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妹を庇って死んだ俺、辺境伯令嬢に転生する ~第四王子になった妹を迎えに行きますわ!~  作者: ふぃる汰


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54話 強気のシィナ



「サドンデスマッチ試験がまさかこんな事になっちまうとは……」



「申し訳ございません、想定外のトラブルでした」



 オレたちがステージから脱出した後、王宮の局員たちによって火は無事に消し止められた。

メロコのような炎を使うギフト持ちを想定して室内に消火用の砂袋が用意されていたのだが、ステージ上に残されていた貴族令嬢に砂をかけるわけにはいかないとなって消火が遅れたらしい。

そんなもんいいからさっさと消してくれよ。



「今回の原因究明は王政管理局の防災処置室できちんと行います。また、出火の際にステージに残っていたチームを全て勝者とみなし、その時点でのティアラの保有数を……」



「いや無理だろ。あの火事で捕った分は落としちまったぜ」



「……ですよね。申し訳ありません」



「今回の試験は勝ち残っていたヤツを評価する。あとはそれまで俺が見ていた各チームの立ち回りを見て追加の評価判断を下す。不合格チームは出さず、みな次の試験に備えてくれ……本当にすまなかったな」



「ハイカー第二王子……」



 まあ、王子様に頭を下げられたら貴族令嬢たちは許さないわけにはいかないよな……オレは許さないけど。

そういやステージ上がるときに持ち物検査とかもなかったし。

あれじゃあ油も隠して持ち混み放題だ。



「ハイカー第二王子並びに選抜会のスタッフの皆さん。先ほどのトラブルを見ての通り、今回の選抜会には王妃候補を望む純粋な令嬢とは別の思惑のある者が潜んでいるかもしれません。試験中の警備対応と安全検査をしっかりと行なってくださいまし」



「ハイカー様になんて口のきき方を……!」



「伯爵令嬢風情が不敬ですわよ!」



 オレの進言を聞いて一部の令嬢たちから批判の声が上がる。

まあ、いくら危険な目に遭ったとはいえ田舎貴族の辺境伯爵令嬢が王子様に説教垂れたらそりゃ批判する人も出てくるか。

とはいえオレは別に王家からの評価とかどうでもいいから、これくらいの事はガツンと言っておかないと。



「静まれ! 今回の試験を考案したのは俺だ、試験が安全に行われなかった責任は俺にある。そこの令嬢の言っている事は胸に留めておく。貴様、名前は?」



「シィナ・ゼテールと申します」



「ゼテール伯爵の娘か……弟たちがゼテール領の果物を気に入っていたな。俺もゼテール領で育った家畜の肉や卵をよく食べる。王国の食糧庫としての役割を担っているゼテール伯爵にはみな感謝しているよ」



「あ、ありがたきお言葉でございます……!」



 うーん、なんだか褒められてしまった。

それにしても、やはり防災意識という観点で見ると前世の世界の方が格段に上だったんだろうな。

火事で焼け死ぬよりドレスが砂まみれになるのを懸念するなよマジで。



「消火活動及び怪我人の治療をしてくれた令嬢には個別に褒美を授ける。これは選抜会の評価に影響するものではなく、俺が個人的に実施するものなので遠慮なく受けとってくれ」



「やった! ちょっとお高いお菓子とか貰えるかもしれません!」



「クレーネは発想が可愛らしいなオイ」



「えっ? お菓子じゃないんですの?」



「お前もかよ」



 とにもかくにも、全員無事で試験を終えることが出来たのでそれだけは不幸中の幸いってヤツだな。



 …………。



「全員無傷で脱出……? あ、ありえない……!」



「火事で死なないまでも、顔を焼いて傷物にするくらいは出来たはずなのに……!」



「……試験はまだ終わっていません。我々も切り替えましょう」




————  ――――


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————  ――――

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