

 クラスが違うのに翔介ファン女子は多い。私にまで、「カッコイイよね」同意を求めてくるのは、私が翔介君にふられたなんて最近の様子を見て勝手に噂をばらまいている女子たちよ。


 (あ~腹が立つ!)


 私のいない所で、


 「篠崎さんは、加羅君に見捨てられたんよ」

 とか言っているのは砂子田情報で知っている。あいつスパイにも使えるんだよね。

 

 「どうしたん、篠崎さんはやっぱり加羅が気になるん?」


 砂子田からのこの質問は、よくあるんだよね。いつも確認してくるんだ。


 「加羅なんか大嫌いよ。砂子田君もでしょう」


 大きくウンウンする砂子田は、私が思い付いた翔介君への復讐、「エッチな事を私にしようとしたからふってやったのよ」なんて言い触らす作戦を決行するより先に変な作戦を私に言ってきたのよ。


 「加羅の、あの絵を破いちゃろう思うんよ」


 なんてできもしない事を口にしてきたんだ。


 「校長室に飾ってあるのに、そんなことができるの?」


 「校長室は、鍵はかかっとらんし、入り込むんはみやすいんよ」


 「いつやるの?」


 「放課後の職員会議の時にやっちゃろう思うんよ」


 砂子田は、オキョンから私に好き女子を変えてきて、そんな事を言ってきたんだ。


 だけどね、私はそんなカッコばっかりの男子を本気にさせる事ができちゃうんだよ。


 「凄いね、マサシ君、もしそんなのができたら、私、好きになっちゃうかも・・・」


 仲良し口調で、「マサシ君」と呼んでおだててやったの。バカな男子はおだてに弱いのをお姉ちゃんから学んで知っていたからよ。


 「絶対にやっちゃるよ」


 「へぇ~もしできたら、マサシ君、クラスの人気者にカムバックだね」


 人気者であった事はないけど、そんなおだてにのってやる気になる砂子田バカシでした。


 ◆


 隣の席の篠崎さんは、クラスで一番の人気女子じゃ。


 そして僕に冷たいやつらばかりなのに優しゅうしてくれる。


 (もしかして僕のことが好きなんかも)


 今日も苦手な給食を食べちゃりたら喜んでくれた。


 僕が大嫌いな加羅の事も篠崎さんは、嫌いじゃゆぅた。


 (よしゃあ!仲間ができたでぇ)


 加羅が金賞をもろうた絵が、校長室に飾ってあってそれをめちゃくちゃに破いちゃろうゆぅて思うたんじゃ。それを篠崎さんに言うたら、ぶち綺麗な笑顔をして喜んでくれたんじゃ。僕も好きになってしもうたわ。


 「人気者に戻れる」

 そげな事を言ぅてくれたし、ほんまに嬉しゅうなったんじゃ。


 必ず加羅の絵をめちゃくちゃにしちゃるのを決めた僕じゃったんじゃ。


 もう「フルチン」なんて呼ばせんよ。そして篠崎さんに好きになってもらうんじゃ。


 ◆


 ゴールデンウィークが終わるとテスト週間が始まる。俺はもちろん全教科の100点しかありえない。リクにも同じ事を要求すると、


 「頑張ってみるね、今度こそ」


 なんて急に大人びた言葉遣いをするリクだったが、違和感はなかった。


 俺は、こまかくて可愛いらしいが、どこか存在感の薄い島波鈴と顔色がいつも悪い三五進一の勉強を見てやることにした。


 「おまえら、まじめにやれ!」


 実力を知っての俺の冗談交じりの怒りの声に怯える二人は、


 (こいつら、本当に人と交わってないな)


 冗談がまったく通じないのだ。俺は島波鈴の頭を撫でながら、


 「今、怒ったのは冗談だからな、怖がらなくて、デヘヘって笑うとこだぞ」


 そんなとこまで教えてやらなくてはならなかったが、すぐにぎこちない微笑みが返ってくるのを見て、


 (可愛い)


 父性とは違う慈愛とても言えばいいのか愛犬に向けるような動物愛に目覚めてしまい、島波鈴をノッコと同じように扱うとこれがド・ハマリしてしまったのだ。


 それまで正直、持て余しぎみだった島波鈴を、愛犬“スズ”として扱うようになると、それを境に俺たちはより良好な関係となった。


 「なぁスズ、ミゴッチがさぁ、隣のクラスの篠崎を一推しなんて言うんだぞ、どう思う?」


 「・・・」


 スズはノッコと同じで、返事はしないが、それでもその様子から、


 「そうか、おまえもあいつが嫌いなんだな。僕もあいつが苦手なんだ」


 不思議にも会話が成り立つのだ。


 俺は、日々溜まるばかりの走馬灯ワールドでのストレスをノッコ意外にも愚痴をこぼす事で解消できるようになり、だいぶ生き易くなった。


 この一人問答のような会話で、俺がスズの気持ちに沿った理解をしてみせると今みたいに最高に可愛らしい笑顔を向けてくる。


 「いいじゃん、いいじゃん、スズ、その笑顔。最高に可愛いぞ」


 また頭を撫でてやると目を閉じて、


 ニヒヒヒ


 喜びをかみしめているとこもノッコと同じで凄く可愛かった。


 こんなペースで俺はスズに勉強を教えた。ノッコに「お座り」や「お手を」を教えたように辛抱強く同じ事を繰り返してだ。


 校内では、リクはもう俺の側にばかりはいられない。リク独自の人脈をつくり、女子交わりが多岐化してきたからだ。


 下級生にも慕われ、ウサギ小屋のメンテナンスを手伝ったり、クラスメイトのおしゃれ相談にのったり、最近ではあのイジワルリーダーだった坂之下早百合と大の仲良しぶりを発揮して、テレビドラマ談義に花を咲かせている。


 どうやら初の生理仲間のようだ。


 俺は、リクに代わって、お気軽にノッコをいつも呼ぶように、どこへ行くにもスズを呼びつけた。


 「スズ、トイレ行くぞ」

 と言えばついてくるし、用を済ませ、俺が待っていてやると嬉しそうな顔をして駆け寄ってくる。


 「スズ、売店にいくぞ」

 と言えば、自分は用もないのに俺に手を繋がれてついてくるし、そうされるのが嬉しいのかあのたまらなく可愛い笑顔を見せてくる。


 「スズ、また明日な」

 帰宅方向が違う事から、分岐点では本当に悲しそうな顔をしてきてそれがまた可愛いんだ。


 そんなスズの長所を俺は見つけた。是非にもノッコに見習ってほしいとこだが、言われた事を忠実にこなしてくるのだ。


 「スズ、明日までにこれをしっかり覚えてくるように」

 適量の課題を渡すと家でやってくるし、記憶力も悪くない。


 「リクの言うことをしっかり聞くように」

 女子マナーまで教えてやれないから、俺の手の届かないところはリクが世話をするようになり、それにもしっかり従い親しむようになっていた。


 休みの日にも家に来るようになったスズは、本当に俺以上にノッコと気が合うようで二人で会話を楽しんでいるし、ノッコも本当に楽しそうな表情をスズに見せている。


 「不思議な子ね、スズちゃんは・・・」

 

 母さんの感想は、ポカポカ陽気の縁側でノッコと抱き合いながらお昼寝するスズの姿を見ながらのもの。


 ほとんど口を開かないスズだったけど、ノッコにはいろいろ話しているようで、ノッコの気持ちもわかるような様子を母さんは「不思議」と言ったのだ。


 一方で三五の方も、隣の席のリクとはずいぶん打ち解けた様子で、ゴールデンウィーク中に一緒にノッコの散歩をしたせいかいい感じだ。


 三五に勉強を教えるのは、リクとオキョンに任せたところ、なかなかいい点を取った。


 スズも俺の教えを忠実に守った事で100点(算数)を一つだったが獲得した。


 テスト期間中に、ちょっとした事件が勃発する。俺の金賞作品が校長室でビリビリに破り捨てられたという事件だ。


 「本当に、すまないね」


 校長の焦るばかりの謝罪を俺はどう受けたものかと悩んだ。ここは本来なら穏便にするべきを、俺には一つアイデアが浮かび、


 「犯人が見つからなかった場合は、警察を呼びますから」


 事を荒立てる旨を通告した。


 もちろん、そんなつもりはないし、金賞作品だってどうってことない。あれぐらいの絵、いくらでも描けるからだ。


 だが、俺はこの機会に三五デート作戦を決行しようと考えたのだ。


 犯人の目星はすぐについた。俺は砂子田政四ことフルチン君を犯人と決めつけた。


 理由は簡単だ。


 これまで以上に俺と顔を合わせるのを警戒しているのがモロバレだからだ。おまけにあの篠崎と何やらコソコソ会話をするのも目撃もしたしな。


 (二人は隣同士らしいしグルかもな)


 「おい、フルチン!どこに行くんだ。おまえ、おまえのことだよ砂子田」


 廊下での俺の呼びかけにあからさまにビックとして驚き逃げ出した砂子田をとっ捕まえて、糾弾口調で尋問を始める。


 「おまえだよな、俺の絵を破いたの」


 首を振るフルチン君。


 「あっそう、おまえが正直に謝るなら許してやろうと思ったけど、だったら警察呼ぶわ。目撃者もいることだし、おまえ逮捕されんぞ。そして刑務所行だな」


 逮捕もされないし、刑務所もありえないがこんなショボイ脅しにも汗流すフルチン君、さすがは小学生で、「目撃者あり」にすぐに堕ちた。


 「ごめんね、僕がやったんじゃ。じゃけぇ、警察ばっかしゃぁ許して」


 「ダメだな、罪は罪だ。少しばかり刑務所に入ってもらうぞ」


 「頼むけぇ、加羅、許してやぁ~」


 「誰が、加羅だ。おまえに呼び捨てされる筋合いはないぞ、おいフルチン!」


 「スマン加羅君、どうか許してつかぁさい。なんでもゆうこときくけい」


 「本当だろうな、なんでも言うことをきくというのは」


 「ほんまで、じゃけぇ、警察ばっかしゃぁ許してくれよ」


 「いいだろう、許してやるよ」


 「ホンマに!」


 「ああ本当だ、その代わり校長には犯人は僕でしたと自分で言うんだぞ。俺からも穏便にするように言ってやるから。そして、その時に、本当の犯人のことを白状するんだぞ」


 「ホンマの犯人?」


 「そうだろう、砂子田、おまえがあんな悪いことをするわけないだろう。校長室に忍び込むのは侵入罪だし、絵を破いたのは器物破損罪だし、二つの罪を重ねるなんてかなりの重罪だぞ。おまえの両親、俺に絵の弁償代だけでなく二つの罪を見逃してもらうために示談金を、そぅ~だなぁ~少なくとも200万円は支払うことになるんだぞ」


 「200万円!」


 砂子田君、もう泣き出して謝ってくる。


 「親にはゆわんで」


 「だったら警察だな」


 「警察にもゆわんで」


 「だったら本当の犯人、おまえをけしかけた奴の名前を言うんだ」


 「そんなん、おらんよ」


 「おらんだと、おまえの隣の席の篠崎、あいつがおまえをけしかけたんだよな。なぁそうだろう。なぁなぁなぁなぁ」


 「篠崎さんは、そがなことができたら凄いねてゆうただけや」


 「それをけしかけたというんだ。現におまえはそれで勇気を出して二つの犯罪に手を染めたんだろう。もし違うと言うのなら、これはやっぱり警察もんだな」


 「うわぁ~頼むけぇ加羅君、警察にゆわんどいて。そうじゃ、そうで、僕に絵を破っけゆうたんは篠崎さんじゃ」


 「そうか、だったらその通りを校長先生に言うんだぞ。そうしたらおまえは先生に軽く怒られるだけで、許されるんだ」


 こうして砂子田は俺の思惑通りに動き、篠崎が久々に俺の前にやってきた。昼休み音楽室でピアノを弾いている時にだ。


 「私は砂子田に言ってないよ、翔介君の絵を破けなんて」


 どうやら職員室に呼び出されたようだ。側にはスズがいたけど、俺は話を進めた。


 「そんなことは百も承知だよ、篠崎さん」


 「だったら、先生に言ってよ、私このままだったら親を呼ばれてしまうのよ」


 「いいよ篠崎さん、おまえの言う通りにしてやるよ。篠崎さんとは仲良しですから、そんなことはしないと思いますって口添えしてやるよ」


 「よかったお願いね」


 「その代わり、」


 「その代わり?」


 「あたりまえだろう、そのために俺がしかけた罠だからな」


 「罠!先生に言ぅちゃる。翔介君の悪巧みだって」


 「無理だな。おまえの言うことと僕の言うこと、どっちを先生方は信じると思う」


 「もちろん私に決まっとるじゃない」


 「なるほど、本当にそう思うならやってみるがいいさぁ。放課後にもスズとここで待っててやるよ」


 走り出していった篠崎、どうやら怒りの感情が広島弁を誘発するらしい。放課後に再び顔を合わせる事になる。


 「どうだったおバカな華怜さんよ。先生方は僕の悪巧み説を信じたか」


 怒りの表情が滲み出る篠崎は、訴えるように、


 「どうして先生は、うちの言うことを信じんの」


 と声を荒げてくるじゃないか。


 「それは、大人はバカじゃないからだよ。おまえのことなんか少し観察していればろくな女じゃないことぐらいすぐにわかるんだよ、大人にはな」


 「何それ」


 「おまえ、このスズや三五とか他の奴も皆、自分の道具ぐらいにしか扱ってこなかっただろう。そんなの先生方にはミエミエだということだよ」


 「それがどうかしたん」


 「それにだ、何やら陰でコソコソと俺の悪口を言っているようだけど、この僕がおまえにエッチなことをしてふられたなんて話を誰も信じないだろう、それもおまえの日頃なんだんよ、残念だったな」


 「そんなんまだ私が本気で言ってないからよ」


 「まぁ好きにすればいいさぁ。それで華怜さんよ、おまえも砂子田と同罪ということで、警察の方も宜しくな。僕は校長室での件、警察に通報することにしたから、まぁ頑張れよ、この犯罪者が」


 「うちは犯罪者なんかじゃなぃんよ」


 「知ってるけど、それを証明する方法はないだろう。あるなら頑張れよ、少女A。おまえは豪林と同じように新聞にそう載るんだけど、世間じゃすぐに実名が拡散するんだ。豪林の件でよく知ってるだろう。そしておまえは少女Aとして有名人になるんだよ。おまえ有名になるの好きだろう。好きだよな。お誂えむきじゃないか」


 「・・・どうしたら許してくれるん」


 「おお、やっと僕の言う事を聞く気になったか。僕がおまえに依頼したい事は三五とデートしてくれ、それでミゴッチが満足したら俺は許してやるよ」


 「どうしてこの私が三五君とデートせんとならんの」


 「あいつを男にしてやってくれと頼んでいるんだよ!」


 思わぬ俺の依頼に怒り爆発の篠崎は詰め寄ってきた。


 「どうして私が三五君なんかと・・・」


 「()()()|だと、やっぱりおまえクズ女だな。もういい向こうに行け!少女Aになるだけさ」


 「わかった。三五君とデートすりゃぁええんやね」


 「そういうことだ。でもただデートすればいいというもんじゃないぞ。ミゴッチが喜んでくれるようなデートだ。あいつが本当に満足したら合格だ。おまえのことは昔のことも含めて全部許してやるよ」


 「わかった。やるわよ、やりゃぁええんじゃろう」


 こうして俺の思惑、三五の運命変えを占う初デートが実現することになった。


 (頼むぞミゴッチ、うまくやってくれ)


 思わず祈る俺がそこにいた。


 そしてそれを不思議そうな顔をして見守る華怜もいた。



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