兵士の訓練
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秋も終わりが近づいている。3年目と言う事になる訳だが、まだ実感が湧かない。丸2年もこっちで過ごしていてたんだけど、なんだかんだと濃密な2年間だったなとは思う訳で。秋のちょっと入ったくらいでこっちにやってきたんだよな。師匠から言われて。まさか自分の私利私欲のために、弟子をこんな場所に送り込むなんて思ってもいなかったけどな。
その師匠からの連絡は特に無い。どういった素材を送れとは言われているが、それ以外の事は言われていない。指定された素材を送るのにも慣れたものだ。……結果はまだまだ出ないんだろう。流石の師匠でも、年単位で研究が必要だろうからな。そんな今日明日で出来る様な研究ではないのは確かだ。新しい属性の話だからな。反転させるにしても、少しでも属性魔力が入っていると無意味になるんだから、本当に面倒なんだよ。属性魔力に頼らない植物や茸を使わないといけないんだ。……野菜なんかも当たるんだけど、野菜を大量に送り込むわけにもいかないだろうからな。色々と素材を採取して送り込んでいる。まあ、大抵は農家から雑草を買い取っているのがメインなんだけど。農家にお願いをして、素材も集めて貰っているんだが、それ以上に雑草も貰っている。それを反転させて、師匠の下に送り込んでいるんだ。自分で採取するだけでは限界があるからな。人の手は使わないといけない。雑草もかなり伸びるからな。肥料が良いせいで、雑草の生えてくる速度も半端じゃないんだよ。それを農家の人たちは、処分する事になるんだから、面倒な仕事だよな。それで儲かれば良いんだろうけど、儲からないんだからどうしようもない。こっちが雑草をある程度の値段で購入しているが、それでも儲かっているとは言いにくいからな。野菜を送るのは気が引けるからな。幾つかは送ってみたけど。初めてみる作物になったから、食べられるのかどうかも解らない。反転の魔法って不思議だよな。そういう意味では。鑑定が出来れば良かったのかもしれないが、鑑定もユニークスキルであるが、かなり珍しい。反転と同レベルのレア度だとは思うぞ。
「お前が来てから、2年があっという間だったような気がするぜ。俺たちも強くなったし、金も稼げるようになったからな。色々と出来ることが増えてきている。……それなのに、仕事は増えていくんだよな。出来ることが増えて、処理できることも増えたってのにな。何で仕事が増えるんだよ」
「出来ることが増えれば、仕事は増える。当然だ。今まで出来なかった仕事も任せられるようになるんだからな。そんな事を言う暇があったら、働けと言う事なんだろう。まあ、仕事がある内はいいぞ。仕事がなくなったら、そんな事も言ってられないからな。何というか、もっと時間を有効に使えば良いとは思うぞ。俺が言うのもなんだが。それとも、そんなに仕事が増えているのか? 冒険者の仕事以外にやることがあるのか?」
「それがあるんだよ。冒険者の仕事じゃねえって仕事がな。新兵の訓練を任されちまったからな。今、クレメンティア子爵家では、獣人の奴隷を買い漁っているんだ。戦闘が出来るって言っている奴隷を、だな。それを戦力にして、このレイトーン村に送り込んでくる。勿論、目指すのは亡者の鉱山都市ベルンケラーだ。そこにいくまでの駐屯地を作ろうとしているんだが、それまでに、兵士の訓練が必要なんだよな。身体能力強化魔法を使える奴らばかりを集めて訓練をするんだ。この場所でな。勿論だが、野営の訓練も兼ねているから、森の浅い所で寝泊まりするっていう事になっている。それで、サンルーグには言っていたが、胴長と長手袋をかなりの数用意してくれって言ってあっただろ?」
「そうだな。近々こっちに兵士が来るから、用意はしておいてくれって言われていたからな。ざっと800はあるはずだ。そんなに使うのかどうかは解らないけどな。どのくらい必要なんだ?」
「まずは、この冬に500が来る。ある程度の地位の奴らも来るからな。現場指揮官って奴だな。だが、そいつらだけじゃあ足りねえって事で、俺たちにも声がかかってるのよ。まあ、俺たちは宿に泊まるけどな。兵士とは違って、その辺は有難いが、村の人口以上の兵士がこの村に駐屯する事になる。まあ、問題が起きない訳がないよな。それで、何とかならないかって言われているんだが、なる様にしかならんだろう? そもそもいきなり500も送り込んでくるんじゃねえって話ではあるんだが、これでも減らした方だと言う事だ。他の村にも行くらしいからな。全部で兵士が2000になるって話を聞いている。これを機に、一気に増やす計画で動いているらしいからな。最終的には5000になるんだそうだ。テッケルンでそんな兵士の量を抱え込めるのかが心配になるくらいだな。人口が多い方ではないって聞くし、色々と足りないものも多いんじゃないかって話をしている。ああ、胴長と長手袋に関しては、後1000は作っておいてくれ。それを目当てに買いに来るらしいからな。東の森があるだろう? あそこに隣接している村にも行くって話だからな。まあ、色んな場所で訓練を行うらしい。こっちの身にもなって欲しい所ではあるんだけど、とりあえず、この冬はそういう予定らしいからな。だから、積極的にジャックフロストを狩らせるつもりだ。マジックバッグもそれだけ用意してくれると助かる」
「それはこっちは大丈夫だが、そっちの方が問題になるんじゃないのか? その人数を訓練するとなると、冒険者と完全にぶつかるとは思うんだが?」
「まあ、そうなるよな。その辺は懸念している所ではあるんだが、兵士の訓練をしない訳にもいかなくてよ。何というか、ベルンケラーまで行けたのが問題らしい。素材がある程度流れただろう? それで欲を掻いた奴らが居るって事だ。詳しい話はよく解らないが、ベルンケラーの開発に1口噛ませろと言ってきた貴族家もあるらしい。それは勿論だがお断りしたんだそうだが、開発が遅れると、その圧がどんどんと高まってくる。だから急務なんだろう。急いで死属性の領域に挑めるだけの戦力は欲しいって感じだな。サラマンドラは放置で良いって話だが、そもそもそれは冒険者が狩るんだから、問題ないって感じだ。供給はしっかりとされているし、金も回っている。問題はないんだ。だけど、どうにも軍の上からも圧力がきているらしくてな。ホムンクルスを作るには必須の素材があるんだろ? それの入手を急がせるとか何とか言ってたぜ? まあ、そんな事よりも、エビルレディの対策をどうにかしないといけない訳なんだが、眼水晶のネックレスってどのくらいあるんだ?」
「眼水晶のネックレスは200も無いぞ。それに関しては、狩ってきてもらわないといけないな。まあ、そもそもまだベルンケラーまでいけないから、そこまで重要度は高くない。まずはサラマンドラを倒せるようにならないと、安全な道が確保できない。森の中に道を作るんだから、当然の話ではあるとは思うんだが、駐屯地の作成もしなければならないとなってくると、色々と必要なものが多いぞ? 何時迄にやるのかまでは知らないが、軍からも言われているって事は、ある程度の急ぎの案件ではあるんだろうし、何とかしなければならないだろうな」
亡者の鉱山都市ベルンケラーの素材は、幾つか出回っている。俺がある程度は売り払ったからな。そうでもしないと宣伝にならないからだ。クレメンティア子爵家がベルンケラーまで行くことが出来るって宣伝に使えるんだから、使わない手はないと思って流しておいた。まあ、死者の魂魄については、師匠から流してもらったんだけど、出元ははっきりとしていると言う事でもある。師匠と繋がりがある錬金術師で、該当するのはここだろうからな。俺の存在も、ある程度は認知されている様ではあるんだよ。師匠から聞いた話ではあるんだけど、師匠の弟子って立ち位置の錬金術師には、ある程度の監視というか、そういう目があるらしい。詳しい事は教えてくれなかったが、要は俺は監視対象であると言う事なんだよ。面倒ではあるんだけどさ。
まあ、あの師匠から、どんな弟子が出てきたのかってのは、見ておく必要があるって事ではあるんだろう。俺は師匠のようにはやらかしていないんだけどな。特に問題は起こしていないし、何も監視される様な事はしていないんだが。……ちょっとくらい、獣人を煽って、貴族家を1つ潰したくらいである。師匠の影響力から比べれば、まだまだである。師匠なら喜んで潰しただろうしな。利益にならないって事で、大胆に行動したに違いない。俺は来てから1年くらいはかかったが、師匠なら2か月もあれば落ちていただろう。そんな信用が師匠にはあるからな。
まあ、だからと言って、ベルンケラーに通じるこの場所を放置しておくには勿体ないと言う事で、軍が入ってこようとしている訳か。他の貴族家も、噛めるのであれば、嚙ませろと。独占した方が良いに決まっているので、断ったんだろうが、急がないと圧力で押し潰されるという感じだろうか。死属性の素材が大量に入手できる場所は貴重だからな。まあ、それでも聖属性や空間属性、時属性に比べれば、入手はしやすい方ではあるんだが。
「まあ、でも、なんとなくは解る。貴族の圧力が面倒な事になってきたんだろうなというのは想像に難くない。死属性の素材は欲しいだろうからな。特に死者の魂魄なんてあって困るものじゃない。寧ろ供給できるなら、どんどんと供給してくれって言われるものだからな。ホムンクルスはどれだけあっても良いからな。無限に必要になるとは思う。それだけ戦争での需要があるって事だからな。戦争は勝ってなんぼだし。負ける要素は潰しておいた方が良いのは確かだ。それを考えると、軍も多少の無理を承知で割り込んできたって事なんだろう。もしかすると、戦況が余りよろしくないのかもしれないが、そこは頑張って貰うとしてだな。まあ、ベルンケラーに早々に行きたいってのは伝わった。よく解った。何とか出来そうなのか?」
「解らん。集めた兵士次第だな。とりあえず、次の秋までには何とかしたいって感じではあるらしい。最低でも死属性の領域に挑めるだけの戦力にはしておきたいらしいな。それから駐屯地を作り始めて、春には駐屯地が出来上がっているって状態にしておこうって算段らしい。そうすれば、とりあえず軍の方は何とかなるって話だ。それ以降は、順調にいけば、その次の冬くらいには何とかなるんじゃないかって思っているらしいが。連携も必要だし、装備も必要になってくるから、サンルーグにはまた迷惑をかける事にはなるんだがよ。だが、装備品に関しては、向こうで職人を何とかするって話だったからな。とりあえず、ホーリーアイアンの増産だけは頼むってよ。それ以外は軍隊の方で何とかするそうだ。素材集めも東の森に行くんだから、普通に集められるだろうとは思う。問題があるとすれば、育成に時間がかかり過ぎた時だけだ」
「まあ、ある程度自前で何とかしてくれるなら問題ない。ホーリーアイアンの扱いについては、本当にどうにかするのか? 多分だが、炉の方が耐えられないとは思うんだが……」
「ああ、それについてはこっちで何とかするらしい。ホーリーアイアンを扱ったことはないが、熟練の鍛冶師に頼むことになっているからな。炉についてもクレメンティア子爵家が出して、大々的に改修させる予定だ。それには間に合うようになっているとは思う。まあ、ホーリーアイアンなんて扱ったことが無いから、ある程度の失敗は織り込み済みだ。本当に無理なら、こっちで何とかしてくれって話になってくるとは思うが、流石に、5000人分の武器を作れって言われても無理だろ?」
「無理だな。何年かかるか解ったものじゃない。1日に2本が限界だ。それでも2500日。10年は考えた方が良いだろうな。少数精鋭で何とか切り開くとしてもだな。そんな時間、俺も余裕がある訳でもないし。他の依頼もあるだろうからな。そればかりをやっていればいい訳じゃない。それでも無理ならこっちで何とかするが。専用武器じゃなくて、汎用武器なら何とかならない訳じゃないし。それを使い込んでくれるのであれば、まあ、何とかはなるだろうな。戦力としては、2段階くらいは落ちることになるとは思うが」
「まあ、その辺はこっちが何とかする話だ。炉さえ何とかなれば、いけるんだろ?」
「そうだな。高温が出せれば問題ない。あくまでも、ホーリーアイアンも金属であることには代わりが無いからな。熱で熔けるのは確定だ。その温度がかなり高いだけで、扱えない訳ではない。錬金術師が使う炉を参考に作れば、それなりのものが出来る筈だ。絶対に錬金術師しか扱えないって事は無いからな。そんな金属は存在しない。何かしらの工夫でどうにかなるのが普通だ」
まあ、それでも扱いは難しいんだが。俺も1本目の武器を作るのに、かなりの時間を要したからな。鍛冶師連中も同じことをやるんだ。まあ、時間はかかるだろうさ。錬金術師が作ると言っても、金属は錬金術で作るんだが、武器自体は普通に鍛冶で作るからな。叩いて伸ばすのが基本だ。それには代わりがない。面倒なのは、金属の扱いだけだ。普通の鉄や、錬金鉄とは扱い方が全然違う。大分勝手が違ったからな。その辺は鍛冶師の方がよく解っているとは思うけどな。それを専門でやっている訳なんだし。錬金術師よりも腕が劣るなんてことはあり得ない。俺だって5年くらい鍛冶の仕事を真似てきただけなんだからな。しかも、錬金術の勉強をする片手間にだ。だから、俺が心配する事ではない。心配なのは炉の作成費用くらいだが、そのくらいはクレメンティア子爵家がなんとでもしてくれる。それだけの金は持っているからな。大量に、使い切れないだけの金を抱え込んでいるはずだ。それについて、悩んでいるとは思うんだよな。金の使い方は、幾らでもあるのが貴族だ。何とか使ってくれると助かる。……俺に関してはどうしようもない。お金が貯まっていく一方なんだから。
とりあえず、準備する事は準備しておかないとな。色々と考えないといけないことが出てきたとは思うが、そんな事はどうでもいい。必要な物資を頼まれたのであれば、用意しておかなければならない。錬金術師として、そのくらいは出来ないとな。まあ、素材が無ければ何も出来ないんだけど、幸いなことに、素材はある。嫌というほどあるんだ。それをふんだんに使えば問題ない。まあ、もうちょっと早くに言ってくれよとは思わなくも無かったが。在庫を抱えるのだって、こっちとしては怖いんだからな。いずれ必要になると解っていても、売れるかどうかも解らないものを作っておくのには抵抗がある。流石に全部が全部在庫になる訳ではないと思っていても、下手をすれば、それら全部が在庫になる可能性もあるんだからな。他の錬金アイテムを作った方がマシだったって事もあり得るんだから。こっちだって割と損失覚悟でやっている。まあ、損失くらいでは傾かないんだけど。




