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2クール目に突入した異世界冒険  作者: 歩き目です
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13「神々の斧鉞」その1


※前回のあらすじ

俺達をこの世界から消そうとする『消し神』。その理不尽なまでの強さに俺達は絶体絶命のピンチを迎える。

だが、気が付くと謎の建物で目を覚ます俺。プリス達も無事でいた。

これこそ、俺達を守ってくれた『ロリ神様』が用意してくれた、消し神からの避難所だったのだ。

俺達はその『神屋敷』で生活しながら、消し神への対抗策を整える。

そして今、俺達は消し神と対決するために地上へと戻った。




遠くに中央都市が見える。

どうやら、この世界のド真ん中の平原に出た様だ。


「『神々の住まう場所』に出るかと思っていたのです…。」

「あそこは消し神のホームグラウンドだからな。奴に立ち向かうなら、有利とまでは言えなくても

僅かでも不利にならない場所を、ロリ神様は選んでくれたんだろう。」

「皆さん!準備は良いですか!?」


プリスの声に全員が頷く。

俺はみんなで練った作戦通りに、天空に向かい大声で叫ぶ。


「消し神!!出て来ないと、この世界に航空技術と鉄道技術を広めるぞ!!」


―だが、反応は無い。


「うーむ、やっぱりコレじゃ駄目か?」

「作戦を立てる時にケイン殿から聞かされましたが、航空技術や鉄道技術は

黙っていてもやがて発明される文明であり、世界の進む運命なのだと思うのです。」

「もっとウケの良いコト言わないと、来てくれなさそうね。」


しゃーない。『アレ』で行くか。あんまし気は進まないんだけど…。

俺は再度、天空に向かって叫ぶ。


「だったら、萌えアニメを氾濫させてやろーか!?」


言い終わらない内に目の前に虹の光柱が現れ、中からロリ神様の姿をした消し神が出て来た。

この野郎。サブカルには速攻で噛み付くとか、どこのPTAだよ。

そんなに焦ったか。この世界がパステルピンク一色になるコトに。


『生きていたか。』


アンタ、さっき出て来なかったろ。どこかで聞いてたクセにワザとらしく何言ってんだ。


「いい加減、そのロリ神様の姿から離れろよ!!キャラと声が合ってねーんだよ!!」

「主の言う通りじゃ!ニセモノめが!!」

「…産地偽装!!」

「うそ、おーげさ、まぎらわしーっす!!」

「経歴詐称ですよね!!」

「虎の威を借る狐なのです!!」

「名誉毀損罪と詐欺罪で訴えるわよ!!」


『うぬぬ…、煩い!』


矢継ぎ早にみんなが口々にまくし立てる。こりゃ痛快だ。


「強引にでも追い出してやるよ。―コイツでな!!」


俺はアスミスの打った魔剣を構える。


『―!!』

「神の身体…。他の武器ならすり抜けるだろうけど、流石のアンタもコレに触れたらヤバイよな?」

『我に触れられると思うか…。』


そう言い終わった途端、消し神は誰でもはっきりと判る程の困惑の表情になった。

やっぱりそう来たか。ざまーみろ。

いつもの様に、俺の心を読んだのだろ?それが間違いだ。


―今、俺の頭の中は真っ白だ。何の作戦も無い。


『次に何をするか考えていない…だと?』


俺が一歩踏み出す度に、消し神は俺の次の行動が読めなくて悩む。

鮮明に心が読めれば読める程、『無いコトが判る』というのは気になって仕方が無いだろうな。


「行くぜ!!」


俺は猛然と消し神に飛び掛かる!!

消し神は迷った末に、意を決して手を俺にかざす。―転移させる気か!!


そこで俺は魔剣を消し神に向かって放り投げ…ずに、その場で手を離す。

俺は数十メートル後方に転移させられる。


その瞬間!消えた俺の影から飛び出したのは、マーシャだ!!

宙にある魔剣を掴み、消し神へと振り被る!!


『何!?』

「…マスターだと思った?残念、マーシャちゃんでした。」


驚いただろ!?俺も驚いている。

―打ち合わせ無しで、ここまで思った通りに行くとはね!!


俺は事前に魔剣の握りを、俺が元いた世界の服の布地で巻いておいたのだ。

これならばこの世界の住人が『直に触れずに済む』から、握っても倒れない。


更に、ココで『武器が扱えないマーシャ』が来るコトも読めなかっただろ!?

みんなは魔剣に布が巻かれたのを見た時点で、全員が俺の考えを理解して、全員がマーシャが出ると結論付けたのだ!!


何故なら、魔剣は攻撃力で斬る剣では無い!!マナを吸い取り霧散させるコトで対象物を破断する剣!!

マーシャに掛かった呪いも関係無い!!ここはパワーよりもスピード勝負なのだ!!


『愚かな!お前達を救った奴の『この姿』を斬って消すというのか!!』


消し神はロリ神様の身体で、大きく腕を広げてアピールする。―が、マーシャは止まらない!!

そしてマーシャの握る魔剣がブチ当たる寸前!!1つの光が分離した!!

堪らずに、『消し神』が『ロリ神様』の身体から離れたのだ!!


このまま斬ったら、ロリ神様の身体は霧散する!!

だが!!


―魔剣はロリ神様の身体をすり抜けた!!


『馬鹿な!?』


消し神の驚いた声が響く。


また驚いただろ!?俺もまた驚いている。

―また打ち合わせ無しで、ここまで思った通りに行くとはね!!


「その魔剣は、私が作ったイミテーションなのです。」

『―そんな記憶はあの男には無かった!!』

「当たり前なのです。ケイン殿から頼まれたワケでも無く、作ってすり替えたコトも一言も話していないのです。」

『有り得ん…!!』


ロリ神様から逃げ出した光は人の形を取り、野太い声のイメージ通りのムサいオッサンの姿になった。

これが消し神の姿か!!


と、同時にロリ神様の身体が光り出し、クッとその顔を上げ、声を発する。


『♥―皆さん。感謝します。』


―ロリ神様、身体を取り返して復活!!




『何故だ…?』

「理由を知りたいか?」

「我々は知っておるがのう。」

「…知ってるが、お前の態度が気に入らない。」


消し神が動揺しまくってる。良い光景だ。


「俺はこの作戦で、魔剣を使うコトだけはみんなに話した。だが、それだけだ。」

『!?』

「魔剣で斬ったら、ロリ神様の身体も消えてしまう。それはケインさんの本位では無いでしょう。」

「然るに、我々は悟った。主は『自分に魔剣を使わせるな』と言いたかったのじゃと。」

「でもダーリンが魔剣を振るうコトは決定済み。だったら答えは1つでしょ?」

「『自分の気付かないウチに魔剣をすり替えてくれ』―それがケイン殿の本当の指令だったのです。」

「それでニセモノの『まけん』をつくったワケっす。」

「…アスミスが一晩でやってくれました。」


俺の中で魔剣がすり替わったかどうかの確証が無い以上、俺の心を読んでも何も判らないってワケだ。

そして、全てが上手く行った。俺の考えをみんなが全部察してくれたお陰だ。


『♥お見事でした。』


うん、やっぱりロリ神様はその可愛らしい声じゃないとな。

―てか、何かちょっと色っぽくなって、スレイ分が入ってるカンジがするぞ…。




『無駄な事。同じ結末。』


消し神が腕を振ると、その陰からエメスが現れる。

そして消し神は言い放つ。


『消せ。』


エメスは以前の様にメイドアーマーの装甲を展開し、組み換え、大口径の最終兵器に変形させる。

―チャージなどさせるモノか!!


「ケイン殿!2本目なのです!」

「おう!!」

『―何?』


俺はアスミスが袋から取り出し、放った『魔剣』を受け取る。


「1本だけとは誰も言って無いのです。♪」


消し神に向かってニタッと笑うアスミス。

魔剣を構え、エメスに振り被る俺を見て、消し神の思考が錯綜する。


『あの剣が本物か?―いや、あの娘は2本目と言った。またナマクラの可能性もある!

だが、ナマクラでゴーレムは倒せん!ならば本物か?―そうだ、ゴーレムは斬り捨てるのがここでの最適解!!』


たかが機械人形。連中が目の前の脅威を排除するコトに何の不思議があろうか。


だが、俺は魔剣を構え直し、刺突の体制を取る。


『刺突では全身の破断にはならぬ…。つまりあの剣は偽物。砲塔の破壊のみが目的か。愚かな。

―理解した。ならば我はお前の裏をかこう。ゴーレムの自爆と共に消えるが良い。』


消し神は自爆をエメスに命じる。


「そう来ると思ったぜ!!行くぞ、エメス!!」

「はイ、オーナー。」

『―!?』


俺は魔力が集中する砲口に魔剣を突き刺す!!


「エメス、ゴメンな。一旦サヨナラだ。」

「いいエ、感謝致しまス…。」


バシュゥウウウウウウーーーーッッ!!


砲口に集まったエメスの全魔力が霧散する!!砲塔ごと光となって消え去った!!

その瞬間、エメスは一発でマナ切れを起こし、その場に倒れ込む。俺はそれを抱き上げ戻る。


『何を…した!?』


俺はみんなにエメスを預ける。砲塔と化したメイドアーマーが消えたので、エメスは全裸だ。

そして消し神に魔剣を向ける。


「これは『本物』だ。」

『馬鹿な。ならば切り捨てる事こそ最善の策。相手の戦力を削がずに何とする!?』

「だからお前は失敗した。」

『ぬ?』


アスミスがエメスに水を飲ませる。

ただの水じゃ無い。デヴィルラが魔法で出した水だ。


魔法で出した水は、あくまでマナが水の様に振舞っているだけ。だから飲んでも喉の渇きは癒せない。

俺が魔導都市の道中で、日干しに遭った時に聞いたコトだ。

―だけど、マナの補給にはなる。 つまり、


ブシュゥウウーーーーッ!!


蒸気を吹き上げ、エメスが再起動した。

立ち上がるエメスを見て、消し神が声を荒らげ命令する。


『何をしておる!自爆せよ!』


―エメスはゆっくりと右手を上げる。そしてそれを顔に持って行くと、


「あっかんべェー。」

「な…!?」


消し神に向かってアカンベーをした。爆笑する俺達。


『命令だ!そいつらを消せ!』

「はテ、何のコトやラ。」

『我はお前のマスターなるぞ!命令を聞け!!』

「少々お待ち下さイ。…現在、マスター登録ハ、されておりませン。」

『―馬鹿な!?』


俺達はエメスのあざとい一挙一動に笑いを堪えるのがやっとだ。


「ま、まだ判らないのですか?うふふふっ…。」

「お主は、主とエメスの計略にまんまとハマったのじゃ。クックックッ…。」

『計…略?』

「オーナーが与えて下さっタ『第一条:オーナーの許可が無い限り、人間と同程度の力に抑えるコト。』に反しましたのデ、

元からしテ、ココでオーナー達を攻撃するコト等、有り得ないのデス。」

『何?』

「エメスハ、オーナーの眼を通しテ、皆さんの日常を感じ取っていたのでス。

オーナーの与えて下さっタ『第三条:オーナーの許可が無い限り、有効視野内から離れないコト。』に反しましたのデ、

矯正を試ミ、その結果、オーナーと視界…有効視野内としテ、認知が共有可能になったのでス。

そしテ、オーナーがエメスに何を望まれているのかモ、手に取る様に判ったのでス。」

「お前が命令していない間、エメスは自分の判断で、マスター登録の記憶情報を最深部から表層部に移していたんだよ。

俺が魔剣で突っ込んでマナ切れにした時に、同時に記憶消去出来る様に、ってな!!」


消し神の顔が驚愕の表情になる。


『ゴーレムが自分で勝手に…だと!?』

「オーナーの与えて下さっタ『第二条:オーナーの許可が無い限り、第三者の命令は聞かないコト。』に反しましタ。

ですガ、ゴーレムであるエメスは決して嘘が付けませン。ですかラ、バレないためにもすぐには記憶を消さズ、

オーナー自ら消去して下さるコトを信じテ、待機時間に記憶位置を移しただけに留めておいたのでス。」

『つまり、我の記憶は…、』

「はイ。綺麗さっぱリ。」


エメスは両手を広げて、手のひらを上に向け、小首を傾げるポーズを取る。

そのおどけた格好がまた笑いを誘う。


『しかし、マスター権限は絶対のはず…!何故…、』

「おヤ、お判りになりませんカ?」

『ぬ?』

「―愛でス。」

『愛…?』


俺はみんなの前に出る。


「お前はここにいる全員を消すコトに何の躊躇もしなかった。

自分が斬られると思ったらロリ神様の身体から逃げ出し、エメスも躊躇ためらうコト無く自爆させようとした。

だが、俺は全員を守った。―ここにいるみんなをよく見ろ!!」

『―う…ぬ?人間、獣人族、魔族、エルフ、ドワーフ、ゴーレム、半魔、そして神族…。

何の共通も無い、種族バラバラの寄せ集めではないか!?』

「やれやれ。重大な点を見落としてるな。」

『何?』

「ここにいるのは!全員!可愛い幼女だ!!」

「幼女…だと!?」

「―そして、みんなを守ったのは、俺がロリ・カイザーだからだ!!」

『ロリ・カイザー…!?』

「ロリ・カイザー。それは幼女皇帝。それは幼女を統べる者。全ての幼女を愛し、全ての幼女を守る!

愛と!自由と!平和と!正義のロリコン!!それがこの俺、ロリ・カイザーだ!!」


「「「「「「「きゃーーーーーっっ!!!」」」」」」」


一斉に後ろで歓声が起こり、拍手と口笛が鳴る。魔法で花火上げてるのはデヴィルラとワイズィだな…。


『♥―と言う事ですよ。』

『貴様が与えた二つ名か…!!』


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