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シグナリア  作者: もへもへーぬ
第1部ー紋章の継承者ー
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第43章ー核ー

ギィィィン!!!


糸と拳が激突する。


火花と衝撃で空間が軋む。


カナムとモード。


2人の戦闘だけ次元が違っていた。


モードが笑う。


「ははっ!!いいねぇ!!その糸!!」


拳が振るわれる。


爆発。


雷撃。


重力。


複数紋章が同時に発動する。


だがカナムは全て捌く。


「偏流」


糸で流れを作り爆炎を逸らす。


「断界」


糸で瞬間的に壁を作り雷撃を切断する。


「縫牢」


壁を作った糸を太くし、強度を上げることで重力波の軌道を固定。


異常な戦い方。


まるで未来でも見えているようだった。


モードが笑みを深くする。


「フハハッ、人間辞めてなきゃできねぇ芸当すんな。お前は」


カナムは無言。


だが完全優勢ではない。


モードは強い。


零玖号の能力を適応しながら取り込んでいる。


時間が経つほど戦闘能力が上がっていた。


その瞬間。


「そら兄ちゃん!」


らきが叫ぶ。


「わかってる!」


そらが大量のドローンを展開。


ミサイル一斉射。


直撃し爆炎が上がる。


その隙に。


「神楽舞・白鳴!」


ぽたが飛び込む。


蹴りの連撃。


さらに針に糸を通すようなアスノの矢。


かぁりの薬品。


京慈の拳。


全方向攻撃をくりだす。


だが。


「無駄だ」


モードが笑った。


零玖号の鎧が脈打つ。


そして攻撃が吸い込まれた。


「なっ……!?」


京慈が目を見開く。


爆炎。


薬品。


衝撃。


全て。


黒い鎧へ飲み込まれていく。


まるで底なし沼だった。


モードが肩を回す。


「融合の紋章は全て適応する」


「攻撃ですら受ければ受けるほど学習して取り込みやすくなるしな」


次の瞬間。


吸収した炎がそのまま放たれた。


「ッ!!」


りゅーいちはまだ立てない。


威力が止められない。


アスノが前へ出る。


「受容の紋章!!」


黄色の紋章が光る。


炎が吸い込まれ、無効化される。


だがアスノの腕が震えていた。


「重い……っ」


威力が高すぎる。


京慈が叫ぶ。


「りすずさん!!」


通信が入る。


『……やってる』


珍しく少し苛立った声だった。


『融合速度が異常』


『解析が追いつかない』


モニター越し。


りすずの瞳がオレンジに光っている。


解析の紋章の限界出力。


大量の数式と大量の波長。


一般人なら脳が焼き切れる情報量。


それでも止めない。


『あと少し……』


『あと少しで……!』


その時。


京慈の視線が一瞬だけ止まった。


「……ん?」


モードの胸部、零玖号の鎧の中心部


そこだけ僅かに脈動していた。


まるで心臓のように。


「……なんだ?」


京慈が目を細める。


よく見る。


攻撃を吸収する時。


必ずそこが発光している。


逆にカナムの糸を防いだ時だけ反応が遅れていた。


「……そういうことか」


京慈の顔つきが変わる。


カナムが横目で見る。


「何か見つけたか。京慈?」


京慈が叫ぶ。


「胸だ!!」


「胸の中心!!」


「そこだけ処理が遅れてる!!」


モードの目が細くなった。


一瞬、ほんの一瞬だけ反応した。


京慈は確信する。


「そこが弱点だ!!」


同時。


りすずの声が飛び込んだ。


『解析完了!!』


『京慈の言う通りだ!!』


『零玖号の紋章処理中枢!!』


『融合演算核!!』


『あそこが本体の弱点!!』


空気が変わる。


兄妹たちの目つきが変わる。


勝機が初めて見えた。


モードが少しだけ笑みを消した。

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