間話 戦争が終わったので、今日は何もしないことにしました
戦争が終わった翌日、俺は何もしないことに決めた。
ガルガン商会の後始末も、本部地下にあるという怪しい帳簿の確認も、昨日手に入れた《迷宮戦権》の検証も全部明日だ。
広間は柱が一本消し飛び、床が割れ、その下にあった《星泪泉》まで見事に開通しているが、それだって一日くらい放置したところで逃げたりはしない。
昨日はやばかった。
三十人以上の武装集団をダンジョンへ引き込み、罠に嵌め、走り回り、死にかけ、最後には命より大切な我が家まで半壊した。
正確には俺が壊したわけではない。
主犯は別にいる。
まぁそんなこんなで大変だったので今日は休む。
何か問題が起きても、元気な明日の俺に全部任せる。
完璧な計画だった。
「ぬし! 大変じゃ!」
扉が勢いよく開くまでは。
「明日にしてくれ!」
俺は毛布から顔も出さなかった。
「まだ何も言っておらんぞ!?」
「大変なんだろ? なら明日。今日の俺はそういうの受け付けてないから」
「腹が減った!」
「昨日食っただろ!」
「わしではない!」
「じゃあ誰だよ! 適当に用意しといた飯でも食ってくれ!」
「それは食べれん!腹が減っておるのはこっちじゃ!」
ノアが床を指差した。
「……床?」
「うむ」
「が?」
「腹を空かせておる」
ようやく毛布から顔を出した。
昨日まで謎の種だった元ダンジョンマスター。
どうやら以前の記憶はないようで、態度もでかいし希少素材を食ってしまう問題児だ。
そして知り合って二日目にして、床の空腹を訴え始めた。
嫌だ。
今日は関わりたくない。
俺はもう一度毛布へ潜った。
「ケイン呼んできて」
「何故じゃ!?」
「俺一人だと、お前がおかしいのか寝起きの俺がおかしいのか判断できない」
「ぬしじゃろ」
「お前だよ!」
こうして俺の休日は、開始十五分で終了した。
◇
「……なるほど」
事情を聞いたケインが広間の床へ手を当てた。
しばらく待つ。
当然、何も起きない。
「どう?」
「異常はありませんね」
「よかった」
「何がです?」
「俺はまだ正常だった」
「そこ疑ってたんですか?」
昨日から色々ありすぎて脳のキャパがオーバーしててもおかしく無い。
そのうち床と会話を始めても受け入れてしまいそうな自分が怖い。
隣ではノアが腕を組み、不満そうに頬を膨らませていた。
「だから言っておるじゃろ。この迷宮は傷ついておる。直したがっておるのじゃ」
「最初からそう言えよ! 床が腹減ったとか言うから話がややこしくなるんだろ!」
「わしにはそう感じるのじゃ!」
ノアによれば、《迷宮心臓片》を取り込んでダンジョンと深く繋がったことで、迷宮そのものの状態を以前より強く感じ取れるようになったらしい。
壊れた場所を直したい。広げたい。新しいものを作りたい。
そのために必要な魔力や素材を欲している感覚が、ノアには空腹に近い形で伝わってくるらしい。
「待て!つまり素材を食わせれば、昨日壊れたところを勝手に直してくれる可能性があるってこと?」
「そうじゃ!」
俺はノアの両肩を掴んだ。
「ノア様!」
「急に何じゃ!?」
「もっと早く言ってくださいよノア様! いやぁ、昨日から只者じゃないと思ってたんですよ!」
「さっきまでわしを変人扱いしておったじゃろ!」
「過去の事なんて気にするなよ」
「現金なやつじゃの」
掃除しなくていい。
これだけでノアの評価が急上昇した。
昨日の戦闘で広間は酷い有様だ。柱は消滅し、床は陥没、壁には亀裂が走り、その一部は《星泪泉》まで開通している。
全部人力で片付けるとなれば、何日かかるか分からない。
それを素材一つで直せるなら――。
「もっと良い魔石を使うのじゃ!」
「嫌だよ」
「何故じゃ!?」
「一番安いので試すに決まってるだろ! 昨日お前に一個食われた時点でまだ立ち直ってないんだからな!?」
「小さい男じゃのう」
「財布の痛みを知らない奴は黙ってろ!」
俺は倉庫から小ぶりな魔石を一つ持ってきた。
これまで倒した魔物や探索で手に入れた素材のうち、すぐに使わないものは少しずつ回収して保管している。魔石もその一つで、昨日ノアが食べたのもここに置いてあったものだ。
ちなみに貴重な素材は別の場所へ移した。
ノアには教えていないし今後も教える予定はない。
「ここでよい」
指定された床へ魔石を置くと、青緑色の細い根が動き、ゆっくりと絡みついた。
淡い光が広がる。
魔石が少しずつ小さくなり、完全に消えた直後、広間の奥から石の擦れる音が響いた。
昨日できた壁の亀裂が閉じていく。
砕けていた石まで引き寄せられ、隙間を埋めるように元の場所へ戻っていった。
「おお……!」
本当に直っている。
「ノア」
「何じゃ?」
「好き」
「気持ち悪い!」
「修繕が必要無くなったぜ!」
「感謝せい」
勝ったな。寝てこよう。
最低限の素材だけ食わせて、修復はダンジョン自身にやらせるて俺は昼まで寝る。起きても何もしない。
最高じゃないか。
そう思った直後だった。
ずずずずず、と低い音を立てて、閉じたばかりの壁が左右へ動き始めた。
その奥から、昨日まで存在しなかった通路が現れる。
しかも壁には青緑と金色の線が走り、妙に凝った装飾まで浮かび上がっていた。
「…………ノア」
「何じゃ?」
「何これ」
「便利じゃろ?」
「俺は『何これ』って聞いたんだけど」
「便利じゃろ?」
「目を逸らすな」
ノアが黙った。
「……少し、直したのじゃ」
「通路増えてるけど」
「より良くした」
「勝手にリフォームするな! 俺、命懸けで守ったホームを昨日来たばかりの新人に改装されてんだけど!?」
「新人ではない!」
「まだお前はここに来てから二日だよ!」
しかも腹が立つことに、ちょっと格好いい。
「元に戻して」
「嫌じゃ!」
「俺のダンジョン!」
「わしの身体でもある!」
「権利関係までややこしくするな!」
言い争っていると、騒ぎを聞きつけたリュネリアが広間へやってきた。
「マスター、どうされたんですか?」
「聞いてくれよリュネリア。ノアが勝手にうちを改造しやがった!!」
「家ではない! 迷宮じゃ!」
「今そこどうでもいい!」
リュネリアは新しい通路を覗き込み、壁の装飾までじっくり眺めた。
そして、ぱっと顔を明るくする。
「素敵ですね!」
「お前もそっち側なの!?」
「この辺りも広くできるんですか?」
「できるぞ!」
「ノアも乗るな!」
リュネリアが目を輝かせながら振り返る。
嫌な予感しかしない。
「マスター! でしたら私も一つお願いがあります!」
「嫌だよ!」
「まだ何も言ってません!」
「その顔で分かるんだよ悪い予感しかしない!」
「《星浴》をするためのお部屋が欲しいです!」
「昨日ダンジョンぶち壊したやつがリフォーム提案してくるな!」
「ぶ、ぶち壊してはいません!」
「柱も床割れたれて泉まで繋がったんだぞ!!お前のせいで大変な目に遭ってるんだからな!?」
「ですが、最後は勝てました!」
「この惨状だけどな!」
実際、リュネリアの一撃がなければ昨日の戦いはもっと厳しかった。
それは認める。
認めるけど、だからって翌日に増築を要求するのは違うだろ。
「もっと広ければ《星浴》もやりやすくなります!」
「今ある泉で我慢しなさい!」
「もう少し広い方が気持ちいいんです!」
「完全に風呂の要望じゃねえか!」
本人は大真面目なのが余計に腹立つ。
「とにかく今は修復が先。お前がリラックスするためのリフォームはあとだ!」
「遊んでいるわけではありません!」
「分かってるよ。昨日もちゃんと助かったし」
「…………」
急に静かになった。
「何?」
「いえ!」
返事だけ妙に元気だ。
そのままリュネリアは壊れた壁の方へ向かったが、さっきまでより明らかに歩幅が軽い。
……何だ?
試しに呼んでみる。
「リュネリア」
「はい!」
振り返るの早っ。
「もしかして今、褒められて嬉しかった?」
「…………」
目が泳いだ。
分かりやすい。
「別に、そんなことは……」
「じゃあ違うか」
「少しは嬉しかったです!」
「どっちだよ!」
普段からうっかりやらかしすぎるからあまり褒めれてなかったことは反省だ。
配下の頑張りはマスターである俺がしっかり見てやらないとな。
……待てよ。
「じゃあ今日一番頑張ったら、もう一回褒めるし何かご褒美もあげちゃおうかな」
「本当ですか!?」
瞬間、リュネリアの周囲に光が集まり始めた。
「待て待て待て! 魔法禁止!」
「まだ何もしてません!」
「今からする顔だった! 頑張る方向をまず俺に確認しろ!」
危なかった。
褒め言葉一つで二次災害が起きるところだった。
俺は手頃な瓦礫を指差す。
「これ。これを向こうに運んで。手で」
「お任せください!」
速い。
めちゃくちゃ働く。
俺はその背中を眺めながら、少し考えた。
これ……褒めれば働くんじゃない?
「詩さん」
「何?」
「今、かなり悪い顔してますよ」
「違う。適材適所って言うんだよ、こういうのは」
「本人の前では言わない方がいいと思います」
もちろん言わない。
俺だって命は惜しい。
しばらくすると、リュネリアが戻ってきた。
「マスター! 終わりました! 次は何をすればいいですか?」
魔法さえ使わなければできる子なんだよな。
しょうがないあとで何か美味しい飯でも用意しておくか。
◇
少し遅れて広間へやってきたネイラにも事情を説明すると、新しくできた通路を眺めてから俺を見た。
「部屋、増える?」
「増やすかはまだ決めてない」
「増やすのじゃ!」
「お前に決定権ないからね?」
ネイラは少し考えたあと、珍しく自分から要求した。
「増やしてほしい」
「お、ネイラが言うなら聞こう。どんなの?」
「マスターの近く」
「…………」
ちょっと待って。
そういうの急に投げてくるのやめて。
こっちはそういう耐性あんまりないんだから。
「近いところがいい」
聞き間違いではないらしい。
俺はノアを見る。
ノアも俺を見ている。
「何?」
「いや?」
「その顔やめろ」
「何も言っておらんぞ」
照れ臭い俺を見てニヤニヤしてしてやがる
ネイラだけが不思議そうに俺たちを見ていた。
「リュネリアも近く」
「あ、はい。そういうやつね」
「うん。ケインも」
「全員じゃん! ちょっと期待した俺が馬鹿みたいじゃん!」
「群れだから」
「知ってた。うん。全然知ってた」
俺は何を期待してたんだ。
ネイラにとって俺たちは群れなのだから、全員近くにいたいだけだ。
分かってる。
最初から分かってましたとも。
「でも、詩が一番近い」
「じゃあ何で一回落とした!?」
「?」
「何でもない!」
本人に自覚がないから余計に困る。
「マスターだから」
「ああ、そういうことね」
危なかった。
一瞬ヒロインかと思っちまったぜ。ネイラからしたらただ群れの長だからってわけだ。
「嫌?」
不意にネイラが聞いた。
「え?」
「近い部屋」
いつも真っ直ぐ立っている耳が、ほんの少しだけ下がっていた。
…………それは反則だろ。
「いや。嫌じゃないよ!むしろネイラが近くにいるなら安心だ」
「そう」
耳が戻る。
尻尾が一度だけ左右に揺れた。
……何だよ。
可愛いじゃん。
「マスター」
「な、何?」
ネイラが俺の肩へ顔を寄せた。
近い。
鼻先が服へ触れそうなくらい近い。
「ちょっ、何してんの?」
「匂い、覚えてる」
「今!?」
「うん」
ちょっとネイラさんよ距離が近すぎるんじゃないか?
◇
その後、何故か全員参加の部屋割り会議が始まった。
俺は開催した覚えがない。
「わしの部屋はここじゃ」
ノアが素材倉庫の隣を指差す。
「駄目」
「まだ何も言っておらん!」
「昨日会ったばっかだけど、お前の信用残高もうマイナスなんだよ」
「何故じゃ!」
「何でだと思う?」
「……分からぬ」
「そこは思い出せ!」
ケインから出た「倉庫を増やした方がいい」という意見は即採用した。
「何故こやつの意見はよいのじゃ!」
「実用的だから」
「わしの部屋も実用的じゃ!」
「お前が素材食うのに便利なだけだろ!」
リュネリアは《星浴》用の部屋を再び要求。
今は却下。
ネイラは俺の部屋の近く。
採用。
「ぬし」
「何?」
「今の判断だけ早くなかったか?」
何かノアが騒いでいるが無視しておこう。
騒いでいる間も、リュネリアは残った瓦礫をせっせと運んでいた。
頼んだ分はとっくに終わっているのに、まだ仕事を探している。
「リュネリア、もういいよ」
「まだできます!」
「知ってるって。休んで」
「ですが――」
「十分助かったから」
ぴたりと止まった。
まただ。
「……はい」
小さく返事をすると、俺の近くまで来て座った。
「何でここ?」
「休めと言われましたので」
「なんか距離近くない?」
「邪魔ですか?」
「いや」
「では問題ありませんね!」
クスっと笑顔で微笑む姿はまさに世の男が羨む美少女と言っても過言ではない。
するとネイラまで俺の反対側へ座った。
右にリュネリア。
左にネイラ。
正面にノア。
少し離れた壁にはケイン。
昨日までここで殺し合いをしていたとは思えない。
「マスター」
「ん?」
「今日はもう何もしないんですか?」
「本当は朝からその予定だったんだけどね!」
誰のせいでこうなったと思ってるんだ。
リュネリアが笑い、ネイラは俺の隣で目を閉じた。
ノアも珍しく静かに床へ手を置いている。
少しだけ、広間が静かになる。
最初は俺一人だった。
そこへリュネリアが来て、ネイラが来て、ケインが加わり、昨日はノアまで増えた。ボルドは外にいるけど、どうせそのうちまた勝手にやってくる。
一人だった頃より、面倒事は間違いなく増えた。
食費も増えた。
部屋も必要になった。
希少素材を食う奴までいる。
……でも。
こうして誰かの気配があるのは、まあ、悪くない。
「マスター」
リュネリアが、いつもより少し静かな声で呼んだ。
「何?」
「昨日、本当にありがとうございました」
「何が?」
「私を頼ってくださったことです」
隣に座ったリュネリアが、何気なく自分の髪を指先ですくった。
淡い髪がさらりと指の間を流れる。そのまま彼女は髪先を弄びながら、なぜか俺から目を逸らさない。
「私、ちゃんとお役に立てましたよね?」
「立ったよ。めちゃくちゃ」
柱は消えた。
床も壊れた。
泉まで繋がった。
それでも最後に敵を崩し、俺たちを勝たせたのは間違いなくリュネリアだった。
「だから、ありがとう」
リュネリアが目を丸くする。
それから、本当に嬉しそうに笑った。
「はい!」
…………。
何だよ。
可愛いじゃん。
普通に。
いつもこうしてれば――。
「では次も全部吹き飛ばしますね!」
「何でそうなるんだよ! 今の感動返せよ!」
やっぱ駄目だこいつ!!
「マスター」
今度は反対側から呼ばれた。
「何?」
「私も役に立った?」
「もちろん」
「そう」
満足したらしい。
もう目を閉じている。
「……それだけ?」
「うん」
「そっか」
何となく、その頭へ手を伸ばした。
黒い髪を軽く撫でると、ネイラの耳がぴくりと動く。
嫌だったかなと思って手を離そうとした瞬間、袖を掴まれた。
「もう少し」
「…………」
待って。
それは。
それは普通に可愛――。
「わしも」
ノアが頭を突き出した。
「お前は何で!?」
「不公平じゃろ!」
「お前は今日俺の家勝手に改造しただけだろ!」
「直した!」
「勝手にDP余分に使ってリフォームしやがっただろ」
「かっこよくなったじゃろ!」
「反省ゼロか!」
「わしも撫でよ!」
「自分から要求するものなの!?」
ふと視線を感じた。
リュネリアだった。
目が合う。
「…………」
「リュネリアさん?」
「何でしょう?」
「いや……」
「…………」
「…………」
何で見てる?
まさか。
「リュネリアも?」
「私はそんな子供ではありません!」
「あ、そう」
「…………」
「…………」
「……一回だけなら」
何なんだこいつら。
結局全員幼児なのか?
俺はお父さんか?
でもまあ。
こういう日も――。
《特殊施設候補を検出しました》
俺は顔を上げた。
ノアも同時に反応する。
「今の何?」
「知らぬ」
「お前元ダンジョンマスターだろ!?」
「覚えておらぬものは仕方なかろう!」
肩書だけじゃねえか!
管理画面を開くと、新しい表示が増えていた。
《迷宮心臓片》
《星泪泉》
《特殊個体:ノア》
複数条件の成立により、新規施設候補が解放されました。
《特殊施設候補:迷宮浴場》
「……風呂?」
リュネリアが勢いよく立ち上がった。
「マスター!」
「待て」
「作りましょう!」
「待てって!」
「《星浴》もできますか!?」
ノアまで管理画面を覗き込む。
「ほう。風呂か」
「お前、風呂知ってるの?」
「…………」
止まった。
「何となくじゃ!」
元ダンジョンマスターなら知っていてもおかしくないのか?
ネイラも起きた。
「風呂?」
「身体洗ったり、温かい湯に浸かったりする場所」
「みんなで?」
「場合による」
「一緒がいい」
「…………」
ちょっと待て。
今度は何だ。
リュネリアまで俺を見る。
ノアも見る。
ケインだけが何故か静かに視線を逸らした。
「何でみんな俺を見るの?」
誰も答えない。
嫌な予感しかしない。
俺は今日、何もしない予定だった。
朝起きた時には、昼まで寝て、飯を食って、また寝るだけで一日を終えるつもりだったのだ。
なのに。
「マスター、どこに作りますか!?」
「ぬし、広い方がよいぞ!」
「マスターの近く」
「風呂まで俺の近くに作らなくていい!」
どうやら風呂は決定してるらしい。
まぁ反対する理由はないんだけどな。
戦争は終わり敵もいない。
命の危険だってない。
なのに昨日より騒がしい。
俺は頭を抱えながら、楽しそうに騒ぐ三人を見た。
……まあ。
一人で寝てるよりは。
「マスター!」
「分かった分かった! とりあえず必要な素材から確認するぞ!」
結局、休む気だった俺が真っ先に管理画面を開いた。
《特殊施設:迷宮浴場》
その文字だけが、やけに楽しそうに光っていた。




