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反転の錬金術師  作者: ルケア


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種族の子供事情

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 夏はもう少しで終わる。秋になったらベルンケラーまで行かなければいけない。何があるのかの確認は大事だ。鉱石を掘りに行かないといけない。まあ、義務ではないけど、クレメンティア子爵家的には、行かなければならないなんだよな。獣人の貴族がまともに領地運営できるのかって試されている部分もあるから。行かなければならない。そして、獣人の有用性を示さなければならない。そんな使命があるんだよ。俺にはあんまり関係ない事ではあるんだけど。


 俺の使命としては、師匠から美味しいお酒を作ることを要求されているくらいだ。死属性の素材を集めて、聖属性に反転し、再生薬を作り、更に反転してお酒を作ると。それが師匠から課せられた命題である。まあ、程々に頑張れば良いだけの話なんだよ。獣人たちの事を思えば、動機は不純すぎるところではあるんだが、利害は一致するからな。それで行動を共にしている訳で。俺だって、獣人に肩入れする方が得だからしているんだ。これで損しかないのであれば、肩入れなんてする訳がない。そこまで人として出来ている訳ではないからな。ただの俗物でしかないんだ。利益があるから、そうやって獣人の冒険者も強くしている訳で。利益が無いのに、何でそんな事をしなければならないのか。ある程度は教えたとしても、ここまで真剣になって肩入れはしなかっただろうな。


 逆に言えば、人間に投資するだけの価値がないとも言えるんだけど。人間と獣人の差は、言ってしまえば魔力量だけだ。獣人で魔力量が多い人で20万程度である。人間は多いと50万を越える。まあ、多ければって話ではあるけどな。中央値は獣人が1000程度、人間が5000程度だ。魔力が3桁なんて事もよくあることではある。こういう時に平均は無意味だ。馬鹿みたいな魔力量の奴が、平均を押し上げてしまうからな。全体的なものを見たければ、中央値の方が解りやすい。学校では、それだけのデータを所有しているって事でもあるけどな。サンプリングをどの程度行ったのかは不明だが。ある程度の数は調べてのこれだと思うからな。まあ、4桁あれば十分である。そこまで強力な魔法を使う訳でもないし、錬金術師になる訳でもないんだしな。


 獣人には、種族的に協調性というか、協力し合わなければ生きていけないって土壌があったからこその種族特性なんだろうが、人間にはそんなものは無いからな。獣人は教えたことは共有してくれるが、人間はそうはいかない。結局は、リソースの取りあいになるんだからな。強い人間が増えれば、自分の稼ぎが減っていくのは確かだ。それだけ冒険者になる人間が多いんだからな。魔物という資源は限られている。それを出来るだけ独占した方が旨味はあるんだ。そうなった時に、無償で自分の強さの秘訣を教えるのかっていうと、誰も教えないだろう。それが普通だ。それが当たり前なんだ。それだけの技術ではあるんだし。技術は秘匿してなんぼだからな。自分のパーティーには教えるかもしれないが、それ以外の人には、積極的に教えるって事はないだろう。


 境遇の話になるから、どうしてもな。人間は数が多い。だから恵まれているとは言わないが。恵まれない人も多くいるだろう。でも、それが当たり前の世界だから。自分は恵まれていないのに、どうしてあいつはとなるのが普通だ。嫉妬なんてありふれている。嫉妬の炎を燃やして強くなるのか、腐るのかは自分次第。それも個人差がある。腐る奴は冒険者には向いていないけどな。自分もって邁進するくらいが丁度いい。そのくらいの覚悟があって、冒険者をしているんだろうって言いたくなる。見える部分は、華やかなのかもしれない。けど、現実はそんなものだ。どの業界に入っても、理想と現実は同じようなものなんだ。冒険者が輝いて見えるのは、一部だけ。その一部で、憧れたのであれば、自分も努力してその一部になれば良いだけの話である。努力もしないで腐しているだけの奴らは、どうしようもないんだから放置するしかないんだよ。それが現実なんだって、解って貰わないといけない。自分の実力を知って、嘆くよりも鍛練した方が建設的だとは思うけどな。強くなりたいのであれば、教えを乞う事も出来る筈だ。タダでは教えてくれないかもしれないが、それも1つの方法だから。強くなりたいのに、手段を選んでどうするんだ。


 理想としては、順当に強くなっていく方が良いのは確かである。でも、世の中理想的に事が進む方が珍しい。現実とは強いのだ。簡単には倒せない。それを目の当たりにした時、どう反応するのかは、人それぞれだ。それは人間でも獣人でも変わらない。違うのは、助けてくれる周りの人が居るのかどうかの違いである。人間は基本的には助けてくれないが、獣人は助けてくれる場合が多い。……まあ、流石に自分が悪い状況で、助けてくれる訳もないんだが。情状酌量の余地がある場合にのみ、助けてくれるって感じだな。後は、助けられるだけの余裕があれば、だな。余裕が無ければ、助けることも出来ない。たとえ獣人であっても、見逃すときは見逃すしかない。自分の力で何とか出来るのであれば、何とかするんだろうが。


「現実って、強いよな。何でこんなに強いんだろう」


「突然だな。私で対応できることなら聞くが」


「やってきていきなりそれでは、話が解らん。我にも解るように説明を要求する」


「なに、思った以上に師匠の課題が難しいだけだ。素材がこんなにあるっていうのに、適合するものがないんだ。仕入れてみて、金を支払って、結局は肥やしになるんだと思うと、虚しくなってきてな。ちょっと気分を入れ替えたいと思っているんだ」


「ふむ……。気分を入れ替えるにしては、随分と空気が重い。我らに話をしても、何の解決にはならんが、それでも話すなら話せばいい。力には成れん。それは解っておいて欲しい」


「だね。もうちょっと気分を上げな。辛気臭いのもよろしくないからね。気分は明るくってさ。気分から入れ替えていかないと、切り替えられるものも切り替えられないよ」


「……そうだな。とりあえず、いったんは忘れるか。何かしら進展があれば良いなって感じで素材を漁っていた訳だが、何も進展は無かったし。問題は山積しているが、何とかなるだろう。何とかしないといけないのはその通りだけど、気分転換に来たんだから、いったん忘れないとな」


「そうだよ。忘れた方が良いさ。どうせ後で嫌でも思いだす羽目になるんだからね。忘れて暫くは様子を見た方が良い」


「うむ。やらなければいけないことは、後で思いだせば良いのだ。今は気分転換に来たのだから、暫くは忘れても良いとは思うぞ。人とは、仕事の事しか考えられない様になったら終わりだからな。それでは魔道具と何も変わらない。人には娯楽も必要だ。仕事仕事仕事では、人は壊れてしまう」


 確かにその通りだろうな。仕事だけしていたら、人生が楽しくない。楽しい事を考える時は、仕事を忘れた方が良いんだ。休日も仕事の事を考えるようになったら終わりだ。楽しくも何ともない事を延々と考えるようになったらお終いだ。遊ぶときは遊ぶ。仕事をするときは仕事をする。メリハリが大事なんだよ。……まあ、仕事から逃げてきたのには変わりないんだけどな。進まないんだから仕方がない。劇的に変わってくれれば、色々と手間は省けるんだけどな。そんなブレイクスルーは、簡単には起こってくれない。


「少しはマシになったようだな。楽しい事を考えた方が建設的だ」


「そうだね。でも、話の種が無いと困るかもしれないから言っておくか。私も妊娠したようだ。次の春には産まれる予定だから、そのつもりで居て欲しい。まあ、特に何をする訳でもないけどね。ただ、報告がてらって話さ」


「む? それはおめでたである。子供は多いに越したことはないからな。エルフの数を増やすためにも、子供は何人も欲しい所ではあるだろう」


「……2人目だから、薄々は気が付いていたけど、やっぱりそうか。頻繁に来ていたのに、ばったりと来なくなったから、もしかしたらもしかするんだろうなとは思っていたけど」


「これで暫くは忙しくなるね。……エルフは1度子供を産むと、暫くは子供を作れない。まあ、個人差はあるけどね。暫くは子育てに邁進するさ」


「あれ? そうなのか?」


「知らなかったのか? 人間と獣人はそうでもないらしいが、それ以外の種族では当たり前の話だぞ? 我の種族であるソルガスもそんな感じだ。早くても大体子供が15歳から20歳くらいまで成長しないと、次の子供が作れない。個人差があるのはその通りだが、どれだけ早くても周期的には人間や獣人と一緒位にしかならないはずだ」


「エルフだと、兄弟姉妹を知らないことが殆どだからね。子供の時に、兄弟姉妹が居た覚えは?」


「……確かにない。ああ、それでか。1人しか子供を作らないのかなとは思ったけど、そういう特殊な事があったのか。人間は普通に兄弟姉妹が居るから、何も思わなかった。1度子供を産むと、暫くは子供を産めないのか。それだと人口が増えないはずだ。1人作って2人目ってなるには、10年もかかるんじゃあ、どんどんと増えない訳だよ。人間と同じ勢いで増やしていったら、寿命が長い種の方が増えるんじゃないかって思っていたからな。そうか、そんな制限があるのか」


「エルフだと、大体普通は30年くらいは子供を作れなかったはずだよ。私がどうなのかは知らないけどね。そうじゃなければ、エルフだらけになるじゃないか。というか、寿命が長い種族だらけになってもおかしくない。少ないのには、それも原因があるんだよ。まあ、その代わり、寿命が長いんだろうけどね」


 知らなかった。エルフも人間と同じくらいに考えていたんだよな。……そうすると、エルフで溢れていないとおかしいよなって思っていたんだけど、そんな縛りがあるのか。下手すれば100年後って事もあるんだろうし、そりゃあ人間や獣人みたいに増えない訳だ。寿命が長いなら、増えない訳がないと思っていたんだけど、それじゃあ増えない。そりゃあ増えない。無理だな。なるほど。そういう制約があったのか。知っておいて良かったのかどうかは解らないけど。でも、ボリクラも2人目をって言いに来ないから、どうしたんだろうなって思っていたんだよ。早ければ、2人目を産んでいてもおかしくないよなあと考えては居たんだ。まあ、そういう制約があるのであれば、仕方がない。どう足掻いても出来ないものは出来ないんだから。


「知らない事もあるものだ。人間と獣人が増える訳だよ。人間と獣人は、子供が産まれてから30日かそこらで次の子供を仕込めるからな。そんな感覚で居たから、エルフや他の種族が何で増えないんだろうって思っていたんだよ。そんな制約があるだなんて知らなかった」


「そもそも親から教えられない限りは知らない事も多い。女性は知っている傾向にあるが、男性で知っているのは、少ないのかもしれないな。女性しか子供は産めない。それが人という種族の定めだ。……魔物はどうなのかは知らないが、基本的には女性しか産めなかったはずだ。種族によっては、男性、女性と区別しない種もあるとは聞いた事があるが」


「それって人の話じゃないんだろう?」


「人ではないな。虫やその系統の研究者から聞いた話だ」


「ああ、虫やその辺の類は、雌雄同体とかあり得るからな。魚とかでも居たはずだ。代表的なのは植物が多いか。花なんかは、男性女性は関係ない事が多い。まあ、自己完結は出来ないことが多いんだけど。植物も生物ではあるからな。その辺りも研究している人が居そうだな」


「まあ、そう考えると、人っていうのは不便と言えば不便か。どうしても男性と女性が必要だからね。しかも、エルフなんかだと、知り合ってから2人目を作れるのは100年後とかになる可能性もあるんだ。それまで関係を持続させないといけない。全く変わらない関係なんて無いからね。1人目で懲りることもあるんだし、増えないのも納得だとは思うけどね」


「生物的に考えれば、増えないと不味いんだけど、寿命が長いのが変に働いている可能性があるのかもしれないな。2人で1人しか作らないのであれば、増えようがない。最低でも3人は作らないと増えていかないんだからな。しかも、寿命で死ぬことが前提でだ。未婚の人も居るんだろうし、冒険者で死んでしまう事もあることを考えると、4人5人は作らないと、エルフは増えないんじゃないか?」


「他の種族でも、同様の事が起きる。寿命が長い方が、次の子供を作るまでの時間が伸びていく。その様になっているんだ。寿命が長い方が増えないのはその所為だな。減る事も少ないんだが、増えないのは増えない。ソルガスを例に出すと、15年から20年だ。その期間で、夫婦仲が悪化する事もある。故に子供は1人しか作らないという事も多い。まあ、大体が金銭的なトラブルだとは聞くが。子供を育てるのにも金は必要だからな」


「そういう事だね。寿命がってよりも、お金の方が問題さ。稼げないと2人目3人目とはいきにくい。まあ、そもそも出会えないのが問題なんだけどさ。もうちょっと種族的に数が増えてくれれば、相手を選ぶ気にもなるんだろうけどね」


「今だと選択肢がない。ソルガスも本当に少ない。運よく出会えれば良いな程度の話だ。その点、テッケルンには、何故か多種族の奴隷が集まってきているようだがな」


「何でこんな所に集まるんだろうな? というか、少数種族の奴隷が多すぎるんだよ。何で奴隷になるんだ? そこまで生活に困窮しているって事なのか?」


「そこまでは解らん。我の場合は、3人目の子供ではあったらしい。が、資金が尽きて売られてしまった。我が30くらいの時だ。そこからは売れずに奴隷商を転々としていた。そもそも種族的には珍しいが、ソルガスは普通の種族と違って、輪郭が解りにくい。それを不気味と思うようで、買い手が付かなかったらしいが」


「私は普通に詐欺で借金をって感じだね。私が引っかかったとかじゃなくて、詐欺のグループが居て、そこからの資金をこっちに勝手に流れたことにされたんだ。それであれよあれよという間に奴隷にさせられていたよ。50くらいの話だったとは思うが、何がなんだか解らない内に奴隷にされていたからね。知らない所で話が纏まっていたのさ」


 なるほどなあ。色々と事情があるのは解っているけど、本当に色々だよな。いい話を聞いた試しがない。子供を作ったはいいが、資金が尽きて売られるってのも、厳しいよな。30くらいだったって事は、働いていたんだろうし。それでも親のお金の事情の件で奴隷になったんだろうな。親も、奴隷にしたくて産んで育てた訳でもないだろうに。苦渋の決断って感じなのかね。詳しくは知らないけど。ジョーンズは、望んで奴隷になった感じだな。……ダリアは、何というか、運が無かったというか、詐欺グループなんて居るんだなって感じではあるけど。その手の詐欺を専門にしているんだろうし、奴隷商とも繋がりがあったんだろうな。半分は裏の人間なんだろうけど。

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