毛並みと匂い
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獣人の冒険者たちが建築に加わったおかげで、一気に宿屋の増築が完了してしまった。冬まで時間がかかると思っていたんだけどな……。まあ、早く終わる分には問題ないので、とっとと狩りに戻って貰ってだな。素材を供給してくれると助かる。やっぱり採取もしてくれないと困るんだよ。素材が手に入らないってのはちょっとな。子供たちが取ってくる素材だけでやりくりしないといけない状況になるのは不味い。ポーションだって、素材が無ければ作れないんだから。何事もバランスが必要なんだよな。人間の冒険者だけだと、バランスが悪すぎる。やっぱりその辺の事を冒険者ギルドで教える様にならないといけないとは思うんだ。……もっとも、それで聞き入れるのかどうかは別問題なんだけど。
とにかく、素材を沢山持ってきてくれる獣人の冒険者たちの方が、色々と有難いんだよな。人間の冒険者でも、素材を採取してくれれば、何も文句はないんだけど、採取をしてくれないからな。保存瓶を持つこともしないんだし。そんな素材は買い叩くしかない。反転でどうにか出来るとは言っても、それに慣れて貰っては困るんだ。最高の状態を維持してくれないといけない訳で。最低の状態まで持っていくには、ある程度の時間がかかるからな。そんなのはこっちだって扱いたいとは思わないんだ。まあ、それでも素材だから、有効活用はさせてもらうけど。
「よう。しばらくぶりのサラマンドラだぜ。換金を頼むわ」
「解りました。こちらで預かります」
「クレメンティア子爵家は安定したのか? 安定したんだからこっちに来ているとは思うんだが」
「あー。まあ、何とかな。何とかはなった。周辺の貴族家も解ってくれたというか、ある意味同情的な感情を向けてきているのが解ったらしい。まあ、色々とあるんだろうとは思う。けど、何とかやっていけそうではあるらしい。詳しい事までは知らねえけどな。それでも、俺たちに解散命令が出たんだから、大丈夫のはずだ。まあ、兵士団も組織したんだし、そっちに人材がいってしまっているけどな。冒険者は結構減ったと思うぞ。その分は、各地から獣人たちが集まってくるだろうから、何とか仕事を作りつつだな。冒険者の移動はもっと早いはずだ。狩場にも、獣人たちが向かうはずだ」
「獣人は集まってくるだろうな。……それも予想以上にな。仕事が作れれば良いんだろうが、その辺はクレメンティア子爵家にかかっている。上手くやらないと、獣人が飢えることになるからな。何とかはするんだろうが、気にかけてやってくれ。テッケルンも大きく変わっていかないといけない時期に来ているとは思う。変えていかないといけないんだ。手伝いはしてやってくれよ」
「出来る範囲で手伝うさ。それと、借りてた弓は返すな。俺たちには、もう必要ないと思う」
「お? と言う事は遂にか?」
「そう言う事だ。弓を何とか引くことに成功した。第三段階まで行けたとは思う。……そこから最終段階まで極めて行かないといけないんだろう? それは地道にやっていくさ。苦労はしたが、その分、戦闘は楽になっているし、問題ない。強化が変われば、世界が変わるって感じだ。今までよりも、格段に楽になっている。同朋たちにも、何人か同じことが出来る奴らがいるからな。中々に難しい課題だったが、何とかやり遂げたぜ」
「そこまで強化が出来る様になれば、一気に色々と出来る様になってくる。後は無意識にでも強化できればって所だろうな。意識の切り替えをしないといけない。それが出来れば、戦闘でもかなり役に立ってくれる。使い方を誤るんじゃないぞ? 悲惨な事になりかねないからな」
意外と早かったという印象だ。もう少し時間がかかってもおかしくないって思っていたからな。ただ、最終段階は本当に難しい。血流を、毛細血管まで意識しながら循環させないといけない。慣れるまでは、かなりの集中力が必要になってくる。……まあ、そこまでは出来なくても良いんだけどな。第三段階までで十分である。後は、何とかして戦闘に特化できれば問題ないとは思うが。戦闘に特化できれば、出来ることが格段に増えるんだ。出来ればそこまで頑張ってほしい。
なんだかんだと獣人の冒険者たちが育って来たな。……春にでも亡者の鉱山都市ベルンケラーに向かってみるか? そのくらいの余裕はありそうだとは思う。まずは、死属性の素材を幾つか集めないといけないとは思うけどな。それで、聖属性の武器を作る。そうしたらキャンプ地を確保して、鉱石の採取をしたいと思うんだよな。どんな鉱石があるのかは知らないが、良い鉱石があるのは解り切っている。鉱山都市だぞ? 鉱石が無いなんてあり得ないんだから。予定は未定だが、次の秋には、何とか鉱石を持ってきて、錬金術で加工をしたいなって思っているんだよ。加工、出来ると良いな。金属はどうやっても手に入れたい。まあ、戦略物資でもあるからな。クレメンティア子爵家で規制がかかるかもしれないけど。
それで、換金して、はい終わりって訳にもいかない。色々と情報交換をしないといけない。何がどうなっているのかが解らないからな。こっちでは把握できていない事も多くあるんだ。それらを教えてもらわないといけない。今後の動きなんかも決めておかないといけないだろうし、兵士の訓練で、この狩場を使う可能性も出てくるからな。巡回兵が増えてくれるのかどうかだな。それらも増やさない事には、色々と問題が起きるとは思うんだよ。それだけの人材が確保できるかどうかが問題になってくるとは思うんだけど。
「あー、内政な。そっちの方面は向こうで何とかするって言っていたが、とにかく人が増えるだろう? その対処をしないといけないよなって話になっているのと、仕事だな。仕事をどうするのかって話にはなってた。仕事って簡単に増やせるものじゃないだろう? 稼げる仕事は普通にやれば良いだけだが、稼げなくても必要な仕事ってのはあるんだ。それをやらせるにしても、どうするかなって話が出てきているんだよ。必要なのは解るんだが、どうやってお金を工面するのかっていうのが問題として挙がってきているんだ。やらせたいことはあるんだが、それじゃあ碌に稼げねえからな」
「……ああ、まあ、そう言う仕事もあるだろうな。特に教師だな。勉強を教える場所を作る方が良いとは思うんだが、その為にはある程度の投資が必要だろうし、勉強を教えているだけだから、お金が発生しない。そう言うのをどうするのかって言う事か。まあ、幾つか方法はある。どれを採用するのかは決めてしまう方が良いとは思うが、一番簡単なのは、公営にしてしまう事だな。公が金を出す。そうすれば、食いっぱぐれる心配もないしな。出す金額も考えないといけないとは思うが、それが一番簡単だ。他にも案を出すとすれば、税金とは別に、商会なんかから金を集める方式だな。寄付なんかがそれにあたるんだけど。それだと1つの商会からの寄付金が大きいとかなってくると、利益配分が難しくなってくるんだよ。俺的には、公営にしてしまう方が良いとは思うけどな。それは貴族様が決めることだ。俺が口を出しても良いとは思わないな」
「公営なあ。その案も出てきていたが、何処までの予算が出来るのかによって変わってくるって言っていたな。資金面では、あまり困っていないとはいっても、必要な資金ってのは限られてくる訳だからな。出し過ぎも良くない。かといって、出さない訳にもいかない。難しい問題だとは思う。俺たちみたいに、のんびりと狩りをやれるだけが、内政じゃないからな」
「いや、内政で狩りはしないだろう。やるとしても、兵士の訓練を兼ねてだ。村に常駐して、そこで一生懸命に訓練ってのも考えないといけないとは思う。それだけの戦力を持つことになるんだし、今度のスタンピードがあった時には、兵士が援軍に来てくれないと困るんだ。冒険者だけでスタンピードをどうにかしようって考えている方がおかしいからな。何としてでも止めるって気概が無いといけないんだけど、それをするだけの戦力を整えるのにも金が必要だな。何をするにも金がものを言ってくるようになる。それをどうにかしてコントロールしないといけない訳なんだけどな」
結局は、金が必要になるんだ。何をするにしても金が必要である。内政を回すにしても、軍備を整えようとしても、金がかかる。更に、そこから社交なんかにも出ないといけないだろうし、それのための費用もかかる。貴族なんて金が幾らあっても足りないって事になりかねないんだよな。夜会もあるだろうし、それに参加をするために、服を新調しないといけない可能性も出てくる。ドレスなんて1度しか着ない事もままあるからな。そう言った事に金が使える様にならないといけないんだけど、そこまでの金を集めるのに、どれだけの苦労があるかなんだよな。
「大抵の事はシレバクリームを作れば、何とかなるとは思うんだけどな。それを商会が扱って、王族や貴族に高値で購入して貰わないといけない。無駄に金を使ってもらわないといけない。シレバクリームは確実に高値で売れるんだ。それを商会に卸すのは、俺がしないといけないことではある。シレバクリームのストックは、どんどんと作っているが、素材が必要になるからな。それらを集めて貰わないと作成が出来ない。だから、サラマンドラなんかは、かなりの値段で引き取っているだろう? それだけの金になる商品が作れるからだな。まあ、簡単に作れるから、安く卸せるけどな。獣人の商人には安く売る。その代わり、高く売ってやるようには伝えるけどな。これを扱えば、資金難は一気に解決してしまう。……まあ、需要は無限にあるからな。貴族女性なんかが挙って買うんだ。獣人には必要ないかもしれないが」
「あれだろ? 肌を白くする奴だよな? 獣人には関係ねえな。獣人は、どっちかって言うと、毛並みと匂いだからな。毛並みが良くなれば、嬉しいかもしれないが、それは別にそこまで重要じゃねえ。今でも十分に毛並みを整えることは出来るからな。ただ、それも面倒になってくる時があるから、それらが解消されれば、言う事は無いだろうけどな。考えるなら、それだろう。何とかしてやれるのであれば、してやって欲しいが。後は匂いになるが、これも好みの問題があるからなあ。どんな匂いでも良いのかって言われると難しい。だが、匂いに関しては、男も気を付けないといけないからな。気にするのは当然だが、何かあると嬉しいって所か」
「毛並みと、匂いか。うーん。獣人は風呂に入る習慣はあるか?」
「いや、そんな金のかかることは出来ねえ。貴族様なら何とかなるんじゃないかとは思うが。少々金をかけてでも、風呂には入るだろうな。そうじゃないと舐められるだろうし。獣人の価値観を解ってくれるのかどうかは解らないけどな」
「毛並みってどういうのが良いんだ? さらさらになれば良いのか、それとも逆立っているようなのが良いのか」
「そりゃあ、さらさらな方が良いのは基本だぞ? まあ、エルフだから解らねえかもしれねえが、毛並みがさらさらしていることに越したことはない。それが獣人のステータスでもあるからな。特に美しい毛並みを持っているってなると、求婚者が増える。男でも女でもな。なんだ? そういうアイテムかなんかがあるのか?」
「いや、考えれば良いんだよ。自分で作ればいい。そうかそうか。毛並みと匂いか。それなら何とでもなるな」
「……何とでもなるのか?」
「ああ、何とでもなる。試作品を作ってみるから、暫くしたら使ってみてくれって依頼をするとは思う。宿屋では風呂には入れないかもしれないから、どうにかして、体を洗えるようにはして欲しいが。水よりもお湯の方がいいかもな。風邪をひくと駄目だろうし。その分、値段はかかるだろうが」
「まあ、今更宿屋の値段でどうのこうのって言うつもりは無いけどな。まあ、出来たら教えてくれよな。獣人用の何かしらが完成するかもしれねえって事なんだろう?」
「獣人だけに効果がある訳でもないけどな。普通に人間でも欲しくなる商品を作ってみせる。人間だって、髪の毛に拘りがある人はいるんだから。そっち方面に製品開発をしてみようかなって思っている」
リンスインシャンプーって感じだろうな。さらさらにしつつ、匂いを付けると。……調香が必要になってくるか。匂いを何でつけるのかだよな。簡単なのは、花の香りや、果物の香りだが。特に花の香りは簡単に付けることが出来る。勿論だけど、何の花が良いのかは、さっぱり解らないんだけど。どんな花の匂いが良いんだろう。基本的には、何でも匂いの素は作れる。人工的な匂いも作ろうと思えば可能だ。難しいけどな。匂いを抽出する作業があるから。
さて、そうなってくると、実験をしないといけないだろう。花屋って村には無いからな。何の花なら良いんだろうか。今持っているのは、素材しか無いからな。花なんて売っている訳ではないんだよ。園芸用で、少量の種を収集できれば、沢山増やすことは可能だとは思う。やってみない事には何ともならない訳なんだけど。
匂いは、何かしら良いものを探すしかないな。出来れば素材じゃない方が有難い。香り豊かな花があれば、一番いいんだけどな。無難に進められるし。使い勝手も悪くはならないはずだ。
テッケルンに花屋は無いだろうな。そもそも花屋の需要が無いだろうし。そうなってくると、雑貨屋になるのかね? リンスインシャンプーに近い何かを作ることになるんだから、ある程度の素材は用意しないといけないし、素材も無臭の方が良いとは思う。……油素材を作ることにはなるんだけど、肝油を使うのは勿体ない。シレバクリーム同様、高価になれば良いんだろうけど、どうなんだろうな。貴族女性が買うかどうかで変わってくる。匂いをどうするのかで、色々と変わってくるとは思うな。そうなってくると、調香が大切になってくる訳で。調香は得意な方ではないからな。苦手な分野かといわれれば、その通りですって答えるし。好みもあるだろうしな。
でも、方向性は決まった。とりあえず、作ってみるか。無臭のも作ってみよう。無臭で良いのであれば、簡単だからな。そこまで素材に拘る必要は無い。あくまでも、匂いを付けようとすると難しいだけなんだよ。調香が上手くできるかどうかだな。それ次第で、値段がグンと変わる可能性がある。まあ、オリジナルアイテムといえばそうなんだけど、オリジナルって作るのはそこまで難しい訳ではないからな。作ろうと思えば、誰だってできる。適切な素材を選ぶことになるから、非常に面倒ではあるけどな。素材の特性なんて、頭に入っているのが常識なんだから。錬金術師が、自分で使う素材の事を知らないでどうするって言うんだよ。サクッと作ってしまうのはいいとして、問題は値段だよな。考えないといけない。平民でも使えた方が良いとは思うからな。だから、まずは無臭の平民用を作ってみて、そこから匂い付きの貴族用を作ってみるのがいいかもしれない。




