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反転の錬金術師  作者: ルケア


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休みは必要じゃない?

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 レイトーン村に冬がやってきた。雪がちらつき始め、段々と寒くなっていく。それでも農家は働かなければならない。冬野菜もあるからな。雪の中で育てる野菜もある訳なんだよ。そういうのを育てつつ、次の春に備えないといけない。大変だとは思う。農家だって休みが欲しいだろうからな。基本的には休みなんてものは無い。暇なんてないのが農家だ。……まあ、それはどの仕事でも一緒か。休みなんてものは無く。毎日毎日何かしらをしないといけない。それは錬金術師の俺にも適応される。休みなんて無い。エレナちゃんも休みなくこっちに来てくれているし、ちょっと休みを考えた方が良いのかなって気になってきた。1年間、休みなくこっちで働いてくれているんだ。何か考えないといけないのかもしれない。


「休み? ですか?」


「ああ、今まで毎日働いてもらっているだろう? 偶には休みが欲しいんじゃないかって思えて来てな。休みの日があれば、ある程度は休息が出来るだろうし、リフレッシュも出来るんじゃないかって思っているんだが、どうだ?」


「でも、休みの日って何をすれば良いんですか? 多分ですけど、家にいたら、農作業のお手伝いをしないといけないとは思うんですけど」


 ……ブラック思考だな。それではいけないはずなんだけど、この世界に労働基準法なんてものは無い。働き過ぎているような気がするんだよ。そりゃあ、客商売は休めないことが多いといっても、エレナちゃんのような店員が休みなしで働くのは、ちょっとなあ。どうなんだろうって思うよな。俺は仕方がない。自営業だから。労働基準法の適応外だ。まあ、そんなものは無いんだけど。師匠だって休み……いや、師匠にも休みは無かったな。あれ? この世界って基本的にブラックなのか? 休みってものが無いんじゃないだろうか。それはどうなんだろう。休みはあった方が良いとは思うんだがなあ。何というか、今のままじゃ駄目な気がしてきているんだよ。……でも、店員を増やすというのも難しい。エレナちゃんは運が良かっただけで、ユニークスキル無しだと、店員を育てるのも結構な重労働なんだよな。それをエレナちゃんにやらせるのも難しいとは思う。でも、俺が出来るとも限らないんだよな。俺だって錬金術をしなければいけないんだから。


「休みたい日があったら、遠慮なく言ってくれていいんだからな? 1年間休みなく働いてくれいてるんだし。休みたい日だってあると思う。その時は遠慮なく言ってくれていいんだからな?」


「えっと、何で休まないといけないんですか? 特に辛いとか、そう言った事は思っていないんですけど……」


「働き過ぎると、疲れてくるだろう? 1日何もしない日を作ったりして、適度に休むんだ。俺はまあ、錬金術をしている時が休みみたいなものだから、いいとしてもだな。エレナちゃんは1日立ち仕事な訳だから、段々と疲れてくるんじゃないかって思っているんだけど」


「立っているだけなので、疲れないですよ? 基本的にお客さんも少ないですし。もっと多ければ、疲れるのかもしれないですけど、朝のピークが過ぎれば、なんて事はないですから。寧ろもっと働かないといけないんじゃないかって思うんです。あたしに出来ることはやらないといけないとは思っているんです。何かやることは無いですか?」


「いや、休んで欲しいんだけど。これ以上働こうとしなくても大丈夫だから。そこまで余裕がない訳ではないし。エレナちゃんは十分に働いてくれているから。そろそろレジエナの勉強が終わるって話だからさ。レジエナに任せて休みの日を作っても良いんだよ? そりゃあ、毎日錬金術店は開けるけど、エレナちゃんが居なければならない訳でもないんだから。レジエナが代わりに出来ることはするし、俺が出来ることは代わりにする。だから、エレナちゃんは休みとか欲しくないのかな? 休みがあれば、自分の買い物とかが出来るし」


「うーん。まだ自分の家を持っている訳でもないですからね……。何かしないといけないことが無いんですよ。家の事はお母さんがやってくれますし、お兄ちゃんのお嫁さんも居ますから。だから、あたしがしなきゃいけない事って、殆どないんです。特に何かをしないといけない訳でもないんです」


 思考がブラック労働者過ぎるんだよな。まあ、この村の人たち全般に言えることなんじゃないかなとは思うんだけど。村の生活って、基本的に休みなんてものは無いし、冒険者だって、稼げる冒険者以外は、毎日何かしらの依頼を受けたり、討伐をしないと生きていけないんだ。それがある意味常識なんだよな。だから、休みの日を作るって感覚が無いんだろう。それで良いのかって思うんだよな。俺自身は仕方がないとは思っている。店をやらないと、冒険者が困ってしまうからな。何とか休みをって思っても、研究をしているのは休みみたいなものだから。楽しんで研究をしているんだから、それはそれで良いんだけど。でもなあ。エレナちゃんやレジエナには、休みが必要だとは思うんだよ。毎日毎日仕事では、辛いものがあるんじゃないかって思うんだよな。


 エレナちゃんとの話は、平行線だった。休みを与えたいが、休んでも何もする事がないらしいからな。……異性とデートなんて事も考えたんだけど、そう言えば、エレナちゃんには彼氏が居る訳でもないんだよ。人間の彼氏でないといけないんだけど、基本的には農家は農家で結婚するし、他の職業も似たようなものだからな。エレナちゃんの貰い手が居ない訳ではないんだろうが、本人にその気が無いのが問題だよな。色恋にも興味がある年頃だとは思うんだけど、仕事一辺倒で良いんだろうか。もっと遊びたいんじゃないんだろうか。そう思えてならないんだよ。……俺の事は棚に置いておくとしてだな。俺は仕事があるからって言い訳をする訳ではないが、ちゃんと趣味の研究も行っているんだよ。時間のある時にはだな。そんな訳で、エレナちゃんにも何かしらの休みの理由を作ってやりたいんだけど……。


「ただいま」


「レジエナ、お帰り」


「レジエナちゃん、お帰りなさい」


「ん」


「なあ、レジエナ。レジエナは休みが欲しいと思ったことは無いか?」


「休み? 毎日休んでる。ちゃんと寝てる」


「いや、そういう意味じゃなくてな? 休みの日が欲しくないのかって思えてな」


「奴隷に休み?」


「……そう言えば奴隷だった。まあ、それは一旦置いておくとしてだ。休みの日が欲しくないかって言っているんだ。何もしないでもいい日が欲しいんじゃないかってな。何でもしていい日が欲しいんじゃないかってな。そんな日は欲しくないか?」


「ん-。欲しくない。やることがない」


「ですよね。何もしないでもいい日なんて要らないですよね?」


「ん。結局は身体能力強化魔法の訓練をすると思う。それなら休みでも関係ない」


「……そんなものか? もうちょっと休みが欲しいとか思わないのか?」


「思わない。そもそもサンルーグが働いているのに、奴隷が休むのは論外」


「……それを言われると、耳が痛いんだけど。でも、俺だって仕事ばかりをしている訳でもないんだぞ? 丸1日暇だって日は無いかもしれないが、趣味の研究が出来る程度には、休みの時間があるし。それならエレナちゃんとレジエナにも必要なんじゃないかって思ってきただけなんだよ。……本当に休みは必要ないのか?」


「必要ないと思いますけど……」


「ん。要らない」


 休みが必要ないのか……。どうなんだろう。これが普通なんだろうか。結構厳しいとは思うんだけどな。なんだかんだと、店員って忙しいし、困っているのであれば、休みを設けようかなって思っていたんだけど、まさか労働者側から拒否されるとは思ってもみなかった。色々と休みがあれば、良いとは思うんだけどな。何でそうなるんだろう。俺だって、自分のための時間は作る様にしている。完全に休んでいる訳ではないが、研究なんて休みみたいなものだからな。考えている時間の方が長いんだし。今はポラロイドカメラの研究が行き詰まっているので、それの打開策を何とかしようとしているんだけど、中々思い付かないんだよな。そんな訳で、俺は休みの時間は作れていると思うんだよ。でも、従業員であるエレナちゃんとレジエナには、休みらしい休みが無いんだよ。それをどうにかしてやらないといけないんじゃないかって思っていたんだけどな。要らないって言われると、どうしようもなくなる訳で。


 そんな感じで、エレナちゃんとレジエナと話をしていたら、すっかりと夕方になってしまった。……こういう仕事が無い時間があるんだから、休みと同じだって言われると、微妙な感じになってしまうよな。色々と考える必要があるのかもしれない。休みの日が無いのは、辛いと思うんだよ。何にも休めないってなると、色々と問題が出てくると思うんだよな。彼氏も作れなくなってしまう。そんなので本当に良いのかって思うんだよ。エレナちゃんには、最低でもそれだけの時間が必要なんじゃないかとは思うんだけどな。


 帰ってきた冒険者たちから、買い取りをしつつ、今日は何事も無く終わった。結局、議論は平行線だったが、明日も話をすればいい。何とかして休みを作れるようにした方が良いとは思うからな。エレナちゃんの将来にも関わってくるんだから。ちゃんと結婚をして、子供を作って、次代に繋げていかなければならない。子供は多い方が良いからな。俺だって、たぶんだけど、何事も無ければレジエナとくっ付くんだから。相手がいないんだから、どうしようもない。エルフの数が少なすぎるのが問題なんだよな。他の種族も少ないし、何とか集まってきてくれれば良いんだけど。


 そんな感じで次の日も、冒険者を送り出し、エレナちゃんとレジエナと話をしていた。


「レジエナは、今日で村長の家に行かなくても良くなったのか?」


「ん。基本は覚えた。後は応用だけだって」


「応用は自分でやれって方針なんですよ。そもそも何が必要になるのかが解らないので」


「まあ、何が必要になるのかは解らないだろうからな。とりあえずは、お疲れ様だ。今後は店番を頼む。エレナちゃんも、休みたければ言ってくれていいんだからな?」


「うーん。休みにする必要がないとは思うんですけど……」


「それでもだ。休みたいって日は言ってくれれば良いから。当日でも構わないし。予定が決まっているのであれば、あらかじめ言っておいてくれると助かるけど」


 当日にいけなくなるって事もあるだろうからな。それは問題ないんだよ。どんどんと休みを使ってくれれば良いとは思うんだ。親が病気だとかもあり得るし。そんな時には、ちゃんと看病をしないといけない。その時はちゃんと言ってくれれば、薬だって出すんだし。風邪薬とかは安く売れる様になっている。そういうのを活用してくれれば良いんだよな。


 そんな訳で、色々とあったのはそうなんだけど、休みは必要ないって事になってしまった。そんな訳がないって思っているのは俺だけのようだ。何で休まないといけないのかって気が強いらしい。村って休む日が殆どないんだなって思う。ちゃんと休みの日があれば良いなとは思うんだけどな。そんな感じなので、オーロンドとも話をしていた。休みがあった方がいいよなって。


「んなもん。休みなんて無い方が良いだろ。稼ぐ日が1日少なくなるんだぜ? 俺たちみたいな冒険者は、体調が悪ければ休むし、なんか体の調子というか、嫌な予感がした日も休むが、基本的には休まない。休んだら収入が減るからな。それは避けないといけない。特に新人なんかは休める訳がないだろう? 休めるだけの金を持っていないんだから。それに、この村で休めって言われても、難しいとは思うぞ。娯楽が何も無いからな。遊びたくても遊べないだろ? 食事をしに行くって言っても、場所が無いんだからよ。それなら、休みを作るよりは、働いていた方がいいんじゃねえのか?」


「……娯楽が無いのはその通りだな。休みの日を作る方が良いとは思っていたんだけど、休みの日に何をしたらいいのか解らないって言われたからな。休みなんだから、休んでくれとは思ったんだけど、そうか。休みにしても、娯楽が無ければ、無意味か」


「テッケルンには色々とあるから、休みがあった方が良いとは思うぞ? なんだかんだと見るものも多いしな。でも、この村にはそんな場所は無いだろう? 精々が雑貨屋くらいだ。そもそも生活に必要なものがメインで売られているんだから、娯楽商品なんて殆どないだろう。何もやることがない休みも、結構厳しいぞ? 何かをやっていた方が楽だって事にもなりかねん。無理やり休みを作るよりは、個人の判断に任せた方がいいんじゃないか?」


「個人の判断に任せているが、エレナちゃんはそろそろ結婚も考えないといけないだろう? だから、休みを使って、そういう機会を作った方がいいんじゃないかとは思ったんだがな。……村の中から選ぶのか、冒険者から選ぶのかは知らないが。俺が口を出すことでもないしな。けど、そんな機会も失われてしまっては問題だろう? 獣人やエルフは結婚なんて遅いから気にしないでもいいかもしれないが、人間の結婚は早い。10代の内に結婚まで考えるのが普通だ。25までに決まっていないと、特に女性は周囲の目が気になってくるからな。そういう意味でも、休みを作って、何かしらの出会いを求めた方がいいんじゃないかとは思ったんだけどな」


「……ああ、結婚なあ。人間は早いからな。20歳になるまでに結婚をするってのが普通だったか。まあ、冒険者で、男の場合は、ある程度遅くても仕方がないって事はあるみたいだが、女はな。子供を産まないといけないから、年齢は若い方がいいか。そういう店で働くってのも、無くはないんだろうけど、村には無いしな。テッケルンにはあるが、……完全に生き遅れた人の集まりがある位には、殺伐としているんだけどな。まあ、獣人はそういう場所では働かないから、そもそも関係ないとは思うんだが。人間の場合は、そういう所で働く人も一定数出てくるからな。早死にするって話も聞いた事があるし、良い事も悪い事も耳には入ってくる。そういう所で働いて、最後まで1人で居るのは悲惨だからな」


 ……まあ、そういう場所は仕方がないというか、若さで食っていくための場所だからな。歳を取れば、客だって付かなくなるんだ。そうなれば、生きていくだけの資金が無いなんてあり得る話である。まあ、そういうのを気にしない人だって居るんだろうが、普通は若い方がいいもんな。そんなものなんじゃないだろうか。俺も詳しくないから何とも言えないんだけど。エレナちゃんはそんな場所には行かせないぞ? そのくらいの常識はあるつもりだ。……まあ、そもそも村にはそんな場所は無いんだけどな。テッケルンにはあるのか。ない訳がないか。そういう場所も必要だってのは解るからなあ。冒険者がメインで使うとは思う。多少の金が無いと使えないはずだし。安くても良いのであれば、あるかもしれないが、そういうのは碌でも無い様な場所と繋がっているって可能性も無きにしも非ずだからな。

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