62話 意外と難しい
「ただいまの結果……33点!」
「半分しか当たりませんでしたわ~!」
「わたくしなんか7本しか当たりませんでしたの」
「随分と難しいんですのね……」
「1本くらい的中に当てたいですわ!」
リューキ王子のデモンストレーションが終わった後、選抜会に参加している令嬢たちが順番にジャベリックダーツ試験に挑んでいく。
みんな初めてということで、今回は1人2回のプレイチャンスが与えられた。
しかし、リューキ王子の結果を見てからだと令嬢たちの点数がだいぶ低く見えてしまう。
半分も的に当てられれば結構良い方だと思うのだが、大当たりや的中を狙わないと50点すら超えてこない。
「次……シィナ・ゼテールさん」
「はい!」
まずは1回目、オレの順番がやってくる。
1回目と2回目の合計ではなく、どちらか結果の良い方を最終結果とするみたいなので、とりあえず最初は感覚をつかむために気軽に行こう。
「スタート!」
「はあっ! とりゃっ!」
トスッ! ガッ!
「当たり! 外れ!」
「うりゃっ! シュシュっと!」
トスッ! ドスッ!
「当たり! 的中!」
「どりゃ~っ!」
……。
…………。
「ただいまの結果……62点!」
「ふっ、まあまあですわね」
「「「おお~……!」」」
「最高記録ですわ!」
「遂に60点超えが出ましたの!」
ジャベリックダーツ試験、オレの1回目の結果は62点。
4本外してしまったが、ど真ん中の的中を2本出すことができたのでまあ良しとしよう。
「なかなかやるじゃねえか、シィナ」
「まだ1回目ですから、ここから上げていきますわよ」
とはいえ、1回目の結果としては現在暫定1位……ほかのお嬢様たちは取れて40点とかだし、このまま優勝とかしちゃったり……
「ただいまの結果……70点!」
「あらあら、結構難しいわね~」
「「「わあ~!!」」」
「すごいですわカフカ様!」
「さすが五大公爵家でございます!」
「…………」
「シィナの結果、速攻で塗り替えられたな」
「悔しいですの~!」
五大公爵家の一人、カフカ・マシャローがまさかの70点で一気に首位に躍り出る。
カフカさん、おっぱい大きいだけじゃなくてダーツも得意だったんだな……
「カフカさんは的中ゼロですが、20本全て的に当てましたの」
「的に当てるだけで位置がどうだろうと2点入るからな……狙い過ぎて外すより、全当て目標にした方が点数が上がりそうだ」
カフカさんが投げ、1回目は残すところ五大公爵家の4人のみ……出来れば1回目の結果でトップ3には残りたいが、他に有力そうな人は……
「次……リンカ・ナヘーゼルさん」
「はい」
リンカ・ナヘーゼルか……サドンデスマッチ試験で火事になった時は『アクア』のギフトで活躍してくれたが、どちらかというと大人しい清楚系お嬢様だし、こういう競技は苦手そう……
「ただいまの結果……68点!」
「あ~カフカ様に負けたっ! 悔しい~!」
「あらあら、うふふ」
あ、意外とこういうの盛り上がるタイプなんすね。
一緒にスマブラとかやったら楽しそう。
「ふふ……よかった、みんな楽しんでくれてる」
「ん? あれは……リューキ王子?」
デモンストレーションのあと、姿を消していたリューキ王子が物陰からコッソリと試験の様子を観察しているのを発見する。
どうやら、オレたちがジャベリックダーツ試験で盛り上がっているのを見て喜んでいるみたいだ。
まあ、そうだよな……自分が好きな遊びを他の人も楽しんでくれたらそりゃ嬉しいよな。
「……ちょっとだけ、リューキ王子を推してるお姉様たちの気持ちが分かりましたわ」
「シィナ、お前やっぱ……」
「違います。そういうのではありません」
ちなみにヨルの1回目の結果は64点だった。
負けたぜチクショウ。
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