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反転の錬金術師  作者: ルケア


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秋の終わり頃

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「むふー。もっと褒める」


「よくやった。身体能力強化魔法の第二段階はマスターしたな。努力していたのは知っている。本当によくやった」


「おめでとうございます。レジエナちゃん」


 秋も残す所10日を切った。そんな時に、レジエナが身体能力強化魔法の第二段階をマスターした。エレナちゃんよりも時間がかかったが、そんな事は関係ない。達成できたと言う事が素晴らしいのである。獣人の冒険者の多くが、第二段階まで到達している。10人くらいは第三段階まで何とかなっている。それでも、身体能力強化魔法を覚えている子供で、第二段階までいっている最年少はレジエナだろう。村の子供たちよりも年齢的には低いはずだ。村の子供たちは、素材の採取を許されている子たちで、10歳くらい。レジエナは8歳。最年少には間違いないだろう。まあ、身体能力強化魔法を使える子供なら、もっと幼い子供も居るとは思うけど。畑仕事のお手伝いとかで、結構使えるからな。身体能力強化魔法って。力仕事ならお任せできるくらいには強化される。放出系の魔法は教えているが、生活で使うものが殆どだからな。攻撃に転用するには、しっかりとしたイメージが必要なんだ。まあ、転用できるだけの魔力量があれば、なんだけどな。


 そんな事をするくらいなら、身体能力強化魔法を極めた方が現実的だ。そっちの方が強くなれる可能性が高いからな。普通に使い続けていれば、第二段階を飛ばして、第三段階に進むか、自分の発想で第二段階に立ち寄るのか、なんだけど、気が付かなければそのまま第三段階までは進むとは思う。そこから最終段階に行けるのかどうかが、勝負の分かれ目的な所がある。最終段階、身体能力強化魔法リミットブレイクは、制限時間付きの強化だ。しかも解りやすく、目が金色になり、黒い放射線が入るからな。まあ、使い続ければ、筋肉痛で動けなくなるんだけど。限界を越えての強化だからな。そのくらいのデメリットはあるんだよ。でも、第三段階まででも十分に強い。それだけでも、Aランク冒険者には成れるからな。


「次の目標はこれ」


「そうだな。弓を引けない事には話にならない。……まあ、戦闘訓練をしないでって考えると、次の夏までに習得できれば早い方だ。こういうのは、戦闘中の方が感覚が研ぎ澄まされて行くからな。平時に極めようと思えば、そのくらいの時間はかかるだろう」


「早く使いたい。魔物を倒せるようになりたい」


「レジエナちゃん、頑張ってくださいね」


「ん。頑張る」


「……。まあ、怪我はしない様にな。出来れば、怪我無く過ごせる方が良いんだから」


「それはそう。でも、出来ることはする」


 出来ることな。ユニークスキルから、弓に適正があるんじゃないかとは思っているんだよな。エルフだし。エルフのメインウェポンって言えば、弓だよね。偏見だろうけど。でも、ユニークスキルも良い感じに補正してくれるとは思う。まあ、使い勝手がどうなるのかは解らないけど。他人のユニークスキルがどうやって作用するのかが解らないからな。天眼だよな? 上空から見る様な感じで見える様になるんだとは思うが。


 そんな訳で、身体能力強化魔法をもう一段階進化させないといけない。それにはエレナちゃんも協力してくれるらしいし、頑張ってくれよな。エレナちゃんは、先に第三段階の訓練をしているけど、まだ駄目だって言っているし。非戦闘員なら、そのくらいの時間はかかっても仕方がないんだけどな。体の使い方を効率よくするんだから、体を動かしながらの方が効率は良いんだよ。冒険者組が早いのはその為だ。死に際に立ち合えば、もっと早くなるとは師匠が言っている。……そんな状態まで追い込まれる様な事になったら死んでいるのでは? とも思いはした。そんな事になる前に、何とかしないといけないんじゃないか。そう思う。


 秋が終われば、冬がやってくる。冬に入れば、ジャックフロストが出てくる訳で。妖精の羽を乱獲できるわけで。今年は買い取り強化の商人は来ないんだろうしな。去年は良い感じに値段が吊り上がっていったんだ。しかも、こっちは殆ど買っていないのに、向こうが買い貯めてくれるんだから面白いくらいに値段が吊り上がったっけ。いやー、あれくらいの資金力を持った馬鹿な商人が来てくれないものか。カモにしてやりたいんだけど。まあ、資金力がない錬金術師や、依頼を溜め込んでしまった錬金術師なら、変な契約を結ばせられたんだろうけど、生憎と依頼があった訳でもなく。単純に素材が欲しかっただけだからな。レア素材を欲するのは、錬金術師の性なんだ。素材があれば、どんな事だって、とまではいかないけど、合法的な手段を用いて何とかするっていうのが錬金術師だからな。あくまでも合法にだな。違法な手段は取れない。


 今年もジャックフロストから、妖精の羽を採取できる冒険者が居る。去年よりも沢山だ。金貨を放出しないといけないよな。他の素材の方が高いんだけど、冬場はジャックフロストを狙ってもらうから。1体につき、大体金貨4枚なんだけどな。奥地に行かなくても討伐できるから、ひたすら狙って欲しい所ではある。まあ、沢山湧くし、沢山売りに来てくれよな。数は確保しておきたいと思っているんだ。次に手に入るのは、また冬場だからな。貯め込んでおくのも良いと思うんだ。マジックバッグもまだまだ作りたいし。要望があれば、どんどんと作るんだけどね。去年のようなボーナスタイムは無いから、ある程度の販売にはなるとは思うし、そもそも獣人の冒険者で、マジックバッグを持っていない人の方が少なくなってきているからな。それだけマジックバッグが大量に出て行ったんだよ。ストックはまだあるけど、少々心許ない。有力な冒険者が春にはやってくるんだろうし、その時までには、マジックバッグをストックしておきたいよな。商人にもいくつも売っているし、商売もどんどんと拡大してくれれば良いんだよな。目指す所は、何処なのかは知らないけど、マジックバッグがあって困る事って無いし。あったらあっただけ便利になるんだ。マジックバッグはあって困るものじゃない。まあ、市場に流れ過ぎれば、価格は落ちていくんだろうけどさ。それでも、マジックバッグは売れる。莫大な資金が手に入る。マジックバッグってそういうものだしね。


 後は、何かする事は無いんだろうか。何かしないといけない事ってあったっけ? 一応だけど、師匠の言いつけ通りに、亡者の鉱山都市ベルンケラーには行く。春になったらを予定している。1度は行っておきたいしね。春に行って、鉱石まで確保できたら嬉しいかなって感じだ。ベルンケラーまで行けるのかどうかが怪しいけど。色々と準備をしないといけないとは思うし、反転も沢山使わないといけないとは思っている。必要なのは何だろう。……ミスリルがあれば、言う事なしなんだけど、鉄で妥協するしかないよな。まあ、鉄でも十分なんだ。加工はするけど。死属性に特効持ちにするのは確定だけど。それなりの強化をしないといけないだろうしな。中途半端なものしか出来ないとは思う。けど、何とかしないといけないんだよな。奥地に行けば行くほど、色んなものが採取できるようになるだろうし、ベルンケラーに兵士団の基地が作れれば、採掘も出来ると思うんだよな。まあ、輸送は大変だろうけど。けど、ベルンケラーに行くなら、そう言う事も考えないといけない。あそこを開発できるのであれば、した方が良いからな。出来ない訳ではないし。出来ないなら、偶に採取しに行くくらいで止めておく必要があるかもしれないけど、出来ると思うんだよな。軍事要塞を作る要領で行けばの話である。クレメンティア子爵家にも利益のある話だし、良いとは思うんだけどな。その為の協力は惜しまないつもりだし。


 とりあえず、試作のお酒は作った方が良いよねって感じなんだよな。師匠の腹の中に消えていくだけなんだけど。でも、それが約束だしね。何とかしてベルンケラーに行かないと。獣人の冒険者と兵士団だけで問題無いのかが疑問なんだけどさ。人間の冒険者で、使える人は連れて行った方が良いんじゃないかとも思わなくもないんだけど、使える人間の冒険者がどの程度来るのかにも因るんだよな。使えない冒険者を連れて行っても無駄だし。最低でも、サラマンドラを倒せるパーティーを連れて行かないと無理だ。ベルンケラーに辿り着く前に、殺されてしまう。それは避けないといけないんだよ。実力がある連中しか連れて行けないよな。本当であれば、色々と経験して欲しいんだけど、最低条件がAランク冒険者って事になりかねないし。


「すみません。オーロンドさんが来ましたよ」


「ん? 何か用事があったのか? 解った今行く」


 何故かオーロンドから呼ばれたらしい。何かを伝えに来たんだろうか。何をだ? 色々と思う事はあるが、何が正解なんだろうか。何の話をしに来たんだろうか。厄介事かね? それなら俺を巻き込むのは止めて欲しいんだけど、知らないのも薄情ってもんだからな。ある程度は関わっていくって決めているんだから。


「珍しいな。俺を呼ぶのは」


「そうなんだがな。近々、同朋がテッケルンに集まってくるんだ。職人や商人もそうだが、メインは冒険者になる。だから、冒険者はここを目指すだろう。と言う事はだ。サンルーグに用意して貰う物があるだろう?」


「……ああ。そう言う事か。胴長と長手袋の事か。それなら準備はしてある。というのも、人間の冒険者も買う事を考えると、数を用意しておかないといけなかったからな。とりあえず300程度は用意してあるんだ。まあ、それ以上に作れと言われたら作るが。どのくらいの冒険者が来そうなんだ?」


「なんだもう準備をしてあるのか。流石に早いな。でもまあ、300もあれば十分だとは思う。来るのは、とりあえず200程度だからな。野宿組も出てくるとは思うぞ。それくらいには冒険者がやってくる。宿屋も俺たちが建築しただろ? それを含めても足りないくらいだ。人間の冒険者もやってくるんだろうしな。実力がある奴が集まってくるんだろ? そうしたら一気に狩場が狭くなるんじゃないかって思っているんだが、どうなんだ?」


「狭くなるだろうな。だが、奥に行けるのは、一定数だけだ。東の森で、沼地にまで行けるのも、西の森で、植物系の魔物を相手するのも、北の森で、グレイズベアの相手をするのも、ある程度の冒険者だけだ。稼げない冒険者は淘汰されていく」


「だが、ある程度は残るんじゃねえのか? 弱い冒険者だって、普通に泊まるんじゃないのか?」


「無理になる。野宿が出始めたら、宿屋の値段が上がっていく予定なんだ。だから、野宿が居なくなるまで、宿屋の1泊の代金が上がる。それには備えておくように。まあ、採取もちゃんとやっていれば、稼げない金額ではないはずだ。馬鹿みたいに1泊金貨1枚なんて事にはならんだろう。高くても、1泊銀貨10枚くらいなものだ。それでも稼げる冒険者しか来なくなる。そういう狙いもあるんだよ。冒険者を絞って、宿代で新人は追い出す。そうすると、ある程度の質の冒険者しか来なくなる。それが狙いだ。まあ、宿屋の値段が高くなるって事だけ覚えておいてくれれば良いさ。勿論だけど、そのくらいの値段は支払える。グレイズベアを1体倒せれば、十分な収入になるくらいしか、値段は上がらないはずだ」


「ああ、泊まれなくしてやるのか。何というか、結構えげつないな。それだけ質の高い冒険者を集めてどうするんだ?」


「どうするも何も、サラマンドラとフェンリルを倒してもらうんだよ。そいつらの素材は欲しいからな。ここでなくても高く売れる。マジックバッグを持っているなら、テッケルンで売るのも有りだけど、まあ、ここで売るだろうな。それでもかなりの金額になるんだから。それだけの金を稼いでくれれば、高くなった宿でも普通に泊まる事が出来るし、テッケルンに帰って豪遊してもらう事も出来る。それだけ金が回るって事なんだよ。商人も忙しくなるとは思うぞ。それだけの大商いをする事になるからな。ここで素材の調達も出来るし、商人としても万々歳だろうな」


 冒険者の質を上げて、客単価を上げて、収入も上げさせる。そうすれば、色んなところで金を使う。冒険者は散財するだろうからな。それだけの金を貯め込んでも意味がないし。使わないと損だからな。高級品だって仕入れてこれるだろうし、町が活性化する。町が活性化すれば、近隣の村も活性化していく。農作物は売れるし、子供を沢山作っても、町が受け入れてくれるんだ。それに、村の規模も大きくしていける。農家戸数が増える。良い事しかない。


 まあ、それはある意味で、理想的に回ればって話でもあるんだけどな。確実にそうなるという保証は無い。けど、高い確率でそうなるんだよ。冒険者が金を稼ぎ、冒険者が金を使う。そういう経済圏が出来上がる。テッケルンで満足できない冒険者も出てくるだろう。そうしたら、近隣の町にも影響が出てくる。北方面の町は活性化していくだろう。それの受け皿を作らないといけない。まあ、初めは難しいだろうし、上手くいかない事も出てくるだろう。それはそれだ。上手くいく部分があれば、十分な利益になる。それでテッケルンが大きくなっていけば、こっちにも利益が転がり込んでくる。


「まあ、やってみない事には解らないけどな。何事も初めての事だから。町の運営がどうやって行くのかも解らないけど、経済ってものは、動き出したら止まらないからな。サラマンドラが出てきて、フェンリルが居ることが知れれば、この村は大きくなる。まあ、フェンリルに関しては、別の村でも良いから、合計で6か所くらいの村が活性化するのかな? 聞いたところによれば、東の森と隣接している村は、他領も含めて6か所あるらしいから。でも、ついでにサラマンドラも狙えるのはここしかない。金額的な話を考えれば、サラマンドラに群がってくるはずだ。それを利用しつつ、冒険者を揃えて、選別をする。稼げない冒険者はどんどんと追い出していく。ここはある程度の実力を持った冒険者が集まる場所にしていく。……まあ、採取で稼ぐのであれば、簡単に稼げる程度の金でしか無いんだけどな。それでも、人間の冒険者には、獣人の冒険者とは違って、素材を特定する術を持たないからな。圧倒的に獣人の冒険者が有利だ」


「まあ、嗅覚で探すのは、俺たちの得意分野だからな。それを人間が真似をするのは無理だろう。なるほどなあ。そういう計画なのか。……となると、クレメンティア子爵家にも色々と支援をしてもらわないといけないのか?」


「いや、そこまでは必要ないはずだ。こっちだけで何とか出来る。クレメンティア子爵家には、テッケルンを大きくしてもらう事に注力してもらう方が良いかな。こっちはこっちで自由に動かせてもらうから。お互いに利用しようって話だ」


 悪い話では無い筈なんだよ。この村が大きくなれば、テッケルンも大きくならざるを得ないんだから。どんどんと発展してくれて構わない。

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