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【聖獣機神ガオガオン】特A級AIエンジニア、最強メカをテイムする〜 ワケありヒロイン達と同乗し、飯テロ無双で無敗の村づくり〜  作者: 月神世一


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EP 4

ハッキング部隊結成! いざ絶望の迷宮へ

ポポロ村の広場。

朝の冷たい空気の中、俺はガオンのメインコンソールにノートPCを接続し、最終的なハッキング用のスクリプト(攻撃用コード)をコンパイルしていた。

「……よし、対象のサーバー(天魔窟)への侵入経路バックドアは確保した。これより、ポポロ村防衛隊によるペネトレーションテスト(侵入テスト)を開始する」

「ペネなんとかってよく分からないけど、要するにあの悪趣味な金ピカの塔にカチ込んで、元凶をぶっ飛ばせばいいのよね!」

キャルルが両手のトンファーを打ち鳴らし、準備万端といった様子でウサ耳を揺らす。

「わたくしのお庭(村)の平和を乱す害虫は、残らず駆除おそうじしなければいけませんわね♪」

「はいですぅ! スパチャを邪魔するアンチには、私の歌で物理的な制裁を与えますぅ!」

ルナとリーザも、いつものようにバグだらけの気合を見せている。

そこに、コートを翻してルーベンスが歩み寄ってきた。

「エンジニア殿。私も同行しよう。昨夜の極上な『焼き飯』の恩は、労働デバッグで返す主義なのでね」

「助かる。あんたの影魔法プロセス・キルは、あの小賢しい虫共を処理するのに最適だからな」

これで最強のパーティが揃った——と、俺がガオンのハッチを閉めようとした瞬間。

「ちょぉぉぉっと待ったァァァァッ!!」

村長宅の二階の窓が吹き飛び、寝巻き姿に法被(推しの名前入り)を羽織った魔王ラスティアが、ドスンドスンと地響きを立てながら飛び降りてきた。

その手には、禍々しいオーラを放つ『魔王剣』と、なぜか地球製の『ペンライト(赤)』が握られている。

「ラ、ラスティア様!? お目覚めになられたのは重畳ですが、その格好は一体……」

ルーベンスが頭を抱える。

「あんたたち、あの塔を壊しに行くんでしょ!? 私も混ぜなさい!!」

「は? あんたはただの観光客オタクだろ。危険なダンジョンに遊びで行くもんじゃ——」

俺が止めようとすると、ラスティアは血走った目で俺の胸ぐらを掴んだ。

「遊びじゃないわよ! 今夜8時から、月人くんの『生放送ライブ特番』があるの! なのに、あのクソったれな塔が発する『魔力ジャミング(瘴気)』のせいで、私の魔導通信機テレビの電波が悪くなってるのよ!! 推しの顔にノイズが走ったらどう落とし前つける気!?」

「知るかよ!! ……チッ、要するに電波塔の障害物バグだからぶっ壊したいってことだな」

動機があまりにも俗物的オタクすぎるが、戦力としては申し分ない、というかオーバーキルだ。

俺はため息をつき、全員をガオガオンの各シートに押し込んだ。

「分かった。ただし、システムへの介入は俺の指示に従えよ。……目標、天魔窟。フルスロットルで突入ログインする!!」

ズドォォォォォンッ!!

ガオガオンが大地を蹴り、黄金に輝く天魔窟の巨大なエントランス目掛けて真っ直ぐに突進した。

分厚いオリハルコンの巨大な扉を、玄武の質量を乗せた体当たりで物理的ブルートフォースに粉砕し、迷宮の内部へと侵入する。

——内部は、外観の煌びやかさとは裏腹に、おぞましい光景が広がっていた。

壁面には生物の血管のように太い魔力ケーブルが張り巡らされ、緑色の瘴気が明滅している。まさに、巨大な生体サーバーの内部だ。

『ギ……ギギ……侵入者、検知。防衛プログラム(死蟲機)、起動……』

ガサガサガサッ!!

壁や天井の穴から、無数の機械昆虫が湧き出してきた。

強酸を吐き出す『死蟻アント』の群れと、空を埋め尽くす毒針を持った『死蜂ビー』の大軍だ。その数は数千、いや数万に及ぶ。

「数で押し潰す気か……! キャルル、ルナ! 弾幕を張れ!」

「任せなさい! オラオラオラァァッ!!」

「一網打尽ですわーっ!!」

キャルルとルナが迎撃を開始する。だが、敵の数が多すぎる。

処理落ち(ラグ)が発生しかけたその時。

「あーもう、邪魔よチマチマと! 録画の予約時間まであと3時間しかないのよ!!」

後部シートから身を乗り出したラスティアが、片手で適当に『魔王剣』を振るった。

——ズパァァァンッ!!!

空間そのものが「ズレ」た。

ラスティアの剣閃が走った直線上にある空間の位相が切断され、数千体の死蟲機が、なんの抵抗もなく真っ二つに分断されてスクラップと化す。

「……やりすぎだバカ! ダンジョンの構造ファイルシステムごと破壊してどうする!」

「いいじゃない、道が広がって! ほらルーベンス、あんたも働きなさい!」

「……御意」

ルーベンスが深くため息をつきながら、指を鳴らす。

床に落ちた死蟲機の残骸の『影』が巨大なブラックホールのように広がり、残っていた死蟲機たちを次々と深淵へと吸い込んでいった。

「……規格外チートすぎるだろ、こいつら」

俺はAI演算の出番すら奪われ、ただ操縦桿を握りしめて迷宮の最深部へとガオガオンを走らせた。

トラップも、無数の蟲の群れも、怒れるオタク魔王と過労死寸前の処刑人の前では、ただの紙くずと同義だった。

そして、わずか数十分で。

俺たちは、ダンジョンの最深部——心臓部とも言える、巨大なドーム状の空間メインディレクトリへと到達した。

そこは、無数の人間の「魂」がカプセルに閉じ込められ、緑色の光を放っている、悪趣味なコロシアムだった。

「パチパチパチパチ……」

空間の中央。巨大な歯車の上に置かれた玉座から、場違いな拍手が響いた。

「素晴らしい、素晴らしい! まさか我が防衛システムをこうもあっさりと突破するとは。お見事ですよ、侵入者の皆様」

そこに座っていたのは、身の丈を超える巨大な鎌を持ち、顔に道化師ピエロの仮面を張り付けた男だった。

死蟲軍指揮官、魔人ギアン。

「だが、残念だ。貴様らのように強靭な魂を持つ者たちを、ただ殺すだけでは美しくない。……絶望に顔を歪め、互いを憎み合いながら死んでいく『最高のショー』を見せてくれ」

ギアンが両手を広げると、カプセルに囚われていた無数の死体たちが、ギギギ……と不気味な音を立てて立ち上がり始めた。

「さあ、開演だ! 絶望の手品マジックの幕開けだよォ!」

狂った指揮官の甲高い笑い声が、絶望の迷宮に響き渡った。

だが、俺はARグラスを光らせ、冷たく鼻で笑った。

「手品だと?……タネの透けて見える、陳腐な三流のスクリプト(茶番)だな」

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