第44章ー繋ぐー
「核を潰す」
誰かが言った訳じゃない。
だがその場にいた全員が同じ結論へ辿り着いていた。
カナムがモードと戦闘しながら叫ぶ。
「私が時間を稼ぐ」
それだけ言った。
次の瞬間糸が空間を埋め尽くす。
「千牢」
無数の糸が縦横無尽に張り巡らされる。
最深部そのものが巨大な蜘蛛の巣へ変わる。
モードが笑う。
「派手だなぁ!!」
爆発。
雷撃。
重力。
複数紋章を同時発動。
だがカナムは真正面から捌く。
「右だ!!」
「了解!!」
そらのドローンが突撃。
ミサイルが発射され、命中し爆炎が燃え上がる。
一瞬モードの視界が揺れる。
「今だ!!」
京慈が飛び込む。
硬化の紋章で拳を強化する。
一直線に向かっていく。
だが零玖号の鎧が変形し盾になる。
「ッ!!」
防がれた。
衝撃で京慈が吹き飛ぶ。
その直後。
「神楽舞・白鳴!!」
ぽたが加速する。
身体強化。
らきの偽装。
アスノの矢。
かぁりの薬品。
連携は完璧だった。
だが、核までのあと一歩が届かない。
その一歩が遠い。
モードが笑う。
「惜しい惜しい!!」
吸収と適応が進んでいく。
進化している。
時間が経つほど厄介になる。
カナムが眉を寄せた。
「…長引くな…この戦いは」
その瞬間。
モードが重力波を放つ。
ドゴォォォン!!
全員が吹き飛ばされる。
床へ叩きつけられる。
「ぐっ……!」
京慈が起き上がる。
身体が重い。
硬化していても限界が近かった。
だが立つ。
カナムが前を見る。
「京慈…次で決めろ」
その瞬間。
糸が伸びた。
「断界」
空間ごとモードの動きを一瞬縫い止める。
「今だ!!」
京慈が走る。
跳ぶ。
そらが叫ぶ。
「捕まれ!!」
ドローンが急接近。
京慈は空中で掴む。
ドローンが加速していきモードの核へ一直線に向かう。
「うぉぉぉぉぉ!!」
硬化した拳。
全力で殴ろうとする。
だが寸前モードの腕が動いた。
「甘ぇんだよ!!」
零玖号の鎧で防御しようとする。
ガギィィィン!!
止められる。
「ッ!!」
京慈の目が見開く。
勢いを殺される。
身体が弾かれる。
落下していく。
視界が反転する。
「しまっ――」
その瞬間。
「京慈ィィィ!!」
声。
下を見る。
そこにいたのはりゅーいちとあきと。
2人ともボロボロだった。
それでも立っていた。
「行けぇぇぇぇぇぇ!!!」
りゅーいちが怒鳴る。
「あとはお前だァァァ!!」
あきとも叫ぶ。
次の瞬間。
2人が同時に腕で受け止めて京慈を打ち上げようとする。
ドゴォッ!!
京慈の身体が再び空へ打ち上がる。
京慈の目に核だけが映る。
全身が軋む。
硬化も限界を迎え、腕が砕けそうだった。
それでも止まらない。
「硬化――!!」
黒色の紋章が限界まで輝く。
「全部乗せろォォォォ!!!」
拳を振り抜く。
直撃した。
ドゴォォォォォォォォッ!!!!!!
核へ京慈の拳が突き刺さった。
一瞬の静寂。
そして。
パキッ――
亀裂が入る。
次の瞬間、核が砕け散った。
閃光が走り衝撃が襲う。
零玖号の鎧が悲鳴のような音を上げる。
モードの目が見開かれた。
「……な――」
直後。
全ての紋章が暴走するように弾けた。




