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反転の錬金術師  作者: ルケア


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冬の終わりに

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 翌日、準備は出来ていたので、早速東の森へ。冒険者も多くいるが、それよりも早く出てきたからな。見られていないとは思う。まあ、見られても別に構わないんだけどな。何がある訳でもないし。とにかく今は山地まで駆け抜けることだ。沼地を駆け抜け、沼地を越えてからも山地を駆け上る。身体能力強化魔法をフルに使って、雪山を駆け上る。走るというよりは、跳ねると言った方が正しいかもしれない。雪が積もって走るには適さないからな。まあ、サラマンドラの装備をしているんだから、ある程度は雪の中でも動けるとは思うんだけど、時短するにはこうした方が良い。


「ソウルカードからフェンリルたちを呼ぶのは良いとして、……思った以上に魔物が少ない。活性化しているんだから、もっと居るんじゃないかと思っていたんだけどな。もしかして、ツンドラフェンリルに率いられる形で山頂の方に居るのかもしれない。出来るだけ山頂の方まで行ってみないといけないな」


 水属性の魔力が活性化している割には、魔物が少ない。倒しては来ているんだが、それでも数が少なく感じる。ボールデンウルフ当たりから、あまり見かけないんだ。山頂の方に集まっている可能性がある。魔物は共食いをするからな。群れ同士で争っているのかもしれない。そんな中に飛び込んでいけば、ヘイトはこっちに向けられる。でも、こっちも群れだから。それくらいにはソウルカードを持っている。今回の事が無ければ、活躍する機会も中々なかったとは思うけどな。そんなにソウルカードを使うタイミングが無いんだよ。死属性の領域でも使えたら良かったんだろうが、死属性の領域の臭いが駄目だからな。使い物にならない可能性が高い。……それでも使い続ければ何とかなるとは思うんだけど、そんな事で信頼関係が崩れても嫌だしな。


 そんな感じで、山頂の方に駆け上っていくと、大きな群れを発見した。ボールデンウルフやレッサーフェンリル、フェンリルも集まっているが、ひときわ大きな魔物がいる。あれがツンドラフェンリルか。強そうではある。が、倒せない敵ではないと解っているからな。相手に不足はない。ただ、一撃で葬るのみだ。そのくらいは出来る筈だ。


「その首置いていけ! 突撃だ!」


 群れ対群れが起きる。そこら中で戦闘が起きる。……どっちが味方なのかが解りにくい。なんとなく繋がっている感じがするのがソウルカードから出した魔物たちだ。まあ、まずは大物から狩りにいかないといけないんだけどな。


 フェンリルの3倍と聞いていたが、大きさだけならそうかもしれないけど、全体的に大きい。高さも3倍。体の長さも3倍。総合的に見たら、10倍くらいは大きい。それでも勝てるという確信があるから、大きく前に踏み込める。身体能力強化魔法をリミットブレイクまで到達させる。体が一気に軽くなる。そして、空を駆ける。高速で動くツンドラフェンリルをあしらうかのように、首の上に降りて、回転しながら首を削いでいく。1回では無理だ。刀身がそこまでない。何度も何度も切りつける必要がある。巨体を相手にするなら、このくらいの事は出来なければならない。首を落とすのは、致命傷になるからだ。首の骨が繋がっていると、魔物はまだ死なない可能性があるからな。確実に倒すには、首を落とすしかない。


 3回、4回と切り付け、6回目で首を確実に落とした。ズシンという音が聞こえる。これで次の敵に移れる。ツンドラフェンリルが1体とは言っていない。この群れには5体のツンドラフェンリルがいる。それらを全て倒さなければならない。こっちに来ない様に気を引いてくれているフェンリルたちの援護をしなければならないんだ。倒す速度がグンと上がる。1度倒せたという自信から、更に踏み込む力を与えてくれる。前へ前へ前へ。前へと進め。踏み込みは致命的な一撃を与えられる所まで。引いては駄目だ。更に前へと踏み込むんだ。


 そして、残ったのは死体の山。……こちらの戦力も削れたが、その分は働いてくれた。……それに、新たなソウルカードも落ちたしな。これで群れの補強をしていけば、何とか戦えるだろう。素材も暫くは困らないくらいには狩っていかないといけない。師匠のお土産も必要だからな。まあ、解体はお任せするんだけどな。フェンリルと同じくらいの感覚でいいはず。ちょっと大きいけど。大きい分は雑でも問題ないはずだ。お土産を大量に持っていこう。持って来たマジックバッグを5つ分くらいは満タンにしていきたいな。それくらいは狩れるだろうか。


 狩人となり、毎日のように冬場は来ないといけないな。ソウルカードもそれなりに手に入れたいし。……流石に毎日は来れないけど。なんだかんだとすることがあるからな。5日に1回でも来れれば良い方だ。どんどんと戦力を補充していかないとな。何かがあってからでは遅いんだ。集められる時に集めた方が良い。……ただ、ソウルカードは幾つか取り残しはあるとは思う。雪の上で、流石にカードを探すのは厳し過ぎる。絶対に幾つか忘れたものがあるとは思うぞ。それなりに時間が経つと、ソウルカードは消えるらしいし。誰にも見つからずに居ると、消えてしまうらしい。何故なのかは、全くわからない。ソウルカードについては、未だ謎な部分も多いらしいからな。


 そんなこんなで、冬の間は出来るだけ雪山に行っていた。ソウルカードも、これ以上は要らないってくらいには集まった。相性がいいと、どんどんと落ちるんだよな。こんなに落ちるんだってくらいには落ちた。合計で何枚だ? 400枚くらいは持っていると思う。そんなに必要なのかって言われても、必要ないとは言いにくい。スタンピードがあった時、無いと困ることはあるとは思うしな。何か起きた時の為にも、ソウルカードは貯め込んでおきたい所。あればあるだけ戦力になるんだから、かなりいいとは思うんだよな。まあ、スタンピードはもう起きないでほしいが。被害無く終われば良い方である。普通は多少の被害が出るものだ。前回は案外簡単だったから良かったものの、魔物が魔物であれば、苦戦は必至だろう。


「なるほどなあ。冬の間は狩りに出かけていたのか。道理でいない日もあったはずだ」


「まあな。折角水属性の魔力が活性化しているんだから、その間にしか狩れない魔物を狩っていたんだ。素材は大量に入手したから、それで暫くは困らないはずだ。まあ、それを使う様な事って滅多にないとは思うけどな。余程の事が無い限り、それの素材を使う事は無いだろうし」


「それに頼ったものなんて、次に何年後に作れるようになるのかが解らねえもんな。頼らないので正解だろう」


「それよりもだ。新兵の訓練はどうなんだ? こっちもホーリーアイアンを作り込んでいるが、そろそろサラマンドラに挑戦できるくらいには仕上がってきているんじゃないかと思っているんだが。素材も今なら沢山あるし、防具も作り放題出来るとは思うが。……今思うと、乱獲しに行かなければ、素材が足りなかった可能性も十分にあるんだよな。東の森に行く獣人の冒険者も少なくなってきたし。なんだかんだと行ってくれる人も居るんだけど、ボールデンウルフで止まるからな。山地までは行こうとはしないだろう? まあ、距離がある程度あるから、難しいってのも解らないでもないし、環境が違い過ぎるから、慣れるのが大変だとは思うけど」


「新兵の訓練は上々だな。そろそろ武器を作りに行くことが決まった部隊が出てくるはずだ。今はアッシュサーバルを狩りの対象にしている。十分に強くなってきてるぜ。サラマンドラも、装備さえ整えば、何とかなるとは思う。まあ、そこで満足してもらっては駄目なんだけどな。拠点を作りに行ってもらわないといけないんだから。森の中に拠点を作るんだから、結構難しいとは思うんだよ。時間がかかるとは思うぞ。まあ、それでも人数が居るからな。それなりの拠点は出来上がるはずだ。俺たち冒険者も使わせてもらうんだから、大きく作って貰わねえとな」


「新兵の訓練が上々なのは良い事だな。装備を整えれば、サラマンドラには勝てるというのも良い情報だ。それくらいはやって貰わないと困る。獣人の兵士には頑張って貰わないといけないからな。……まあ、胴長と長手袋が追加であんなにも売れるとはって感じだったが。やっぱり無いと苦戦はするだろうし、仕方がないとは思うけどな。途中から色んなところから補給部隊がやってきたのには驚いた。テッケルンでも揃えたんだろうが、エレミーさんの所には、ここからの素材の供給はそこまでだし、他の所から集まってくるとは言っても、向こうも1人しか居ないからな。かなりの数が必要になるんだから、こっちにも買いに来てもおかしくはないんだけど」


「その辺は仕方がねえ。どんどんと兵士候補も増やしていかねえといけねえからな。まだ待機組が居るくらいには、兵士の訓練はこれからなんだ。1年でものになるのかどうかは知らねえが、そのくらいは訓練しねえとな。俺たちも遊んでいる訳じゃない。強くなるために必死で訓練しているんだ。教えることは教えるし、成長できるかどうかはそいつ次第だけどな」


 まあ、それはそうだろうな。成長できるかどうかは、本人が何処までやる気があるのかで変わってくる。気がない奴は強くならない。どんどんと強くなってもらわないと困るんだけど、短期間で劇的に強くなる人って殆どいないからな。才能があった場合は、その限りでは無いんだけど、才能があったら、冒険者になっているはずだ。奴隷になっている時点で、才能が無かったと言う事である。奴隷でも値段が跳ね上がるだろうし、直ぐに売れるだろうからな。


 兵士たちが強くなることは良い事である。まだ聞いては居ないが、盗賊が出てくる可能性もある。今までだったらあり得ないだろって事で一蹴されていたとは思うが、今は稼げる場所になりつつある。商人も護衛を雇って商売をしているんだ。盗賊を警戒するのは当たり前の事なんだ。……本来であれば、兵士が巡回して、盗賊を殺して回るんだけど、その為の兵士を育てている段階だからな。まだまだ盗賊の危険性はある。領地的には、巡回する兵士を増やしたい所なんだろうけどな。まだまだそんな訳にはいかない。兵士の質が全然足りていないからな。


「後はまあ、どれくらい許容できる範囲が広いかどうかだな。対魔物は訓練できているが、対人戦は全然だとは思う。まだまだこれからなんだろうが、盗賊相手には、足元を掬われかねないって感じだな。魔物相手なら、何とでもなるんだろうが、作戦を考えられて、キルゾーンに誘い込まれれば、危うい。そういう対人戦の訓練は、またテッケルンに戻ってからするんだろうが。ちょっと魔物でも危うい場面があるからな。誘い込まれるように動かれると、釣られてしまう。改善点は多くあるとは思うぞ。まだまだその辺は戦いながら覚えないといけねえ」


「誘い込みに弱いのは勘弁してほしいな。死属性の領域だと、エビルレディがそういう作戦を取ってくる事が多い。それに対応するにも、ある程度は作戦というか、ここまでならやっても大丈夫ってラインを考えてやらないといけないとは思うんだが」


「まあ、解らないでもないんだがよ。今はまだ無理だ。自分たちが強くなってるって実感が凄まじいからな。俺たちも経験したところではあるが、その頃にスタンピードが起きただろ? そんな事があったから、鼻が伸びる隙も無かった。けど、こいつらはそこまで苦労をしてねえ。鼻っ柱を折るには、何かしらがあった方が良いとは思うんだがなあ」


「スタンピードは御免だぞ。何があるのか解らないからな。最前線で兵士が戦うのは良いとしても、ある程度の連携というか、釣りだしなんかの対策をしないといけないだろうに。火属性の領域は、そう言った事をしてくる奴が居ないからいいが、死属性の領域はそう言う事をしてくる。警戒しても良いとは思うんだがな。まあ、今は自信に満ち溢れているだろうから、難しい所だとは思うが。鼻っ柱を折るようなイベントが起きれば良いんだが……」


 そんなイベントが起きると言う事は、この村が危機に直面すると言う事でもあるからな。出来れば避けて欲しい所である。けど、兵士が驕るのも余りよろしくない。兵士は謙虚であるべきだ。ある程度は仕方がないにしても、謙虚であるべきなんだよな。色んな事に対応していかないといけないんだから。特に盗賊なんかの人相手には、注意が必要だ。意思ある相手と戦う時に、連携を疎かにしては戦えない。……いや、いっその事、東の森を抜けて、フェンリルとやり合ってもらった方が良いのかもしれない。そっちだと、連携の必要性を解らされるからな。狼系は群れを作り、連携してくる。単純な力押しでは難しい局面も存在する。サラマンドラを倒せたなら、そっち方面に行くのもいいかもしれない。……もしかしたら、他の村で訓練している兵士たちは、その事を学んでいるかもしれないな。連携は大事だ。個の力で出来ることは限られるからな。


 まあ、Sランク冒険者のような、圧倒的な個の力があれば良いんだが、兵士にそれは期待できない。ある程度の強さで、連携しつつ大物を狩るって感じになるとは思うんだよ。だから、フェンリル戦で、連携とは何かをしっかりと学んだ方が良いのかもしれない。先走るような奴は兵士には要らない。兵士とは群れの生き物だからな。軍隊で動くものだ。単独で強くてもあまり意味がない。


「サラマンドラを倒せたなら、まずは拠点を作ることもそうだけど、他の兵士と入れ替わった方がいいかもしれないな。特に東の森で狩りをしている村があるんだから、そっちと入れ替わった方が良いとは思う。狼系統の魔物は、連携を取ってくる。1体1体はそこまで強くなくても、連携を取られると非情に面倒だ。それを覚えて貰った方が良いのかもしれないな」


「あー。なるほどな。それも1つの手なのかもしれねえ。まあ、痛い目を見ないと覚えねえだろうからな。俺たちもそうだったから気持ちは解るんだがよ。身体能力強化魔法を使える様になると、人よりも強くなったような錯覚を受けるからな。いや、強くなったことには変わりがないんだが、自信と慢心を履き違える様な事があったら堪らねえからな」


「驕り高ぶるのは余りよろしい事ではない。実力を見極めて、何処までやれるのかをしっかりと把握した方が良いだろう。……予定よりも遅れるかもしれないが、東の森に行ってみるのはどうだ? 連携をある程度整えておくことも必要だぞ。今なら冬も終わるし、丁度いいとは思うんだが」


 水属性の魔力が活性化している時期は終わった。今ならいい感じに、レッサーフェンリルに率いられたボールデンウルフと対峙できるはずだ。そこで連携の何たるかを学んだ方が良いとは思う。魔物に教えられるのかって思う事もあるだろうが、そう言う事もあるって事だ。魔物の方が優れているのであれば、魔物から教えてもらえばいい。出来れば、伸びた鼻をしっかりと折ってもらえることを期待している。

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