【佐々倉 真弓のメール②】
to: takaomi_kagurazaka@████.ne.jp
from: mayumi_sasakura@████.ne.jp
日時:2026年4月27日(月) 10:17
神楽坂教授
ご返信ありがとうございます。エコリアル環境地質コンサルタントの佐々倉真弓です。
悠馬君の件、何も知らなかったとはいえ、大変不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした。
奥様も、先生も、今は本当に心身ともに大変な時期かと存じます。どうかお仕事のことは気に病まず、ご家庭を最優先になさってください。
その上で、現地同行は難しくとも、外部アドバイザーとしてメールでのご協力は頂けるとのこと、お心遣いに心より感謝申し上げます。
先生のご指摘通り、あの「魚宿三潴」は1974年の歴史的放送事故の現場として、今なお一部で悪名高い場所です。
私自身は生まれる前の出来事ですので生々しい記憶はありませんが、未だにオカルト系の動画サイト等で「呪われた池」として広く取り上げられている事実は、Hホールディングス側も完全に把握しております。
開業時にネット等で当時の事故が掘り起こされ、バッシングが起きるリスクも想定内のようです。H社の上層部は、当時の惨劇はテレビ局の「行き過ぎた傲慢さ(安全対策の軽視)」が原因の人災であり、今回のプロジェクトでは最先端の技術による「絶対的な安全性」を証明することで、その悪評を打破できると考えているようです。
昨今、某グループが旧監獄をラグジュアリーホテルに変えたように、彼らは過去の陰惨な歴史すら「ダークツーリズム」の価値として消費できると、極めて冷徹に計算している節があります。
……ここからは、エコリアルの社員としてではなく、一人の科学者としての私個人の独り言として受け止めてください。
正直に白状いたしますと、私自身はこのリゾート開発計画には強い疑問を持っています。
「魚宿三潴」の持つ地質学的・環境学的なあまりの特異性は、安易に観光地化して消費するべきではなく、国レベルの専門的な学術調査を入れるべき貴重なサンプルだと思っています。ついつい本音が出てしまいました。
しかしながら、一民間企業の調査とはいえ、あの完全封鎖されていた「魚宿三潴」の底を、最新機材で直接調査できるチャンスに恵まれたことは、私にとってこの上ない幸運です。
5月11日からの現地調査が始まりましたら、測定データや不可解な点について、色々と先生のご指導を仰ぐ(あるいは、愚痴をこぼしてしまう)こともあるかと存じます。
ご家庭が大変な時期に重ねて恐縮ではございますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
株式会社エコリアル環境地質コンサルタント
開発リサーチ部
佐々倉 真弓
TEL: 03-████-████
FAX: 03-████-████
mayumi_sasakura@████.ne.jp
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/




