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反転の錬金術師  作者: ルケア


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研究馬鹿

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 家に帰ってきて、研究の真っ最中だ。……獣人の女性が喜びそうなものを作ろうと言う事で、何か無いかと探っている所なんだけど、いい考えが思い付かない。獣人であるクレメンティア子爵家に何かしらのお土産が必要なんじゃないかとは思ったんだけど、獣人って何が欲しいんだ? 何か良いアイディアは無いものか。シレバクリームは無意味だ。獣人は全身に毛が生えている。肌が白くなる? そんな事はどうでもいいだろう? と言う事で、何かないのかと考えているんだけどな。何も出てこないのである。


「そんな訳だから、研究が行き詰まっていてな。……貴族用の物に関しても、行き詰まっているんだよな。ポラロイドカメラも、微妙に素材がな。何かしら良いものが無いと画質が厳しいんだ。何というか、色は出てくるんだけど、色だけなんだよな。何が作用しているのかが解らない。獣人の女性が欲しがりそうな物も解らないし、どうしたってなあ。何が欲しいのかが解らないのに、作れるものも無いんだよ」


「あの、そう言う事は、お肉屋さんに聞いてみたらどうなんですか? 獣人の皆さんがやっていましたよね?」


「ああ、そっちには確認に行った。何か欲しいものは無いかって聞きに行った。身に付けるものや、身だしなみを整えるもので、研究し甲斐のある物は無いかと思って聞きに行った。そうしたら、どんな汚れでも落ちる石鹸が欲しいと言われたんだ」


「欲しいものがあるじゃないですか。それを作ればいいのでは?」


「それは出来たから渡してある。どうしても血の汚れが落ちないって思っていたらしいんだけど、そのくらいの錬金アイテムなら簡単に作れるからさ。ついでに、本当についでに、エレナちゃんたち、村人の黒ズミも落ちる石鹸を作ってみたけど、どう? 使わなくても良いし、使っても良い。毎日ちゃんと洗っていれば、10日くらいで消えると思う。なんだかんだと闇属性を分解すればいいだけだし、まあ、出来ない事はない。素材的にもそこまで必要じゃないし、銅貨5枚くらいで1つを売り出そうかなって思っているんだけど、どう?」


「この黒ズミを消して、どうするんですか?」


「消すだけなんだけど、消したくない?」


「特に痛くも無いですし、消したいかって言われると、解らないとしか」


「……美容とか、そう言うのには興味ないかな?」


「あ、あんまりないですけど、駄目なんでしょうか?」


「いや、駄目じゃない。駄目じゃないけど、……美容系のアイテムって、貴族くらいしか興味がないのかね。シレバクリームの値段って、おかしいくらいには高いんだけどな。そっか、平民はそんなに美容って関係ないのか」


 女の子は、全員こう言う事に興味を持つものだと思っていたよ。興味がないのか。……割と簡単に黒ズミを分解する物が作れたから、需要があるのかなって思っていたんだけど、需要は無いらしい。エレナちゃんとか、腕の黒ズミが消えたら、嬉しいかなって思っていたんだけど、そうか。そもそも黒ズミがあるのが当たり前だから、何も感じないんだろうな。地味にショックを受けているんだが。美容系って貴族にしか売れないのか。肌が白くなったら嬉しいって思うのは、貴族だけなんだなって。……前世では、皆、美容系に興味があったとは思うんだけど、親の影響もあるのかな。それと、テレビがある影響かもしれない。何だろう。売れるんじゃないかと思ったんだけどな。村人から資金を回収しても、何にも嬉しくないんだけどさ。


 何を研究しようかな。こう、研究意欲が湧くものが無いかなって。ポラロイドカメラも研究意欲が湧くんだけど、行き詰まっているからな。息抜きに、何か研究したい。便利で、色々と使えて、確実に売れるって物が良いよな。何かないだろうか。特に思い付かないんだよな。俺が必要だと思う物って何だろう。特段困っている訳ではない。……困っているのは、人間の冒険者しか居なくなってしまったことくらいか? 素材が入って来なくなったからな。ポーションとかは売れるし、子供たちからの納品はあるんだけどさ。それでも、今まであった大量納品が無くなって、微妙に居心地が悪いんだよ。だから研究をして、お茶を濁したいって思っているんだけどさ。


 研究しなければならないものが無いんだよな。……でもなあ。今からもう1回宿屋の増築をしてもらうとか、しないといけないのかね? いや、研究が行き詰まっているから、今度は投資の話でもって思っているんだけど、宿屋、大きくしないといけないよね? 確実に人が集まってくるんだし。それこそ、儲けたいって人が集まってくるんだろうし、倍くらいの大きさにした方が良いんじゃないかって思うんだよな。そうなってくると、店員が必要になって、村人が増えると。良い事なんだけど、今から増築しないと間に合わないか? 春には多くやってくると思うし、木材なんかはこっちでも確保してあるから、問題ないとは思うんだけど。


「ただいま」


「レジエナちゃん、おかえりなさい」


「ちょっと村長の家に行ってくるわ」


「行ってら」


「はい。行ってらっしゃい」


 話は通しておいた方が良いとは思う。村の規模が大きくなるんだ。宿屋だって人員の補充は必要になってくるだろう。早めに色々と動いておいた方が良いとは思うんだ。従業員も確保しないといけないだろうしな。村民が村に残るのは良い事だよな? 多分だけど。悪い事では無いと思う。村が大きくなっていくって事だから。大きくなりすぎても困るのかもしれないけど、まだまだ余裕はあるしな。


「村長、いますか?」


「何じゃ? 錬金術師か。何か用か?」


「えっとですね。宿屋を大きくしませんかっていう話を持ってきたんですけど」


「……とりあえず座れ。ゆっくりと話は聞こうじゃないか」


 そう言う訳で中へ。宿屋が大きくなって、悪い事は無いと思う。宿屋もそれくらいには繁盛してくれれば良いとは思うし。料理を作るのが大変になるとは思うけど、マジックバッグを譲れば、問題は無い気がするんだよな。大量に料理をストックできるようになれば、宿屋の運営も簡単になるとは思うし。保存瓶でも良いんだけど、ある程度の量しか入らないからな。


「それで? この前に宿屋を改築したばかりだが、そんなに冒険者がやってくるのか? 今は獣人の冒険者がテッケルンに行っているからな。大分部屋は空いているはずだが」


「それがですね。この間、魔物の大暴走があったじゃないですか。それのお陰で、魔物が新しく増えたんですけど、それが非常に厄介? いや、嬉しい事なんですけど、村的には厄介かもしれなくてですね。もの凄く強いんですけど、もの凄く価値の高い素材を落とすんですよ。なので、それを狙った冒険者が、かなり増えると睨んでいるんですよ。宿なしでも良いんでしょうけど、宿があれば、村人も増やせますし、そこまで悪い話では無いと思うんですよ。それに、宿なしの冒険者が増えすぎると、治安が悪くなりますからね。出来るだけ宿屋に収容したいなって思っているんです。それで、今の倍くらいに宿を増やせないかなって思っているんですが」


「……簡単に話をすると、新しい魔物が出てきた。それがもの凄く金になる。だから冒険者が増える。宿なしでもいいが、治安に不安が出てくる。それなら宿屋を大きくすればいい。住民を従業員に雇えば解決する。こんな所か?」


「そんな所です。まあ、宿屋の規模にも因るんですけど、宿屋って基本的に南側にあるじゃないですか。玄関口に。だから、その辺にどーんと新しい宿屋を建てるのはどうかなって。運営は今の宿屋さんが見てくれれば良いんですけど、従業員は足りない訳で。なので、家は何軒かは欲しいと思うんですけど、そんなお金を持っている農民が居る訳ないじゃないですか。今度からは税金が3割になるとはいっても、今までは7割だったわけですし、厳しいと思うんですよね。だからって、職人さんに給料を払わないって訳にもいかないですし、そろそろ獣人の冒険者たちが帰ってくるので、人手は足りると思うんですよ。後はお金だけの問題だと思っている訳でして。それなら俺が出せば解決するじゃないですか。元はと言えば、冒険者が沢山来るのが問題な訳ですから、費用云々は無しでも良いっていうかもしれないですけど、それじゃあ職人さんが儲からないですよね? ああ、俺は儲かっているというか、冒険者が来れば儲かるので良いんですけど、村としてはお金が動かないのは不健全だとは思うんですよ。なので、投資って形でどうかと思いまして」


「……話は解ったが、もうちょっと頭で整理してから話せ。思ったことが口から出ている様では、馬鹿では解らんぞ。子供の話を聞いているような気がしてならん。しかし、子供が話すにしては動く金額が大きすぎる。もう少し落ち着いて話せ。それが出来ない訳ではないだろう? 単純に、自分が出来ることを探している若者にしか見えんぞ。……まあ、若者ではあるんだが」


 いや、まあ、その、すみません。ちょっと、考えた先から出力しているような状態なので、もうちょっと落ち着こうか。結局は、研究が行き詰まっているのが問題なんだよな。だから、投資話でもしようじゃないかって思って、結果ここに来た訳で。話が纏まるというか、勢いで来たからな。そりゃあ話が纏まりませんってか。もうちょっと落ち着くか。折角、お茶を出してもらっているんだし、ちょっと口を濡らしてから話をするか。


「まあ、急いで作る意味があるのかって言われると、そうなんですけど、大体次の春ごろには噂が流れていくとは思うんです。そうなってくると、早ければ、夏場には冒険者でいっぱいになるとは思うんですよね。それまでに建てれば良いとは思うんですが、噂って思った以上に早く流れることがあるじゃないですか。なので、下手をすると、次の春ごろには、ここがいっぱいになっている可能性があるんですよね。それだと、宿屋の収入にならないですし、村の収入にもならないじゃないですか。収入にするために、早めに準備をしておけば良いんじゃないかなと。丁度、獣人の冒険者たちが帰ってくる時期になるのと、冬には獣人の冒険者たちには、別の仕事をお願いしたいので、時期を逆算すると、このくらいの時期には、建て始めても良いんじゃないかなって思っている所なんですよ。職人さんも、木材のストックはあるはずなので。去年に大量に木材を使用したので、そろそろ補充が終わる頃合いなんじゃないかなって思っているんですよ。早ければ早いに越したことはないので、冒険者が大量に押し寄せる前に、手を打っておいた方が良いんじゃないかと思った次第です」


「初めからそうやって落ち着いて話せば良いものを。勢いで話すから面倒になるんだ。で? 具体的にはどうすれば良いんだ? 宿屋を作るのは解った。その金をお前さんが出すってのも解った。労働力は、冒険者がやってくれるってのも解った。ただ、解らないのが、何処にどの程度の規模で作るのかだ。南の方だとは言ったが、離れすぎるのは問題だろう。それに、大量に来るとなると、それだけで宿屋が満室になる。となると、今の2階建ての宿屋では敷地面積が問題になってくるだろう。南側は広いとはいっても限度がある。そうなってくると、3階建て、4階建ての建物が必要になってくる。そうなってくると、普通の木材では強度的に問題が出てくる可能性もある。いいか? 普通の木材だと、どうしても3階建てくらいが限度だ。ただ、お前さんの話では、冒険者は今の倍以上に増えると予想しているんだな? となれば、横に伸ばすのは限界がある。縦に伸ばすしかあるまい。それなりの木材が必要になるぞ。具体的に言えば、トレントの木材が必要になってくる。……まあ、柱を大量に使えば、何とかなるとは思うが、それでも不安は払拭しておきたい。費用はそっち持ちでも、柱になる木材が無ければ、高層階の宿屋は作れんぞ?」


「ああ、それは問題ないです。職人さんの所には、エルダートレントの木材が大量に積んであるので。……実は、それを使ってテッケルンの貴族屋敷を改修しようかなって思っていたんですが、思った以上に壊さなくても良くなったみたいで、余っているんですよね。なので、木材については問題ありません。エルダートレントの木材なら、十分に強度はあると思いますので。でもそうですね……。強度を増す物を作るとしましょうか。木材に塗る事で、強度が高まるものを開発します。それを使ってくれれば、5階建てくらいの宿屋は作れるんじゃないでしょうか? 職人さんの技術的には可能だと思うので、俺はその為の薬を作ります」


「何じゃ。木材の心配は要らんのか。ただ、頑丈にしておくことは悪い事じゃない。何かがあった時に壊されても困るからな。それに、どうせ費用はそっち持ちだ。今更高くなるからと文句は言わんだろう?」


「まあ、値段の事は気にしなくても良いので。高くても問題ないですね。それに、研究する事が出来ると、俄然やる気が出ますよね」


「……本音はそっちか。まあ、どの道必要になることだ。今宿屋を作ることは問題ない。ちと村から町へ出て行くものを引き止めるくらいだ。悪い事ではあるまい。……今の町で、仕事が簡単に見つかるとは思えないからな。混乱期だ。ある程度は覚悟しておかんといけないだろう。それを考えると、村の中で雇用が生まれることは歓迎だ。まだ土地もあることだしな」


 確かにそれはあるよな。今の町で、仕事を見つけることは難しいとは思う。色々と迷走するだろうし。そうなってくると、働き口って、冒険者くらいしか無いんだよな。しかし、これから冒険者も増えてくる。稼げるところに大量に冒険者がやってくるんだ。……半分は死ぬと思った方が良いとは思うけどな。稼げるが、それなりの難易度なんだ。移動してきていきなり活躍って出来るほど、この狩場は甘くはない。それは新人冒険者にも言えることだ。この狩場で稼ごうと思うと、ある程度の要領というか、慣れが必要になってくる。北は勿論だが、東も西も、癖があるからな。簡単にはいかないだろう。


 町での雇用も厳しい。冒険者も過剰という程やってくる。そんな中で、どうやって就職すれば良いのかって話にはなってくるだろうからな。世の中は厳しいぞ。思っている以上に、稼ごうと思うと厳しい。実力もそうだが、運も必要だ。簡単にはいかない。簡単にいくようなら、Sランク冒険者になっている事だろう。それは普通の人材では無いからな。才能があるって事なんだから。


 さて、俺の方でも準備をしておかないとな。柱の強度を強化する薬品を開発しなければならない。多分ではあるが、土属性で良いとは思う。木材も土属性だしな。合わせた方が強度は増すだろう。その方向で考えないといけない。研究する事があるって素晴らしいな。何も思い付かないよりも断然良い。何も研究する事がないと、変な物でも作ってしまうかもしれないからな。これから試作品を作らないといけない。獣人の冒険者たちが帰って来るまでだ。タイムリミットはある。けど、その方が燃える。そんなものだ。

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