61話 デモンストレーション
「……まずは、僕がやってみる」
「リューキ王子がお手本を……?」
「じっくりねっとり見させていただきますわ……!」
ジャベリックダーツ試験が開始され、最初の挑戦者は……リューキ第三王子。
自分で考案したステージを本人が最初にプレイすることで、難易度的に問題がない事を証明してくれるということらしい。
まあ、難しいアクションゲームとかもそういうのあるよな。
ちゃんとクリアできますよ~ってやつ。
「それではリューキ第三王子、スタンバイをお願いします!」
「うん」
ジャベリックダーツ試験のステージは、両サイドに巨大な射的屋が店を構えているお祭りの1本道のような仕組みになっている。
この1本道はベルトコンベアーのようなシステムの作りになっており、スタート地点に乗ったら自動で移動してゴールまで進んで行く。
挑戦者は、スタートからゴールまで移動する間に両サイドから出現する的を狙って矢を投げ、矢が当たった的の数と、的のどこに当たったかをゴール後に集計して総合点を付けるというゲームチックな試験のようだ。
「使用する投げ矢は20本、的も20個となっております。的は外側の緑色の部分が当たり、真ん中の白い部分が大当たり、中心の赤い点に見事当たれば的中です」
「的が左右10個ずつと、当たり判定が3段階か……」
「20個当てて、全部的中を取ればパーフェクトクリアですわね」
的に矢を投げて当たらなかった場合は、1本刺さるまで追加で投げても大丈夫とのこと。
しかし、的の数と矢の数は同じなので、その分他の的に投げるストックは減ってしまう。
「僕は命中率を上げる『ヒット』のギフトが使えるけど、今回の試験はギフトの使用が禁止だから、素の実力でやるよ……」
「わたくしも素の実力で勝負ですわ!」
「ボクもだけど、シィナはギフト使えたところでじゃないか?」
「それはまあ、そうですわね」
命中率を上げる果物とか無いしな……いや、ブルーベリーとか食えばワンチャンあるか?
ブルーベリーは目に良いんですよってリネット軍曹も言ってたし。
「それではリューキ第三王子によるジャベリックダーツ試験のデモンストレーション、スタートです!」
「よ、よろしく……」
「きゃ~!」
「リューキ様がんばって~!」
先ほど評価を下げられたお姉様たちが、そんなことはすっかり忘れてリューキ王子に声援を飛ばしている。
なんつーか、そこまで開き直るなら逆に芯がしっかりしてて良いと思います。
「……ふっ!」
トスッ!
「大当たり!」
「……はっ! やっ!」
トスッ! トスッ!
「大当たり! 的中!」
「はっ! ふっ! やっ!」
トストストスッ!」
「大当たり! 的中! 大当たり~!」
……。
…………。
「ただいまの結果……91点!」
「「「おお~……!!」」」
「うん、まあまあかな……」
リューキ王子のジャベリックダーツ試験の結果は、100点満点中の91点。
全ての的に矢を当て、そのうえで半分以上が的中。
命中力アップのギフトを使わずともこの実力……さすが今回の試験の考案者なだけあるな。
「リューキ王子、素晴らしいデモンストレーションをありがとうございました! それでは参加者の皆さんの試験に参りましょう!」
「是非、この試験を楽しんで……僕の結果を超えてくれる人がいたら嬉しいな」
「91点か……最低でも全当て、しかも当たりじゃなくて大当たりか的中じゃないと厳しいぜ」
「ヨルのギフトで的を成長させて大きくできませんか?」
「んなこと出来るわけねーだろ。そもそもギフトは反則だよ」
「それでは事前にわたくしの右腕だけ成長させて、ものすごくリーチを長くして」
「右腕だけ長いバケモノ女が王妃になれるわけないだろ」
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