49「カイル保護作戦」
酒場のテーブルを囲んだシュウ、ネリィ、そして改革派副リーダーのレオニード・グラフ。空気は緊張感に包まれつつも、互いに冷静な視線を交わす。
「まず、カイルの安全確保だな」
シュウが切り出す。
「小屋は人通りが少ないとはいえ、単独では危険すぎる。見張りを立てつつ、居場所を極力知られないようにしないと」
レオニードが頷く。
「私たちが交代で見張ることも可能だ。街の情勢には精通している。過激派の動きもある程度読める」
ネリィも口を挟む。
「それと、酒場の情報網を活用しましょう。私の店にも常連がいて、過激派や怪しい動きを逐一知らせてくれる」
シュウはメモ帳を取り出し、具体的なスケジュールを考える。
「昼間は小屋周辺を私とレオニードで見張り、夜間はネリィさんの店の情報で警戒する。あとは、カイルを外に連れ出すときは必ず複数人で行動する」
レオニードが軽く笑みを浮かべる。
「なるほど、連携して動けば過激派の目をかいくぐれそうだ。加えて、我々が過激派の動きを少し誘導すれば、監視が分散されてより安全になる」
シュウは深く頷いた。
「それと、過激派がターゲットにしているのはヤミフラや黒ヤミの情報だ。酒の出どころや製造者が明かされないよう、私たちも情報管理を徹底する」
ネリィが腕を組み、にやりと笑う。
「よし、じゃあ計画は大まかに決まったわね。あとは日常的に巡回して、危険が迫ったら即時対応」
レオニードが小声で提案する。
「この先は偽装工作も考えたほうがいい。カイルさんが目立たないよう、あえて別の仕事に就いたフリをするなど」
シュウも頷く。
「わかった、まずは小屋で安全確保。次に外に出す場合は偽装行動……これでいこう」
こうして、街全体を巻き込んだ“カイル保護作戦”と、過激派監視の連携が静かに動き始めた。
暗く冷たい酒場の中、策を練る三人の背後には、まだ見ぬ過激派の影がちらついている──。




