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鹿は鹿だったんだ
第19話 口頭弁論
猟師は言う。
一同起立してください。
それでは、令和21年、鹿の鹿による特許権侵害の口頭弁論を開始します。
始まった。
言葉が出ない。
でも言わなければならない。
鹿夫は言う。
鹿は鹿だ。
周りは鹿夫を見る。
文化庁職員も見る。
鹿はいない。
第20話 なんであなたは鹿を見るのですか?
鹿夫は語る。
私は回り道ばかりしてきました。
文化庁からテキストをもらったり、社労士になろうとしたり、行動経済学が正しいと思ったり。
でもこれらは無駄だと言いません。
私は考える機会をもらったんです。
彼は続ける。
権利について。
働き方について。
そして人はなぜ走り続けてしまうのか。
そして問いかける。
なんであなたは鹿を見るのですか?
静寂。
鹿夫は言う。
ただ一つ言えることは、鹿せんべいは軽減税率だということ。
これだけは絶対。
裁判長は眉をひそめる。
猟師だった。
第21話 コピーライト
鹿夫は右手をかざす。
コピーライト!
かつて少年を滅ぼした強大な力を、鹿夫は乗りこなしていた。
彼は世界でただ一人、コピーライトだった。
そして言う。
鹿の著作権は私が貰う。
次回最終回。
敗訴。
お楽しみに。




