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シグナリア  作者: もへもへーぬ
第1部ー紋章の継承者ー
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第41章ー総力戦ー

零玖号が咆哮を上げ、轟音が鳴る。


そして、零玖号が床を砕きながら一直線にカナムへ突撃した。


「ッ――!!」


空気が震える。


巨大な拳を振り下ろす。


だが、カナムは動かない。


右手が僅かに動く。


「偏流」


空間に張られた糸が零玖号の拳へ絡みついた。


直後。


軌道が逸れる。


拳が横へ流れ背後の壁を粉砕した。


ドゴォォォン!!


京慈が目を見開く。


「流した……!?」


カナムは答えない。


零玖号を見る。


観察をしているようだった。


次の瞬間、零玖号の身体から雷撃が放たれた。


「雷系か…」


カナムが即座に横へ跳ぶ。


同時に糸が焼ける。


バチバチバチッ!!


「高出力かつ瞬発型…放出系統寄りだな」


通信。


りすずが即反応する。


『該当しそうな紋章を検索』


『……該当紋章を確認』


『雷鳴の紋章』


『電撃及び神経刺激能力』


その瞬間。


「あきと!!」


カナムが叫ぶ。


「あぁ!!」


あきとが前へ出る。


「分散の紋章」


両目が青く光る。


零玖号の雷撃が放たれる。


だが、あきとが前へ出た瞬間電流が周囲へ散った。


威力減衰。


「効くぞ!!」


その隙。


京慈が突っ込む。


「硬化の紋章!!」


拳を硬化し、強化する。


零玖号の腹部へ直撃。


ドゴォッ!!


巨体が僅かによろめく。


だが、次の瞬間、零玖号の腕が膨張した。


筋肉が大幅に増幅した。


「身体強化系……!」


カナムが即座に分析する。


「単純強化型だ。りすず」


『解析完了』


りすず。


『剛力の紋章と推定』


『筋力増幅系の能力』


「京慈!!」


「はい!!」


京慈が真正面から受け止める。


激突し衝撃が走る。


床が崩壊する。


だが、硬化した京慈が真正面から押し返した。


「ッラァァァ!!」


零玖号が初めて後退する。


その瞬間、零玖号の周囲に炎が噴き出した。


爆炎と熱波により、施設が赤く染まる。


「炎系統!」


カナムが叫ぶ。


りすずが即解析。


『炎系能力確認』


『炎焔の紋章と同系統だが炎焔じゃない!』


「りゅーいち!!」


「待ってましたァ!!」


りゅーいちが笑う。


赤い紋章が光り炎が刀へ宿る。


「炎焔奥義――焔天裂衝!」


刀を全力で振り下ろし、炎の斬撃が爆炎ごと切り裂いた。


零玖号の炎が押し返される。


その瞬間。


零号の足元から大量の蔦が生えた。


九識兄妹を拘束しようとしてくる。


「植物生成…いや成長に近い…?」


カナムの目が細くなる。


『解析開始――』


だが。


蔦が突然変形し、刃物となり襲いかかる。


「チッ」


カナムが糸で切断。


「創造変換系か」


『推定一致』


『変異の紋章だ』


『有機物変質能力』


「そら!!」


「任せて!」


そらがドローン展開。


空間制御。


「創造の紋章」


空間が歪む。


変異植物の動きが止まる。


その隙にらきが飛び込んだ。


「偽装の紋章!」


視界を偽装する。


零玖号の認識を狂わせる。


だが、零玖号は暴れる。


意志はない。


だからこそ、止まらない。


ただ破壊するだけ。


咆哮を上げる。


次の瞬間、重力が変わった。


全員の身体が急に沈む。


「ッ……!?」


京慈が膝をつく。


カナムだけが立っていた。


「重力系か…厄介なものを…」


『解析完了』


『重圧の紋章』


『周囲重力を重たくする能力』


「ぽた!!」


「はいよ!!」


白い紋章が光る。


舞。


「第4目・天鈴」


全員の身体能力が上昇し、身体が軽くなる。


「動ける!!」


だが零玖号は止まらない。


紋章を次々切り替える。


炎。


雷。


爆発。


重力。


強化。


変異。


完全に化け物だった。


その時、カナムが静かに言う。


「……限界が近いな」


京慈が振り返る。


「どういう意味ですか!?」


「器だ」


零玖号を見る。


筋肉が裂け始めていた。


皮膚が崩壊している。


紋章同士が内部で衝突している。


だが。それでも暴れ続ける。


止まれない。


モードが笑っていた。


「いいねぇ」


「最高だ」


カナムが冷たく見る。


「ヤツはこれを最高傑作と言っていたが、こいつも失敗作だ」


そして零玖号が再び突撃した瞬間。


カナムの右手が動く。


「天牢」


空間全体へ超高密度の糸が展開された。


見えない牢獄。


零玖号が突っ込む瞬間。


全身が拘束された。


「ガァァァァァァァ!!!」


暴れる。


だが切れない。


カナムが静かに言う。


「今だ!」


全員が動いた。


炎。


矢。


薬品。


衝撃。


斬撃。


舞。


銃撃。


九識家による一斉攻撃。


轟音が響き爆煙が上がる。


そして最後に京慈が飛び込む。


「終わりだァァァ!!」


硬化した拳で全力の直撃。


ドゴォォォォッ!!!


零玖号の巨体が吹き飛び壁へ叩きつけられた。


施設内部は崩落し始めた。


零玖号は動かない。


だが完全撃破ではないが戦闘不能。


最深部に重い静寂だけが残った。

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