表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反転の錬金術師  作者: ルケア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/130

盗賊団の裏側

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 ウオオオオオオォォォォォォン


 夏真っ盛りの夕方。まだ暑いってのにって時間帯だ。まあ、夜も暑いんだけどな。家にはエアコンがあるから問題ないが、外はまだまだ暑い。暑いのに、お客さんが来たみたいだ。ボールデンウルフが遠吠えをしたと言う事は、盗賊団か、それに類する何かが来た時である。商人くらいの小規模な連中に対しては吠えない。乗合馬車で50人くらい来ても吠えない。100人以上の何かが来た時に吠えるように指示してある。勿論だが、直ぐには戦闘には入らない。ただし、夜は別だ。夜の場合は、集合と共に取り囲み、包囲殲滅をする様に指示してある。だって、夜に来る人は居ないから。商人でさえも、夜には絶対にやってこない。夜に行動するのは、盗賊だけだ。まあ、数が少なければ、生け捕りにするんだが。……夜中にやってきた時点で、怪しいって思われても仕方がないからな。基本的に夜に行動するのは、盗賊か魔物くらいだ。それか、余りにも緊急事態だった場合のみである。緊急事態だった場合でも、朝までは放置させられるんだが。まあ、そこは仕方がない。


 で、夕方。日が沈む前までにやってきた場合は、包囲するが、殲滅はしない。包囲するだけだ。まあ、襲い掛かってきたら、組み伏せるくらいはするんだが。緊急事態だった場合もあり得るからな。基本的にはそんな事にはならないはずなんだけど。


「呼ばれたから行ってくるな。多分だけど、盗賊だと思うから処理してくる。援軍は必要ないとは思うけど、冒険者が帰ってきたら、盗賊が来た事は伝えておいてくれ」


「解りました」


「解った。行ってらっしゃーい」


 念のために、ツンドラフェンリルも3体召喚して突っ込む。走る速さはツンドラフェンリルにだって負けない。それくらいの身体能力強化魔法を使えるんだから。まあ、負けていたら、苦戦は必至だっただろうな。勝てているから楽勝だっただけで。でも、普通の人なら、ツンドラフェンリル相手でもかなりの苦戦はするだろうな。


 現場に到着したら、包囲が完全に終わっていて、既に戦闘状態に陥っていた。ただまあ、見た目的に盗賊だろうなって感じだな。商人ではない。冒険者って感じでもない。冒険者はもう少し見た目にも気を遣うからな。流石にあそこまで酷い状態にはならないはずである。


「お前たちも参戦しろ。殺すのは後だ。まずは捕まえろ。部下はこいつらを連れていけ」


「ウォン」


 レッサーフェンリルとフェンリルを全部召喚して、ツンドラフェンリルにお任せする。そして、拘束されいた1人に話を聞きに行く。……勿論だが、自白剤をねじ込んでから話をするんだけどな。錬金術で作った自白剤は強力だぞ。言いたくない事も平気で言うようになるからな。しかも、意識は飛ぶから、話したかどうかも覚えていないはずだ。


「さて、お前たちは盗賊か?」


「そうだ。レイヤミール盗賊団だ」


「何のためにこの村にやってきた?」


「拠点を確保するためだ。リーダーがここが一番攻められにくいって話をしていた。だからここに来た。でも、こんなに反撃されるなんて思ってもいなかった」


「全員で何人いる?」


「……何人いるんだ? 解らん。数えた事もない。ただ、100人は軽く超えていたとは思う。200人は、どうなんだろう。居るんじゃないか? まあ、気にしても仕方がないだろう? 商人を襲ったら死ぬこともあるんだし。自分が生きていたらそれで良いじゃねえか」


「最近の盗賊団の様子はどうなんだ?」


「最近は空気が悪かった。下っ端共が兵士に見つかったからな。それで拠点の場所がバレた。そこから逃げるって判断をしたのは良かったんだが、拠点が無いとゆっくり休むことも出来ねえ。ここんところは逃げてばっかりだったからな。基本的に、街道は歩けないだろ? だからゆっくりしか進まねえし、どっちに行けば良いのかなんて解らねえ。食料も底を尽きたし、次はどんな商人だろうと襲わないといけねえって話をしていたところで、村を落として拠点にするってリーダーが言ったんだ。村はもうすぐ収穫の時期だろ? 麦が実るのは秋だからな。だから、拠点を確保しつつ、食べ物も手に入れるって事で、村を落とそうってなったんだよ。で、一番守りやすそうな村を襲って、守りを固めれば、兵士にも対抗できるって事で、この村が選ばれたんだが、ここまでの防衛戦力が整っているなんて知らなかったからな。他の村もこんな感じで戦力が整っているのか?」


「そうだぞ。兵士が200人くらいは駐屯している。何処を攻めてもお終いだったんだよ」


「なんだよ。そう言う事になってたのか。普通は戦力なんて居ないから、村を落とすのなんて楽勝だって言っていたんだよ。特に今くらいの時間なら、冒険者も帰ってきてないし、帰ってきたとしても5人くらいだろ? それなら囲んで殺せば問題ないしな。まあ、面倒ではあるが、作戦としては良いんじゃねえかとは思っていたんだ。こっちに来てから、商人の護衛もつええし、思ったよりも儲からないからな。引き時なんじゃないかとは言っていたんだ。けど、こんなに多くなったから、移動するにも難しくてさ」


「なるほどな。誰かの指示を受けて、ここまで大きくなったって事は無いのか?」


「指示? 無いと思うがな。俺たちも始めは、クレメンティア子爵の土地で、商人が活発に動き出したって聞いて、稼げるんじゃないかって思ってこっちに来たんだがな? そしたら商人の護衛が強すぎるんだよ。俺たちだけじゃあ勝てねえって事になって、この盗賊団があることを知ったんだ。強いなら、数で押せば良いからな。だけど、獣人は半端じゃなくつええし、人間も普通につええ。思った以上に稼げなくてよ。それでも何とか襲撃は成功させてきたんだけどな。何回か商人を取り逃がして、兵士が動き始めたから、逃げる算段をしていたんだが、そんな時に下っ端連中が見つかってな。だから逃げるって言う事で決まったんだが、この領地を出る方向では考えてなかったな。それが誰かの指示なのかは、リーダーに聞いてみないと解らねえな。俺もそこそこの地位を貰っていたけど、まあ、そこそこだしな。でも、リーダーが誰かの指示を受けていたって事は聞いた事がないな」


「そうか。リーダーの特徴を教えてくれ」


「リーダーの特徴か。体はデカかったぞ。人間にしても大きい方だ。2mくらいはあったかな。それと、髪の毛が生えてねえ。禿げって言ったら、殺された奴も居たっけな。結構気にしているみたいだったぞ。まあ、強いからリーダーをしているってだけで、何かあったら誰かと変わっていたとは思うけどな。ああ、後は大剣を使っていた。そのくらいか?」


「なるほどな。……食べていいぞ」


「ウォン」


 食われたか。まあリーダーにも色々と聞かないといけないだろうな。盗賊団であることは確定したが、何処からか雇われている可能性も無きにしも非ずだからな。雇われて混乱させに来たって可能性も十分にあるのと、シレバクリームを盗ませて、自分の物にしたいって人が居るかもしれないし。背後関係は洗っておかないとな。その為に生け捕りにしているんだし。殺したら情報が入ってこないじゃないか。まあ、リーダーが知らないって言えば、知らないんだろうけど。……幹部クラスが操っていたって可能性も無い事は無いんだけど、それをするなら、この村を攻めるって事はしないだろうからな。誘導して別の場所を狙わせた可能性が高い。ある程度頭が良い奴を紛れ込ませているだろうからな。こっちとしてはどうでもいいと言えばそうなんだけど。


 そんな訳で、リーダーを見つけたから、引きずって連れてきた。既に自白剤は飲ませた後だ。暴れられても面倒だからな。錬金術で作った自白剤は本当に優秀だ。何でも話してくれるからな。


「さて、盗賊団のリーダーだな?」


「そうだ。俺がリーダーのレイヤミールだ。それがどうした?」


「いや、ただの確認だ。この状況をどう思う?」


「不味ったって感じだな。村に防衛力なんてあると思わねえだろ? 普通に村人を殺して終わりだと思っていたんだがな。冒険者も居るだろうが、数で攻めりゃ問題ねえし、まさかテイマーが居るとは思わねえじゃねえか。戦ってみれば、思ったよりもつええし、なんなんだこの場所は。もう少し楽に落とせると思っていたぜ。あーあー、これじゃあ別の村を狙った方が良かったか。もうちょい楽に稼げると思っていたんだがな」


「お前に指示を出していた奴は居るか?」


「指示? 何で俺が指示されねえといけねえんだ。俺は昔も今も、自分で判断して盗賊をやってるんだ。まあ、こっちに美味しい話があるって聞きはしたが、実際どうなのかは行ってみねえと解らねえからな。詳しく調べても、よく解らなかったし、でも、商人の護衛はやたらと強かったからな。何かあるんじゃないかとは思っていたんだが、捕まったんじゃあどうしようもねえわな」


「こっちに美味しい話がある? それは何処で聞いたんだ?」


「コートリブート伯爵領の、裏ギルドの連中だな。なんかもの凄え景気が良くなってるって話を聞いてな。景気が良いって事は、稼ぎも良いって事だろ? 商人の動きも活発になって来たって噂も聞いていたからな。それじゃあ稼がせてもらうかってんで、こっちに来たんだよ。連中も1枚噛みたそうにしていたんだが、無視してやったぜ。こっちに来てたら組んでた可能性もあるんだがよ。だが、テッケルンで探っていたら、こっちは裏ギルドが壊滅してるのな。何でも獣人が貴族になってから、直ぐに潰されたって残党の奴らが言ってたぜ。今じゃあなんも出来ねえって嘆いていたが、俺からしたら知った事じゃねえしな。まあ、裏ギルドが無いから、盗賊稼業もやりたい放題出来る。上がりなんかを持っていかれなくて済むからな。その代わり、手に入れたものを売る時は、クレメンティア子爵領を出ねえといけねえってんで、面倒な事もあったんだがな。知ってるか? 裏ギルドがあると、色んなものが裏で流通するんだぜ? 薬なんかも手に入るんだがな。こっちにはそれがねえから、退屈で仕方が無かったけどな。思ったよりも稼げねえし、どうすっかなあって考えていたところではあったんだよ。もうちょっと稼いだら、隣の領地に行こうかねって思っていたんだが、ここで捕まっちゃあ話にならねえわな」


「裏ギルドは、テッケルンでは壊滅していたのか?」


「ああ、見事に潰れてたぜ。それらしき所を見てみたが、建物からなくなってた。んで、その辺の乞食を捕まえて、色々と聞き出したんだが、獣人の貴族が派手にやったらしい。普通の貴族は裏ギルドと繋がっているからな。手に入れたいものなんかがある時は、色々と依頼をしてるんだぜ? 特に薬関係だな。それ専門の錬金術師も居るんだ。まあ、国の学校じゃあ教えてくれねえから、もぐりでやっている連中の薬だがな。色々とあるが、貴族様は催眠剤なんかがお好みだぜ? 結構な額で取引されているんだが、まあもの凄い効き目でな。こっちじゃあ手に入れるのに、白金貨3000枚くらいは必要だろうな。何せ隣の領地まで行かねえとねえからな。足元を見られるのよ。まあ、商人の所には、金があるからな。そのくらいは儲けられるんじゃねえかと踏んでいたんだが、あんまりだったな。金払いの良い商人には、腕利きの護衛が付いていやがる。もうちょっと弱いと踏んでたんだがな。こっちの冒険者や護衛は思ったよりもつええ」


「コートリブート伯爵は、裏ギルドと繋がりがあったのか?」


「あるに決まってんだろ? 寧ろ繋がりが無い貴族の方が珍しいぜ? 人攫いもそうだし、暗殺もそうだ。基本的には裏ギルドの仕事だからな。まあ、最近は暗殺は聞かなくなったが。20年くらい前は結構な数の暗殺依頼があったぜ? 俺もそこそこ長く生きてるからな。そういう依頼も聞いた事がある位だ。金払いは良いし、割のいい依頼ではあるわな。まあ、ある程度熟練した暗殺者が必要だからな。こっちに依頼が回ってくる事なんてまずねえが。商人を殺せって依頼はまあ、こっちでも対応できるが、貴族を殺せってなると、中々難しい。外に出てくれりゃあ何とかなるが、籠られるとどうしようも出来ねえからな。流石に貴族様の屋敷に攻め入るには戦力が足りねえ。頭数もそうだが、それなりの実力者が居ないと話にならねえからな。商人を殺すことくらいは簡単に出来るが、難しい依頼もあるんだよ。それに、裏ギルドも1つじゃねえしな。大体1つの町に4つくらいはあるのよ。敵対している所もあれば、協力している所もある」


「裏ギルドは1つじゃないのか?」


「違うな。大体の連中は複数に所属してる。だから上がりが持っていかれるのも大きいんだけどな。入っていた方が得だから、皆入ってるのよ。新人の盗賊なんかは、割のいい仕事を回してくれたりするからな。顔が割れてねえから、商人との取引に使ったり、色々と使い道があるんだよ。まあ、盗賊稼業は長居出来ねえからな。そこそこ稼いだら、暫くは離れねえといけねえ。盗賊だって馬鹿じゃ出来ねえからな。馬鹿でもやっているが、そこそこ賢くねえと生き残れねえのよ。俺みたいに何十年も盗賊をやるには、それなりの賢さと、運が必要になるんだ。大体は稼ぎ過ぎて、裏ギルドに売られるんだよ。そこそこで濁しておけば言われねえんだが、やり過ぎると入ってない裏ギルドから刺されるんだぜ? 貯め込んでるから処理した方が良いぜってな。それで貴族の兵士が出てくるんだ。貴族様も金が欲しいからよ。税だけじゃあ遊ぶ金が無いらしいぜ?」


「そうか。もう一度聞くが、誰かに指示された事は無いんだな?」


「無いな。指示されても聞くもんか。誰がそんな事を聞いてやる必要があるって言うんだ。俺の方が正しいんだからよ」


「そうか。……使われた線は消えたか? いや、自発的に動くように情報を流した奴が居るのか。コートリブート伯爵は、要チェックだな。処分しておいてくれ。他のも処分して良いぞ」


「ウォン」


 コートリブート伯爵家が若干怪しいってくらいか? 決め手は特に無い。怪しいかもしれないで動けるようなものでもないからな。難しい所だ。確実にこうだって言う情報がない。動かされた様な感じも受けるが、自分で勝手に動いたって線も捨てきれない。……まあ、貴族はそう言う事をするって事だな。裏ギルドを普通に使っているって話だし。テッケルンでも、獣人は裏ギルドに所属していたらしいからな。その辺の事は熟知しているとは言っていたか。今回の盗賊に関しても、ある程度の動きは予想できているものなのか、そうでもないのか。こっちでも様子を見ないといけないだろう。


 確実に何かしらが動いているって訳でもなさそうなのが、何とも言えないな。もう少し情報が手に入るのかと思ったんだが。特段依頼されてきている訳ではないと。でも、必ずしも貴族が嚙んでいない訳でもないと。微妙だと言う事が解ったくらいか。どう動くのかは、クレメンティア子爵家が判断するだろう。俺は手紙で聞き出したことを伝えるだけだ。オーロンドに渡しておけば、伝わるだろうからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ