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【佐々倉 真弓のメール③】

to: takaomi_kagurazaka@████.ne.jp

from: mayumi_sasakura@████.ne.jp

日時:2026年5月10日(日) 23:57


神楽坂教授


 お疲れ様です。佐々倉です。

 いよいよ明日から現地に入ります。不安な半面、やはり一人の地質屋として、かなり興奮しています。


 「魚宿三潴」での放送事故に関しては、正直なところかなり半信半疑です。

 凄惨な事故があったこと自体は事実ですが、世間一般で言われているような怪異の類ではないと考えています。


 事故後の検証報告を読みましたが、当時テレビ局が用意した潜水艇は、お世辞にも最新鋭とは言えないものでした。深海探査船の中古をテレビ局が安く買い叩き、外装だけ新調して「最新」と偽っていたようです。

 さらにこの機体は、もともとテレビ中継用の重い有線ケーブルを引っ張る設計(耐圧構造)になっていませんでした。

 生放送前の試運転でも、内部の結露が異常に多かったことや、新調した電子機器の規格が噛み合っていなかったことなど、数々の杜撰な問題点が指摘されています。


 映像にある「450メートル」という深度に関しても、重いケーブルが水底の何かに絡まって引っ張られたか、あるいは結露によって水深カウンターの基盤がショートし、異常数値を検知していた可能性が高いのではないでしょうか。

 引き揚げが困難だった原因も、底なしの深海だからではなく、房総特有の深い泥濘層に機体が完全に嵌まり込み、泥の表面張力と摩擦力に引きずり込まれた結果だと考えます。

 水圧による圧壊も、その杜撰な魔改造による強度不足が原因と考えた方が、科学的には遥かに妥当です。


 ただ、いずれにせよ凄惨な放送事故の現場であることは間違いなく、その点は厳重に憂慮すべきだと理解しています。実際、事故の直後は熱心なファンや愉快犯が押し寄せ、「ギョッシーを退治する」と言って池に大量の農薬を注ぎ込んで逮捕された事件(※当時の新聞の魚拓を確認しました)などもあったそうですね。

 今回の再開発にあたり、当時ほどの過激な反発は起こらないにせよ、土地に悪感情を抱く人がいるのは当然だと思います。


 いずれにせよ、明日からの調査で、最新のソナーを使って正確な水深を計測すればすべてが明確になります。

 万が一、当時の放送事故で提示された「450メートル」という数字が物理的な真実であれば、それこそ日本の地質学会を震撼させる大発見になりますね。


 やはり、今夜は興奮して眠れそうにありません。

 日曜の夜分遅くに、長文のメールを大変失礼いたしました。また現地から随時、進捗をご報告いたします。


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株式会社エコリアル環境地質コンサルタント

開発リサーチ部

佐々倉 真弓

TEL: 03-████-████

FAX: 03-████-████

mayumi_sasakura@████.ne.jp

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