やってきました亡者の鉱山都市ベルンケラー
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死属性の領域の森を抜けて、都市の外壁が見えた。……やっとの事で、亡者の鉱山都市ベルンケラーまでやってきた。ここまでゆっくりと進んできて3日ほど。ぶっちぎってくるなら、1日で何とか移動が出来そうな感じである。この辺を拠点にすれば、ある程度の居住性も担保できると思う。外壁の向こう側に住むことはおススメ出来ない。そっちには建物もあるんじゃないかとは思うかもしれないが、ここから見てもやばい。死属性の魔力の質が違う。エルフだから見えているというか、感じられるけど、これは獣人では感知不可能だ。……もしかしたら、臭いで差が解るかもしれないが、ベルンケラーの中からは、異質な程の死属性の魔力を感じる。今まではデスカースカルが最高の魔物だった。それを軽く凌駕する魔物が居ることは確定だな。これがデーモン系統なのか、ボーンソルジャーの系統なのかが解らない所か。どちらも居る可能性がある。警戒しないでどうするってレベルの魔物が居るだろう。……まあ、ここにいる面子なら、何とかはなるんだろうが。それだけ強くしてきた。身体能力強化魔法の第三段階まで使えることは確認済みだ。それ以上を求めることは難しい。そこからリミットブレイクするには、ある種の才能が必要になってくる。数で押されれば厳しいだろうが、1体ずつなら何とかなるとは思う。
「……遂にここまで来たか」
「油断するなよ。あの外壁の向こうの死属性の魔力は異常だ。あれだけの場所だ。相応の魔物が出てくるぞ。常に身体能力強化魔法の第三段階まで使っておけ。こんな所では死ねないだろう?」
「解ってる。ここまで臭ってくるからな。今までにない、濃密な死の臭いだ。鼻が曲がりそうになる。ここまでの場所は、流石に知らねえ。警戒するのも当たり前だろ?」
「流石の嗅覚だな。鼻が捥げているんじゃないかと思うくらいには臭いと思うが、それよりも死の香りの方が強いのか?」
「ああ、臭いとかそういうのじゃねえ。死を想起させる臭いだ。ここから先は入ってくるなって言っているような気配がする。……まあ、入るんだがな。そうだろ?」
「ここまで来て引き返すのはあり得ないからな。勿論入る。……ただ、ここにちゃんとした駐屯地は作れるなとは感じだ。ここまでの戦闘で、苦労したのは少しだけだ。デスカースカルを10体見かけた時は、何でこんなに集まっているんだって思ったが。それよりもやばい空気なのは解って貰えているとは思う。……明日、偵察で1日探索する。鉱山の方にはいかない。まだいけない。まずは都市内部が探索できるのか。それを確認する。確認できたら、今回は撤退する。もしかしたら、鉱山の方がやばい可能性があるからな。対策は取っておいた方が良い。予想が正しければ、向こうには1段階おかしな敵がいると思う。それを素材にして、聖属性の防具を作った方が良いだろうな。今は皆、ボールデンウルフの防具を着こんでいるが、それじゃあ不足する可能性が高い。俺もしっかりとした防具が欲しい所だな。こんなにも死属性が濃密だと、鉱山の方はどうなっているのかが想像がつかない。同じであるはずがない。格上との戦いも覚悟しないといけないだろうな」
明日1日で、何処まで探索できるのかだ。都市というだけあって、大きい。山を背に、半円状に広がった都市は、1日では探索しきれない程の範囲があるだろう。勿論だが、駆け抜けるだけなら1日も必要ない。調査をしないといけないからな。どんな場所なのか、どういった魔物が出てくるのか。それを見ない事には話にならない。強敵と戦う。バトル物なら見ごたえのある戦闘シーンがかかれるんだろうな。まあ、こちらは錬金術師。生産職である。戦闘はするがそこまでの戦闘シーンが見られるかどうかは不明だ。まあ、物語ならな。現実は戦闘シーンなんて見やすいものじゃない。もっと見苦しいものだとは思うぞ。
そんな訳で、体力が削られている今の状態で突っ込むわけにもいかないので、ある程度の体力を回復させるために、1泊。……疲れは残るが、減るのは間違いない。俺の場合は魔力の気配で、獣人の冒険者たちは臭いで、休めるものも休めないだろうがな。これに慣れないといけない。今後の事も考えれば、ここで足止めを食らっている訳にはいかない。鉱山の中に入り、鉱石を採掘できるだけの環境を整えなければならない。獣人の兵士団には強くなってもらわなければならない。少なくても、この場所を維持できるだけの実力を身に着けてもらわなければならない。流石に都市の内部で駐屯地を作るのは厳しいだろうが、この場所でくらいなら、駐屯できないと厳しいぞ。
朝、外壁は高く積み上げられているが、閉じられている筈の門が開きっぱなしである。そこから中に入る。瞬間、濃密な死属性の魔力を浴びる。……雰囲気が変わった。視界の端で、獣人たちがクラっとしたのが目に入った。状態異常では無いな。臭いでやられたか、それとも魔力酔いをしたかだな。魔力酔いは、魔力を使い果たした時によくある現象だ。魔力を回復させようと、体が活性化する。……そうすると、体が更に魔力を消費してしまって、クラりと来るんだ。それに似ているような感じだな。魔力酔いは酷いと1日中続くが、軽いと一瞬で終わってしまう。個人差があるからな。ここは確認をしておくべきだ。
「……今のは魔力酔いだ。体が活性化する。疑似的に、属性の身体能力強化魔法を一瞬使ったような感じになったはずだ。その感覚を覚えているのであれば、属性の身体能力強化魔法を使えるようになる。まあ、どの属性なのかを指定しないと意味がないんだが、使えることは使えるだろう。ただし、魔力を膨大に消費する。継戦能力は無いと思った方が良い。魔力量に自信があるならしてもいいが、戦闘中だけにするべきだ。……後は、魔力酔いで気分が悪くなっていないのかの確認だな。大丈夫か? 気分が悪い様なら言ってくれ」
「クラっときたが、大丈夫だ。何時でもいけるぜ」
「魔力酔いって言うのな。まあ、気分は良くないが、それは臭いが原因だろうからな」
「そこまで気分が悪いって訳ではないな。……臭いのは臭いが」
大丈夫そうだな。……こちらの様子を伺っている魔物は居ないな。まだ入口だからか? 入り口で襲われたら堪ったものでもないんだがな。
改めてみると、都市は綺麗に残っている。大きく崩れた所も無ければ、瓦礫で通れないという通路も無い。まあ、窓は朽ちて残っていないが。流石に窓ガラスでは無かったようだ。滅んだ文明も、窓ガラスを使う事は無かったんだろうか。光を取り入れるには便利なものなんだけどな。……ガラスの破片が落ちているって事もない。ガラスは長期に渡っても劣化のしづらいものだからな。残っている可能性はあったんだが。
「警戒して進むぞ。……向こうにデカブツが見えるが、一旦は気にするな。それよりも近くの敵に気を付けろ。何処から襲ってくるのかが解らないからな」
「わあってる。お前らも解っているんだろうな?」
「誰に言っているんだ誰に。当たり前だろう?」
「こんな所で油断なんて出来るか。向こうさんは気が付いていないんだからとりあえず放置だ放置」
「!? 来るぞ! 数は3! 恐らくデーモン系統だ!」
「待ってました! とっとと片付けるぞ!」
「連鎖して襲ってくる可能性もあるんだ! 周りを警戒しておけよ!」
「俺は警戒に回る! 正面は任せた!」
急接近する魔物。デーモン系統なのは解っている。だが、ここで出てくるのがエビルデーモンであるはずがない。その程度の魔物が出てくる訳がない。もっと強力な魔物が出てくるのは明らかだ。
「2つ首のデーモンに角あり! グレーターデーモンだ! 死属性の魔力で再生する力を持っている! 殺すなら1撃でだ! 翼を叩き切って、首を刎ねろ!」
「空飛んでるが、舐めて貰っちゃ困るぜ!」
「おうよ、空飛ぶ魔物くらいは何とかしてやるよ!」
「隙を作るんじゃねえぞ! やり過ぎくらいで丁度いいからな!」
戦闘が開始される。2つ首の角あり。確実にグレーターデーモンだな。2つの首を刎ねないと死なない。ただ、厄介な事に、ここは森じゃない。今度は空を自由に飛べるって事だ。飛行型の魔物は、それが出来るから厄介なんだ。ただ、それが無ければ一気に雑魚になる、とも言えない。グレーターデーモンがここで出てくるとなると、対処は一気に難しくなる。……向こうに見えているデカブツは、恐らくだが、デススカルロードだろうな。建物より大きい骨の魔物と言えば、そのくらいしか候補が居ない。やり合ってみるまでは解らないが、推測は間違っていないはずだ。
「飛ぶなら3人で合わせろ! 確実に落とすぞ!」
「なら俺たちだな! 日頃の連携を見せてやるぜ!」
「全く! つまらねえことになるんじゃねえぞ!」
3人が大きく飛び跳ねる。1人目が翼を叩き切り、2人目がもう1つの翼を叩き切った。3人目が、落ちてきているグレーターデーモンの首を2つとも刎ねる。……ジェットストリームアタックかな? 完成度たけえなおい。というか、余裕なのか。
「あいつらだけにいい格好はさせないぜ!」
「俺たちも行くぞ! 飛べ!」
「解ってるっての!」
的確に3人で1体落としていく。流石の練度だな。こうなると、残り一体も時間の問題だな。
「次きたぞ! 左に4!」
「右からも来てんぞ! 2だ!」
「お前ら見つかってんじゃねえか!」
「仕方ねえだろうが! 飛ばなきゃ落とせないんだしよ!」
「馬鹿野郎! デカいのも来てるぞ!」
「対処しろ対処! 1体1体処理してけば問題ない!」
その通りだな。1体1体処理していけば問題はない。かなりの強さの筈だが、それでも連携力で圧倒していく。凄いな。見た事もない魔物のはずなのにな。
「デカブツは遅い! まだ余裕あんぞ!」
「来たぞ! 叩き落とせ!」
「連携を見せろよ!」
「誰に向かって言ってやがる!」
「ほら! また来たぞ! 正面に2だ!」
「忙しいったらありゃしねえぜ!」
口々に文句を言いながらも、的確に落としていく。俺は警戒で十分だな。今の所、負傷するとは思わない。連携はしっかりと決まっている。……何で空中戦の連携が出来ているのかは知らないが、練習してるんだろうな。何を想定しての練習なのかが解らないけどな。ただ、確実に殺していけるのは良い事だ。狙ってやっているんだから良い事だ。まぐれで続いている訳ではない。確かな練度を伺わせる。……ただ、空に出て行くから、見つかることが多いらしく、どんどんと敵が集まってくる。ただ、グレーターデーモンは素材的にかなり美味しい。まずは死属性の巨大魔石だ。今までよりもデカい魔石が入っているぞ。それと、爪、眼球、心臓、翼膜、角と使える素材が多いのが助かる。大きさはそれ程でもないが、かなりの強敵の筈なんだけどな。なんか余裕て感じで叩き落としていっている。余裕があることは良い事だ。
「デカブツが武器持ってんぞ!」
「剣くらいは想定しておくべきだろ!」
「当たるんじゃねえぞ! 潰される!」
「解ってるよ! 回避優先で良いんだろ!」
「いや、お前ら、武器は折れねえからな! 俺たちの錬金術師様を信用しろ!」
「降り下ろして来たら対抗して横に吹き飛ばせ! 防御の弱い所を晒させろ!」
「身体能力強化魔法を舐めんじゃねえぞこら!」
過信はしてはいけないが、その程度で折れる様な武器は作っていない。そんな軟な作りはしていない。打ち込まれても耐えるくらいは出来る。身体能力強化魔法の第三段階まで使えているんだから、受け止めることも出来る。……まあ、安全を考えて、うち払う方が良いけどな。その方が安全だ。何かあった時の対処が出来る様にしておかないといけない。受け止めると、1人の行動が制限されるからな。あまりよろしくない。出来れば、うち払っておく方が良いとは思う。
「骨硬ってえ!」
「馬鹿野郎! 関節狙え! 関節!」
「首切っても死なねえんだけど!?」
「デススカルロードは胸の部分の赤い部分を壊せ! そうしたら動きは止まる!」
デススカルロードは、胸の部分に赤いコアがある。それを破壊しない限りは死なない。その中から、死者の魂魄と魍魎の炎、死属性の巨大魔石が得られる。それを燃料にして動いているとか何とか聞いた事がある。赤いコアだけを何とか採取出来ないか試した人たちがいるらしいが、コアが生き物って感じなんだよな。だから、骨を回収して復活する。なので、倒すには、コアを破壊するしかない。錬金術師としては、コアを使ってみたいというのはよく解る。けど、無理だって事が解っているからな。無理なら仕方がない。諦めるしかないんだ。
そんな訳で、近くにいた魔物をかなり狩った。連携が凄いと、改めて思ったな。良い連携だった。これで亡者の鉱山都市ベルンケラーで戦えることが解った。……けど、鉱山の内部に入るのは今度だ。入り口を見ただけで解った。もっと死属性の密度が上がっている。ここにいた2体よりも、更に強い魔物が出てくるだろう。しかも、今度は鉱山の内部でだ。デーモン系統は戦いやすくなるかもしれないが、ボーンソルジャー系統は解らない。魔法系の魔物も居るからな。そっちが出てくると非常に面倒な事になる。そんな事は対策できる筈だ。ある程度の予想が付くのであれば、対策できて然るべきなんだよ。と言う事で、対策装備を作るためにも、一度帰ってくる必要があったんだよ。今回はあそこまで調査が出来たんだから、十分である。あれ以上を求めたら、下手したら死者が出ていたかもしれない。撤退すると決めてあったんだから、素直に撤退する。それが基本だ。最初の方針を変えない。進む方向に変える時は、余程余裕がある時だけだ。今回はそこまでの余裕は無いと感じた。ギリギリでも無いが、まだまだ強くなる可能性がある場所には、入ってくるのが怖すぎる。
徹底的に対策を仕込んでおかなければいけない。攻撃に使うのであれば、ホーリーアイアンで良いんだけど、防御に使うのは、いささか性質が面倒な事になっている。素直に聖属性の軽鎧を作った方が良いとは思うんだよな。今回の事で、デススカルロードを倒すことが出来た。死属性の鉄の剣も回収してきている。それを使って、聖属性の防具を作っていこう。骨野郎の魔法使い系統が出てきたら面倒な事になるからな。基本的には死属性魔法を使ってくる訳で。出て来てくれると有難いんだよな。ボーンソルジャー系統は、骨は死属性の魔力を持っているんだけど、それで止まるんだが、魔法使い系統の方になってくると、骨が呪われていることが多い。それを反転させると、祝福された素材が出来上がる。祝福された素材を素に、装備を整えられれば、かなりの強化が見込める。……まあ、倒せればの話ではあるんだけどな。倒せるとは思う。負けるとは思っていない。居るかどうかが解らないだけで。居た時のためにも、防具を作っておかなければいけない。何が起きても対処が出来る様にしておかなければいけない。次の探索で、採掘まで出来れば完璧だな。そういう予定で居るが、予定は変更されることがある。まだ未知の領域だからな。何があるのかが解らない。




