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シグナリア  作者: もへもへーぬ
第1部ー紋章の継承者ー
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43/54

第42章ー適合ー

崩れた瓦礫と舞い上がる塵煙。


そして動かなくなった零玖号。


誰もが息を荒げていた。


「……止まった」


京慈が呟く。


全身が痛む。


だが立っている。


兄妹たちも傷だらけだった。


それでも全員生きている。


その事実だけで十分異常だった。


「やった……の?」


らきが恐る恐る言う。


カナムは答えない。


視線はただ1人へ向いていた。


モード。


モードは静かに立っていた。


表情は見えない。


だが不気味なほど落ち着いていた。


「……終わりか?」


りゅーいちが刀を向ける。


モードは笑った。


小さく、静かに。


「いや?」


その瞬間モードが動いた。


「ッ!?」


誰よりも先に反応したのはカナムだった。


だが一瞬遅い。


モードは崩れた瓦礫を踏み越え零玖号へ触れた。


ドクン――


空気が脈打つ。


零玖号の身体が再び動いた。


「なっ……!?」


京慈が目を見開く。


だが先程までとは違う。


肉体が崩れ始める。


黒い泥のように溶けて変質する。


そしてモードへ纏わりついていく。


「おいおいおい……!」


あきとが後退る。


零玖号の肉体が鎧のようにモードを覆っていく。


腕。


肩。


胸部。


脚。


巨大な生体外殻となった。


そして最後に背中から無数の紋章が浮かび上がった。


赤。


青。


紫。


黄色。


緑。


異常な光景。


モードがゆっくり顔を上げる。


その目には紋章が浮かんでいた。


「はぁ……やっぱ馴染むな」


次の瞬間。


消えた。


「ッ!!」


りゅーいちが反応する。


だが遅い。


ドゴォォォォッ!!!!


拳がりゅーいちに直撃する。


りゅーいちの身体が勢いよく吹き飛び壁へ激突する。


「ガッ……!!」


同時。


あきとも殴り飛ばされた。


「ぐぁっ!?」


2人まとめて壁へ叩きつけられる。


衝撃で施設が揺れた。


京慈が息を呑む。


速いそして重い。


さっきまでとは別物。


モードが首を鳴らす。


「紹介してなかったな」


モードの両目と背中の紋章が一斉に光る。


両目に浮かぶ黒紫の紋章。


「融合の紋章」


空気が歪む。


「能力は対象との融合及び適応」


京慈たちの表情が変わる。


モードは笑う。


「武器でも、生物でも…紋章でも、全て取り込める」


その瞬間。


零玖号の腕がモードの右腕と完全に同化した。


筋肉が脈打ち、紋章の力が流れる。


「しかも適応が始まれば始まるほど強くなる」


カナムの目が細くなる。


「……厄介だな」


モードが笑う。


「だろ?」


次の瞬間モードの身体から雷が走る。


さらに炎に重力、爆発。


零玖号の能力を全て使えていた。


「零玖号単体じゃ不完全だった。だが、俺が器なら話は別だ」


京慈が歯を食いしばる。


「化け物……」


モードは肩を竦めた。


「何度も言うが、お前ら九識にだけは言われたくねぇな」


その瞬間。


モードが再び消える。


カナムが即座に前へ出た。


ギィィン!!


糸と拳が衝突する。


衝撃波により床崩壊していく。


モードが笑う。


「いいねぇ!!やっぱお前との命のやり取りが一番楽しい!!」


そして最深部の決戦は次の段階へ進んだ。

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