子供が産まれた
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秋が始まり、暑さが一気に和らいだ。何で夏はこんなに暑いんだろう。秋になると一気に気温が下がるから謎だ。結構北の方にあるのにな。暑くて寒いとか最悪でしかない。別に盆地って訳でもないし、なんだったら若干丘のような感じにはなっていると思うんだよな。……ほぼ平坦ではあるけど、未開地にいくにつれて、微妙に上り坂になっているような気がするんだよ。気のせいでは無い筈なんだよな。でも、水の流れがどうなっているのかなんてものは解らないし。多分だけど、東の沼地から地下に潜ってこっちに流れ込んでいるんじゃないかとは思う。全体的に見れば、東の方向に流れているとは思うんだけどな。あっちに海があるんだから。
そんな訳で、宿屋が完成した。どんどんと宿屋が大きくなっていく。それに連なって、住民も増えている。町に行く予定だった子供たちが残っているんだ。……少数は町に行って冒険者になるっていうので、出て行ってしまっているが、残る子供たちも居るんだよ。こうして徐々に農村が大きくなっていけば、領地的にも発展すると思うんだよね。クレメンティア子爵家には頑張って貰わないといけない。良い狩場がある場所では、こうやって宿屋を大きくすることによって、雇用を確保しつつ、農家も増やしていって、食料生産に励む方が良い。食料は余るくらい作って丁度いいんだ。余ったら軍に売れば良いんだからさ。軍隊はどうしても食料が大量に必要になる。軍人は一般人よりも食べるんだ。そのくらい動くんだし、仕方がない事だとは思うが。食糧費を何とかしたいって思っている軍隊も多いんじゃないかな。特に南の貴族家は、軍人をどんどんと戦場に送り込んでいるだろうし。戦死者も多く出ているんだろうな。そんな事は知った事では無いんだけど。
で、俺は大人しく錬金術をして、研究をしつつ、のんびりと生活していたんだけど、ボリクラからいきなりこう言われた。
「サンルーグ、後3日くらいでお産だからさ。準備するから色々と持ち込むし、出入りも多くなるからね? その辺は了承しておいてよね」
「解った。……は? 後3日で産まれる?」
「そのくらいだと思うよ? 皆の意見では、そろそろだよねって話をしててさ。今日から交代で見張りというか、お産に付き添ってくれる人も寝泊まりするから。赤ちゃんって、何時産まれてくるか解らないっしょ? だからその為に皆で見張るんだけど、あーしもそろそろだからさ。皆が順番にやっていることだし、勿論だけど、邪魔はしない。それくらいはあーしにも出来るっしょ」
「いや、邪魔だとかは思ってないんだけど、え? もうそんな時期なの?」
「冬の終わり頃には妊娠してたんじゃないかって言われてるしね。時期的にはそろそろだってさ。お腹の大きさ的にも、いつ出てきてもおかしくないっていうの? そういう感じだから」
「マジか……。マジかあ。これで俺も父親か。早い様なそうでもない様な。けど、エルフとしては早過ぎるんじゃないかなって思う所でもあるんだよな。まだ17歳だぞ……」
早い。早過ぎる。前世なら成人前である。まあ、女性側が年齢的に問題が無いのであれば、男の方は何歳でも構わないんだけどな。出すもの出せば大丈夫なんだしさ。問題は母体の方だからね。母子ともに元気であればそれで良いんだ。……思う所が無い訳ではないが、出来たものは仕方がないし、子供が産まれるってのも、良い事だからな。ちゃんと世話できるのかが心配な所ではあるんだけど。俺に子育てが出来るのかって所だよなあ。前世も研究馬鹿で、子育てをきちんとした覚えがない。任せっきりだったような気がする。子育ては実質初めてである。しかもエルフの子供だろう? 普通の子供とは違う可能性も考えないといけないんだよ。それに、錬金術師に適性があるようであれば、国立錬金術師大学校に送り込みたいし。錬金術に興味があるようであれば、ちゃんと教えてやらないといけないとは思うんだ。色々と教えることが多くあるとは思う。
出来る限り、普通に過ごして欲しい所ではあるんだけどな? 錬金術師にならなくても良い。なってくれると、色々と有難いとは思うんだけど。そうなると、テッケルンで修行を付けさせて貰う事になるんだろうか。エレミーさんの所に厄介になるのかね? 親子で教え合うってのは、ちょっとなんとなく想像がつかない。教えてもいいのはそうなんだけど、出来るだけ避けたいっていうか。何というか、自分の子供を弟子として扱うのはどうなんだって気分になってくるんだよな。出来るだけエレミーさんの所に押し込むとして。
「早いか遅いかの違いっしょ? 別に自分の何が変わる訳でもないんだしさ。今まで通りしていたらいいんじゃないのかって思うんだけど? そんなに肩肘張らなくても、なる様にしかならないっしょ。サンルーグはじっとして、仕事をしてくれれば良いんだって。子育てはこっちでするんだしさ。そこまで珍しい事でもないっしょ? 男はちゃんとお金を稼いでくれれば良いんだって」
「……まあ、それしか出来ないだろうからな。色々と錬金術で作れるものもあるんだろうけど、それを作るのかどうかだな。便利なものは用意できる。欲しければ聞いてくれ。なるべく作ってみせるから。それくらいしか俺には出来ないしな」
「それで充分っしょ。とにかく、1人目が落ち着いたら、2人目って考えていけば良いっしょ? お金は大量にあるんだし、子供は沢山居た方が良いっしょ。この家だってまだまだ広いんだしさ。少々は大丈夫っしょ。後は問題になってくるとしたら、エレナちゃんの結婚相手くらいじゃない? そろそろ見つけてあげないといけないっしょ。こっちでも探しては居るんだけどさあ。中々居ないんだよね。冒険者でいい感じのを探そうってなると、結局年齢がとか、既に既婚者とか、そういうのばっかだしね。何とかしてあげないと可哀そうっしょ?」
「いやまあ、それは解っているんだがな? エレナちゃんの相手となると、結構候補が少ないんだよ。勿論だけど、冒険者じゃないといけない訳ではないんだけど、宿屋で働くって子供たちは、既にくっ付いているだろ? そっちの方面で何とかならないかなって思っていたんだけど、どうにもならないっていうか。ある程度若くて、しっかりと冒険者で自立できている人ってなると、結構な難易度になるんだ。もうちょっと時間がかかるんじゃないかなとは思うぞ」
エレナちゃんの結婚相手は、探しては居るんだ。探しているんだけど、見つからないんだよ。まずはこの村の人を中心に探しては居るんだけど、中々な。同級生同士で既に結婚が決まっているって所も多い。そういう場所だからな。農村から出ないのであれば、ある程度のところで男と女をくっ付けてしまえって感じで、くっ付けるんだよ。妥協とかそういうのの産物なんだよな。農家が出来ればそれで良いって感じらしいし。レイトーン村も大きくなりつつあるからな。そういう習慣も薄れていくんじゃないかなとは思うんだけど、町に出る予定だった子は、そういう婚約者というか、結婚相手が居ないんだよな。町に出てから見つける予定だったんだから。
だから難航している。こうなったら、出戻りの冒険者を捕まえる方がいいんじゃないかって思っているんだけどな。この村出身の冒険者を捕まえるんだ。多分だけど、ある程度の稼ぎが出てきたら、この村に帰ってくるはずだ。ここの方が稼ぎは大きいんだからな。そういった冒険者が狙い目なんじゃないかとは思っている。戦闘力も申し分ないだろうし、錬金術師にも抵抗がない。気軽にこっちに話しかけてくるとは思うんだよな。そういう子供を狙っていけば良いとは思っている。上手くいくのかどうかは、エレナちゃん次第ではあるんだけどさ。
そんな訳だから、エレナちゃんの婿探しよりも、まずは出産の準備である。俺も手伝えることがあったら手伝うんだけど、あれよあれよという間に準備が整ってしまって、今は待ちの状態だ。結局、待っている間は、研究も止まっている。精神的にそれどころじゃないからな。何かを発見できる精神状態ではないって事で、普段の錬金術くらいで止めている。気が気じゃないんだよ。何というか、出産って怖いからな。女性側は命を賭けるんだから。男性側は、見守るしか出来ない。子供が出来るという戸惑いもあるが、喜ばしい事なのは確かなんだからな。……どうやって育てれば良いのかが解らないんだけどな。ある程度は色々としてやらないといけないとは思うんだけど。女性陣ばかりに任せていていいものじゃないとは思うんだよな。こういうのは、俺も参加しないといけないとは思う。……男は稼いでいろって言われてしまえばそれまでなんだけどな。収入が無ければ、子育ても出来ないのは確かである。
「サンルーグ、ボリクラが産気付いたわ。もう少しで産まれてくると思うから。うちとクラークが店番をするから、近くに居てやりなさいな」
「今からか!? 解った。行って来る」
「ああ、部屋には入れないわよ? 臨戦態勢だからね。部屋の外で待ってなさいな」
「そんな事ってある? まあ、入っても何も出来ないんだけどさ」
まあ、出来ることなんてないからな。とにかく待つしかない。部屋の前でじっとしているって事が、こんなにも難しい事だったとは思わなかったけど。とにかく、出入りが激しい部屋の前で、まだかまだかと待つしか出来なかった。それ以外に何が出来るんだって感じではあるんだけどな。とにかく、時間にしてどれくらいだろうか。3時間くらいは叫び声やら応援の声が響いていた。……俺も近くに居た方が良いのか、ここで待つのが正解なのかは解らない。とにかく待っていろと言われてしまったから、待つしかないんだ。そして、待って待って、産声が上がったのを確認した。子供が産まれたことは確認できた。……まだ中に入れて貰えないんだけどな。
産声が上がってから30分程度。漸く中に入れて貰えた。憔悴しきっているボリクラを見ていると、今にも旅立ちそうな感じがする。というのは間違いでは無いようで、女性側が死ぬ可能性もあるんだそうだ。だから、延々と話しかけて寝かすんじゃないって言われた。
「おめでとう。よく頑張った」
「あーしも頑張ったよ。……起きていないといけないってのが辛いけどね」
「眠いだろうが頑張ってくれ。今旅立ったら話にならないからな。油断は出来ない。延々と話を続けろって事だったからさ。何かしらの話題がないといけないんだが……」
「話題なんて沢山あるっしょ。今産まれたばかりの子供の名前とかさ。それも考えてなかったっしょ? 考えてあげないと」
「えっと、男の子だったな。どうしようか? 何かエルフの命名方法とかあるのか? 俺はそんな事は聞いた事が無いんだけど」
「そうね。特に無いはずだけど。でも、親の名前を一部取り入れるって事もあるらしいわね。でも、あーしは反対。変な名前になりそうだし」
「まあ、それは可能性としてはあるよな。どうしたものかな……。こう言う事があるって解っていたら、先に考えておくんだった」
「先に考えておいたら意味無いっしょ。こういう時の話題にするのが一番なんだしさ。母親側が起きていないといけないんだから、こういう時のための話題っしょ」
「それはそうかもしれないんだけどな? ……うーん。本当に何にしようか。何文字くらいが良いと思う?」
「文字数ねえ。あーしが4文字、サンルーグが5文字っしょ? だったら6文字がいいんじゃないかなって思うんだけど」
「6文字か。中々難しいな。……3文字ずつ考えるのはどうだ?」
「却下かな。どんな名前になるのかが解らないっしょ。それは嫌だな」
「そうなると、色々と考えないといけないな。うーん。何が良いかな」
名前なんて考えていなかったからな。どんな名前が良いのか。男の子の名前だろ? 何かかっこいい方が良いんだろうか。いやいや、無難にしておくべきことなんじゃないか? ここで個性を出しても、後で困るのは子供の方なんだから。変な名前を付けて、後で嫌がられるよりは、普通の名前を付けた方が良いとは思う。6文字の名前ってどうやって決めるのかだよな。意味を込めるのかどうかだ。意味を込めても、重いって言われるだけの様な気もしないでもない。音の響きで決めてしまう方がいいかもしれないな。……案外、口からポロっと出た方が、名前としてはいいかもしれない。
「レオンハートはどうだ?」
「うーん。微妙かな。かっこいいけど、なんか違う気がするなあ」
「ジルコシウスはどうかな?」
「さっきよりも嫌かな。なんか堅物って感じに感じるし」
「レーデドルフでどうだ?」
「……ちゃんと考えてる?」
「ちゃんと考えているぞ。口から出しやすい方が良いかなって思って、発音しやすい名前を考えているんだ。覚えやすいようにさ。その方が名前としての役割を果たせそうかなって」
「言いやすさね。確かに重要かも。でも、適当に決めた感があって嫌だなあ」
「かといって、名前に意味を込めるのはどうだ? 感情が重すぎないか?」
「それも解るんだけどね。でも、なんか多少は考えたって名前の方が良いかなって」
「うーん。考えてはいるんだけどな。何も考えないでただ口に出している訳でもないし」
「言いやすさっしょ? 解らないでも無いんだけどね。しっくりと来なかったからさ」
「うーん。どうしようか。それだともう暫く考えたい所なんだけど、考えたら黙るしな。それは今の状況では駄目だろう?」
「駄目だろうね。話を続けないと。あーしが死ぬかもしれないんだし」
「だよなあ。無難な名前で、呼びやすい名前で。うーん。クレイナードってどうだ? レイナードって名前に、俺とボリクラの共通の文字であるクを入れてみたんだけど」
「クレイナード。クレイナードね。いいんじゃない? 響きは良いっしょ」
「じゃあ、俺たちの子供の名前は、クレイナードって事で。それで決まりだ」
「解ったわ」
「ほら、処置が終わったわよ。子供を抱いてやりなさいな」
「解りました。ほら、サンルーグ、可愛いっしょ?」
「……ああ、そうだな。よろしくな。クレイナード」
「これからよろしくね。クレイナード」
子供が生まれた。男の子だ。元気そうで良かった。子供って小さいんだな。こんなに小さいんだったっけ? もう少し大きかったような気がしないでもない。まあ、何はともあれ、無事に産まれてきて良かったよ。これからが大変だとは思うけどな。色々と大変だとは思う。子育てもしなければならないし、お店もしないといけない。まあ、暫くはボリクラは子育てに専念してもらわないといけないけどな。お店に立たせる訳にもいかないし。
子供って何でこんなに可愛いんだろうか。しわくちゃなのにな。自分の子供っていう補正がかかっているんだろうなって思う。そういう補正がかかっているから、可愛く見えるんだろうな。……他の家の子供なら、そこまで可愛くは見えないのかもしれない。ちゃんと、血のつながりがあるって解るから、可愛く見えるんじゃないかなって。そう思うんだよ。




