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終幕。

 令泉帝の治世。


 関白左大臣藤原頼道の娘寿子は入内して女御の宣下を蒙り、即日皇后に立てられた。


 同じく下の娘の威沙子が裳着を終え早々に尚侍として任命され後宮に出仕することに。


 東宮悠宮(はるのみや)は先帝の御子で令泉帝の甥御にあたるが母が源氏の出であり藤原の血ではなく、頼道は是非にも寿子の子に皇子をと望んだが叶わず、帝は生涯子に恵まれることは無かったという。


 時代は貴族から武士へと権力構造が変化しつつある過渡期にあたり、藤原氏の権勢にも陰りが見えた。


 帝は東宮が成人するのを待って早々吉野に隠遁し、吉野院と称される。

 皇后であった瑠璃光院と共に歴史の表舞台からは姿を消し、末永く仲むつまじく過ごし、平穏な生涯をおくったという言い伝えだけが残されている。




   ☆☆☆



 この世界はとりかえばや物語の世界だったのかもしれないけど、それでもなんとか違う結末になれたのかな。

 そう、「しんとりかえばや」とでも言ってもいいかも。


 この後実はねえさまも次の帝に見染められ女御となって無事姫を二人産んだのだけど、そのお話はまたいつか、ね。



 最後に。


 どうしてこの世界ができたのか、とか、どうしてわたしがここに転生したのか、とか、そんな難しいことはわたしにはわからない。

 だけど、わたしがわたしとしてこの世界で幸福に生きることが出来たことに感謝して……。


 この筆を置きます。


 後世の人に、このおはなしがどう伝わるかはわからないけれど。


 わたしがしあわせだったと、

 それだけでも伝わってくれればうれしいな、と。


   Fin



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