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【リアル生成AIスキル】を得たので、あらゆる物を学習&出力しまくる件/ リアル・ジェネレーター  作者: AoisoraKumori
第一章(3/3) 『決着』

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零華のスキルー0

「急げっ

 異常事態だ。」


 一人の男が病院の廊下を駆けていた。

 すでに多くの人間が立ち去り、床に医療器具や衣服が散乱する中で、男は建物の奥へと突き進んでいく。


 白く無機質な空間には、静寂の代わりにただならぬ緊迫感が漂う。

 窓から差し込む陽光さえも不穏に歪むような、異様な空気だ。

 男の足音が静まり返った通路に虚しく響き渡り、壁へと跳ね返る。

 逃げ惑った人々が残した痕跡は凄惨そのものであり、放棄された車椅子が傾いたまま放置されていた。

 破裂した点滴袋から漏れ出た薬液が、床に奇妙な水溜まりを作っている。


 事態の深刻さは、一刻の猶予も許さない。

 彼は乱れた呼吸を整える間も惜しみ、目的地を目指してひたすら前へと足を進める。

 曲がり角をいくつか折れるたびに、周囲の惨状はさらに度合いを増していった。

 何者かに激しく破壊されたと思われる自動ドアの残骸が、行く手を遮るように転がっている。

 それを軽々と飛び越え、彼は歩みを止めることなく突き進んだ。


 空気中に混ざり始めるのは、鉄錆に似た生臭い匂い。

 それは、明らかに生命が急速に失われたことを意味する不吉な予兆だ。

 突き当たりの通路に差し掛かると、壁面には無数の赤い斑点が飛び散り、凄まじい惨劇がここで起きた事実を無言で伝えていた。

 しかし、男の瞳に宿る光は少しも揺らがない。

 むしろ、目的地が近づいていることを確信したかのように、その足取りはさらに力強さを増していく。


 目指す場所の扉は、すでに半開きになっていた。

 隙間から漏れ聞こえてくるのは、かすかで、しかし妙に力強い生命の産声。


「やぁ、ハッピーバースデーだね。」


 やがてとある分娩室に辿り着いた男は、一人泣き叫ぶ赤ん坊を手に取り、肉塊の中から持ち上げた。

 付近は大量の血液と、母親や看護師たちの肉片が張り付いていたが、男は気にも留めない。


 視界に飛び込んできた光景は、まさに地獄絵図と呼ぶにふさわしいものだ。

 天井や壁は一面、原形を留めぬほどに損壊した人体の名残で覆い尽くされている。

 本来であれば新しい命を歓迎するはずの聖域は、一瞬にして凄惨な屠殺場へと変貌を遂げていた。

 凄まじいまでの破壊をもたらした張本人が、まさかその中心で泣きじゃくる小さな存在だとは、普通の人間なら想像すらできないだろう。


 床を濡らす深紅の液体は、まだ生温かい熱を失っていない。

 男の靴底がそれを踏みしめるたび、鈍い音が室内に小さく響く。

 衣服の裾が汚れようとも、彼は一歩も退くことなく、ただその中心にある奇跡へとまっすぐ視線を注いでいた。

 常人であれば視線を背け、嘔吐を催すほどの狂気が満ちる空間。

 だが、男の表情にあるのは、純然たる歓喜と深い畏敬の念だけだ。


 すべてを消し去った暴力の渦の中心で、新生命は力強く四肢を動かしている。

 その小さな胸の鼓動は、周囲の死寂を拒絶するように刻まれていた。

 誕生の瞬間に世界を崩壊させるほどの力が、この幼い器に宿っているという事実。

 それこそが、この場に漂う圧倒的な異常性の正体に他ならない。


「私だけは君の誕生を祝福するよ。

 素晴らしいスキルだ」


 男は優しくその返り血で染まった赤子を優しく抱き寄せた。

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