硬化剤を作る
OFUSE始めました。
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ふははははは。出来たぞ! やってやったぞ! エルダートレントの木材を鉄筋コンクリートよりも、硬くしなやかにする薬剤を開発してやった。……ちょっと3日ほど寝ていないが気にしない。想定よりも高価な物になってしまったが気にしない。量産の暁には、職人の元に届けてやるからな!
「ん。寝る?」
「そうですね。寝ていないようですし」
「……そうだな。寝るか。昼間だけど。明日の朝に起きる。それじゃあお休み」
「ん。寝る」
寝た方が良いだろうな。正常な判断が出来ない。いや、間違ったことをするとは思えないんだけど、こういう時は寝た方が良い。気にしないで突っ走ると余計な事をやらかすからな。やらかす気はないけど。けどそう言うのって気でどうにかなる訳でもないし。正常な判断が出来なくなる可能性がある。それは避けないといけない。そんな訳で、寝る。お休み。
そんな訳で、翌朝。
「おはよう。……良く寝た。寝すぎた」
「ん。ご飯できてる」
「エレナちゃんは?」
「まだ。もう少ししたら来る」
「そうか。食べたら量産だな。……素材は何とか足りるか。獣人の冒険者たちが帰ってくる前に片付きそうで良かった。来てもらったら、即効で人夫だからな。職人さんにも伝えておかないと」
「今日から基礎を作るって言ってた」
「……ああ、そうか。魔法があれば、基礎は簡単に作れるか。……ん? いつ職人さんが来たんだ?」
「昨日の朝。超ハイテンションだった。職人さんが引いてた」
「お、おう。まあ、明日には納品に行って来る。……何とかなるさ」
そんな訳で、食事をして、エレナちゃんを迎えて、レジエナは村長の家に。もう少しで履修完了らしいので、頑張ってくれれば良いとは思う。そんな訳で、高級な硬化剤を作るために、1日中錬金術をしていた。人間の冒険者は、朝は来るんだけど、昼以降は来ないからな。基本的にダークポーション、暗視ポーション、俊敏ポーションの3点セットを買っていき、余程の事が無ければ、それで終わりなんだ。獣人の冒険者は、そこから帰ってきて、素材を売りに来るんだけど、人間の冒険者は、そもそも相手がゴブリンやコボルトだからな。魔石くらいしか換金するものが無いんだ。その魔石も、冒険者ギルドで買い取っているので、そっちだな。魔石だけは、冒険者ギルドも買い取る。錬金術以外にも使えるからな。錬金術師も魔石を買い取るけど、そこまで必要かって言われると、微妙なんだよな。効率は悪いけど、素材から魔石を作れるんだし。そもそも品質を合わせたいから、魔物の魔石をそのまま使うって事の方が少ないとは思う。
魔石は色んな場所で使うからな。錬金術でも使うが、魔道具師や鍛冶師も魔石を使う。錬金術師も魔道具を作ったり、鍛冶をしたりするけど、本職の方が良いものもあるんだ。錬金術が絡まない魔道具もあるし、鍛冶に至っては、本職の方が良いものを作るだろうからな。その為の素材や魔道具の部品を錬金術で作ることはあるが。まあ、魔道具に関しては、俺も作れるし、どちらかと言えば、魔道具専門の錬金術師に近いからな。魔道具作成は得意だ。……ただ、魔法陣を組み込むとなると、難易度が跳ね上がるので、そこまではあんまりしないというか、高度な魔法陣を用意できない。転移の魔法陣なんか、理解できないもんな。理解できる師匠がおかしいだけだ。
基本的に専門分野ってものがある。研究職でも同じだ。……まあ、国から補助を受けられるような研究って、中々ないんだけどな。成果を求められるから。それは今世でも同じだ。成果が出ない研究に、金を出したがる貴族は居ない。研究には金がかかるのにな。良い事ばかりではない。そもそも店の運営を傾ける様な研究をするなって事ではあるんだろうけど。でも、研究しないと新しいものも出来ないし、店としては詰む気がするんだよ。錬金術大辞典に載っている物だけを作れれば良いってものでもないんだよな。……まあ、普通に生活する分には、それでも良いのかもしれないけど。素材の転売で儲けが出るんだし、それだけで食っていこうと思えば出来てしまうんだよな。王都が馬鹿みたいな値段で引き取ってくれるから。王都が一番素材の消費が激しいからね。学校もあるし、師匠みたいに研究をしたいって人が多いんだ。
村では、そもそも錬金術の需要が少ないんだよ。だから、素材の転売くらいしか儲けがないんじゃないかな。普通なら。……俺も、人間の冒険者だけなら、下手すれば赤字だからな。ポーション3点セットしか売れないし。そもそも素材を持ち込まないし。素材を買い取るよって、一番初めの馬車の中で説明したんだけどな……。それが獣人の冒険者だったから、問題なんだよな。人間の冒険者で、採取をメインにしている人は、ここまで来ない。大体手前の村で採取をして、テッケルンの錬金術師の所に持っていくのがメインだ。こっちは魔物が多くいるからな。討伐の冒険者が多いんだ。……魔石だけでも売っていけば、荷物は軽くなるんだけどな。魔石はギルドで売るものって、習慣が付いているんだろう。
「でも、なんだかんだと、利益は出ているし。……研究と投資を除けば黒字だもんな。我ながら頑張っている。……もっと研究したいんだけどな。特に今、急いで研究するものがないし。じっくりと研究するものはあるんだけど、今一つ、パッとしないからなあ。ひらめきが無ければ進まない分野な気がするし。ひらめき待ちなんだよ。仕方がないけど」
研究は楽しい。研究はしたい。けど、何を研究して良いのかが解らない。ただ、こういう時は基礎研究からやっておく方が良いとは言うんだけど、基礎研究って、時間と費用がかかる割に、成果が出にくいって感じなんだよな。それこそ研究だって言い切る人もいるけど、基礎研究はやり尽くされた感があるんだよな。素材の詳細研究とか、属性の研究とかな。比較的取り組みやすいものは、網羅されているというか。ニッチな所も既に潰されている。ポーションの効果を最大限高めるための研究とか。楽しそうではあるんだけど、ある程度やり尽くされているんだよな。だからフルポーションまでのレシピが公開されている訳で。
「サンルーグさん。お客さんですよ?」
「客? 人間のか?」
「はい。人間の――」
ズドン! ズドン! ズドン!
「え!? な、なに!?」
「あー。まあ、大体解ったから」
全く。錬金術師の店は、そう言う対処が出来る様になっているんだ。だから堂々と見本を置いてあるわけなんだけど。見本に触れる分には問題ない。中身の匂いを嗅ぐ分にも問題ない。ただ、盗もうとすると、店側が悪意ありとして、カウンターをする事になっている。
「サンルーグ、遅い。終わった」
「まあ、こうなっているよな。それにしても3発目までもったのか?」
「んーん。1発で死んだ。でも追い打ちがあった」
「いや、死んでないからね? 怪我はしているだろうけど。……あばらが何本か逝ったな。まあ、泥棒には慈悲はない。殺さない程度には、この店も慈悲はあるようだけど」
「でも、これがこの店の機能ですか。初めてですよね?」
「初めてだな。今まではそんな馬鹿な事をする奴は居なかった。……て事は、初めて来たのか? エレナちゃん、こいつの顔に見覚えはある?」
「えっと、無いです。あ、今朝は来たとは思います。でも、それ以前には記憶が無いですね」
「今日来て、思った以上に成果が上がらなかったんだろうな。まあ、泥棒をしようとするって事は、屑で間違いないんだが」
そんな訳で、店から放り投げておいた。死んでは無いから、何かしらのアクションがあるとは思うけど。……生きてはいるけど、暫くは活動できないだろうな。まあ、錬金術師の店の事を知らないって事は、余程の初心者か、錬金術師と余りにも接点が無かったか。他の店では展示なんてしていないのかもしれない。そう言えば、エレミーさんの所も、展示なんてしていなかったな。まあ、町だからってのはあるかもしれないけど。
「1年くらい店をやってて、初めてだと考えると、今までは結構行儀が良い冒険者ばかりだったんだな。2人とも、今後はさっきの屑みたいなのが沢山来るとは思うから。慣れてっていうのは、厳しいだろうけど、基本的に悪意があったらああなる。……悪意がない真正も居るんだけど、そう言うのも対処はしてくれる。けど、危ないかもしれないから、一応は気を付けておいて。自衛の範疇なら、こうはならないから」
「解りました。気を付けます」
「ん」
よろしい。……でも、屑は沢山来る予定なんだよな。そう言う奴に限って、逆恨みをしたりするから面倒だ。あ、なるほど。そう言う研究は有りだな。対人用の反撃のお守りとかどうだろう。エレナちゃんの通勤時が狙われるかもしれないし、レジエナも外出するからな。そう言うときのために、反撃のお守りを作っておけば、かなり便利になるんじゃないだろうか。いいぞいいぞ。そういうものは作っておくに限るよな。研究意欲が湧いてきた。……身体能力強化魔法があるから、一般人には負けないとは思うが、武器を使ってこられたら、流石に厳しいだろうし。けど、魔物にはそう言うのって出来る気がしないんだよな。魔物って悪意が無いから。人間は狩るものって感じで、特に意志とかそう言うのって無いって話なんだよな。そう言うのにも、ある程度の反撃が出来れば、便利だよね。不意打ちとか、そう言うのにも対応していれば、便利なんじゃないかな。魔物にも対処できそうな物を研究してみようか。出来るかどうかは解らない。けど、研究してみる価値はある。
「属性はどうしようか。こういうのは、属性を絞った方が良かったりするんだけど。全属性の方が汎用的ではあるんだろうけど、汎用性よりも、それに特化したものを作る方が良いだろう。反撃に特化しているとなると、……闇属性か? なんとなくそんな気がするな」
とりあえず、試作をしてみない事には話にならない。まあ、効果の実証試験は出来ないよな。流石に難しい。ゴブリン相手くらいなら、何とかなるか? けど、危険なのには代わりが無いんだよな。雑魚と言えども、怪我くらいはするだろうし。……防具で固めていたら、そもそも反撃をするんだろうか。必要ないって判断されたら面倒だな。けど、攻撃の意志を確認していたら、魔物には反撃できない気がするんだよな。攻撃ってよりも、生きるために来るんだし。食料って感じで来るからな。うーん。難しいな。難しい方が作り甲斐があるんだけど。反撃するために、闇属性を使うのは良いとして、何処までの反撃をするのかどうかだ。親が怒ってげん骨を落とすこともあるだろうし、そう言うのは反撃をしない様にしたいよな。けど、そうすると魔物の攻撃が……。難しい。何を基準で反撃をするのか。それが問題だな。
研究をするのは楽しい。こう、考えている時が一番楽しい。作っている時もいいが、何が出来るのか、何を作りたいのか。そう言うのを考えている時が、一番楽しいんだ。……でも、両立は難しい気がする。エレナちゃんが魔物に襲われるって事は無いんだし、やっぱり対人用として作った方が良いのかもしれないな。それか、魔物用は魔物用で2つ作るべきか? 1つでどうにかするのは無理な気がする。対人用と魔物用、それぞれで作ってみるか。エレナちゃんとレジエナには、対人用を渡しておけば良いと思う。それで、死なない程度の一撃を食らわせるようにしないといけないよな。流石に殺すのは無しだ。ギリギリ生きているって状態にしてやるのが良いとは思う。楽に殺してはやらん。殺したら楽になってしまうじゃないか。ギリギリのところで、苦しみながら悶えるといい。
……ただ、先に職人さんに渡す硬化剤を作らないといけない。そっちが優先だ。……いや、防犯が優先か? でも、流石に時間を使い過ぎる気がする。今日は硬化剤を作ろう。明日からは防犯グッズを研究だ。何かあってからでは遅い。何かある前に何とかしないと。獣人の冒険者は、まあ、大丈夫だろう。信用しても良いはずだ。人間の冒険者だよな、問題は。どうしてこうも傲慢に成れるのか。自分が偉い訳でもないのに、何でこんな事が出来るんだろうな。心理学は解らない。ただ、そうだな。もうちょっと理性というものをだな。犯罪者には無いものだからな。大体その辺が壊れていることが多いし。
そもそも人というのは、動物なんだ。理性というものは、どんな動物だって持っている。人だけが特別なんじゃない。それが解っていないから、こう言う事をしてしまう。例えば、神を100、動物を0とした場合、人は何処に当てはまるでしょうかっていう質問をしたとして、0以外を答えた人は、傲慢なのだ。人とは動物である。それ以上の存在であると認識していると言う事は、人は動物よりも上だって思っていると言う事。馬鹿な事を。それだから愚か者だと言われるんだ。人は0である。動物である。たとえ1と答えたとしても、99と答えたとしても、レベルが違うだけで傲慢なのだ。驕っている事には変わりがない。間違えた認識をしてしまっていれば、簡単に足を踏み外す。そして、驕り高ぶった結果、マイナスに落ちることもあるんだ。動物未満。生きているだけで害をなすもの。そんな存在には、なりたくもない。
錬金術師だってそうだ。どれだけ極めようが、神には成れない。0からは動けない。どれだけ極めても0は0だ。そこから1に踏みだしたら、人を止めた何かになる。まあ、究極的には、そこを追い求めている人も居るんだろうが。そう言った人は、強欲なのだ。求めてはいけない領域を求めている。人が0である限り、必ず死は訪れる。錬金術を極めても、寿命を伸ばすことは出来ない。不死を体現する事は出来ない。……師匠にも質問をされたな。不死になる薬はあるかと。俺は無いと答えたが。これをあると答える人も居る。強欲な人だ。寿命は、長い種族も居る。個人差もある。けど、必ず死ぬんだ。人が動物である以上、0である以上、必ず死は訪れる。
エルフは長生きだ。それは間違いない。人間とは寿命が全然違う。けど、永遠じゃない。何処かで限界は来る。その限界まで足掻くのだ。それが動物としての人のあり方だ。寿命よりも短い人生は、それはそれで辛いものだ。
エレナちゃんとレジエナの未来を守るためにも、防犯グッズは作らないとな。間違ってはいけないことは、物事に絶対は無い事。過信しない事。これを身に着けているからと言って、傲慢で強欲にならない事。そうなってしまえば、嫉妬に殺される。ちゃんと逃げる事。助けを求める事。自分で対処が出来るのであれば、何とかしてみても構わない。けど、人として踏み外さない事だ。外道になってはいけない。まあ、賢い2人なら、理解はしてくれるだろう。ちゃんと人で居てくれるはずだ。出来るだけの事はするが、出来ないことだってあるんだから。まあ、出来るだけ間違いが無い様には作るつもりではある。でも、俺は神じゃない。動物だ。錬金術師ではあるが、人の域から出ていないのだ。だから、絶対はない。それだけは解っている。




