48話 サドンデスマッチ試験
「それではこれより王妃候補選抜会・サドンデスマッチ試験を開始いたします」
「ふはははは! 争え! そして勝ち取るのだ! 王妃候補の座は強者にこそ与えられるべきものである!」
「なんだか闘技場の決闘大会みたいですわ」
バシム第一王子の王妃候補選抜会、1日目、2日目、そして1日休んでの3日目……遂にサドンデスマッチ試験の日がやってきた。
いやもう試験名からして王妃を目指すお嬢様方にやらせる競技じゃないだろ。
借金で首が回らなくなった人生どん底の債務者たちが一発逆転をかけてやるデスゲームじゃん。
「ルールはシンプル! 4人一組でチームを結成し、チームリーダーが装着したティアラを奪い合うのだ! リーダーはティアラを守りつつ仲間たちに指示を出し、指示を受けた仲間たちはリーダーを守りつつ相手のティアラを奪え! ギフトの使用も可能……ただし! 殺人は不許可だ! ティアラを手で押さえたり、髪留めで固定するのは禁止だからな!」
「人を殺せるレベルのギフト持ちなんていますの?」
「五大公爵家のメロコ辺りなら出来るんじゃねえか? 火出せるんだし」
「ユンも頑張ればカチコチに凍らせて凍死させることができるでございます」
「五大公爵家、恐ろしいですわ……」
「ボクは無理だぞ」
オレのギフトじゃせいぜいバナナの皮で相手を転ばすくらいしか出来ないしなあ……ワンチャン、パイナップルを出すと見せかけてパイナップルボム出せたりしねえかな。無理か。
「大丈夫です! ヨルさんが怪我をしたら私がすぐに直してあげます!」
「なんでボクが怪我をする前提なんだ! ちゃんと守ってくれよ!」
オレたちのチームはリーダーがヨルで、ヨルの周りを三角形になる形でユンちゃん、クレーネ、そしてこのオレ、シィナが守るスタイル……つまりチーム・ギストレンジである。
他のチームだと1番背が高い人をリーダーにしてティアラを取られにくくしていたりもするが、うちはあえて一番背の低いヨルをリーダーに据えた。
理由は……まあぶっちゃけ特にない。
強いて言うなら、伯爵家のオレと庶民のクレーネが公爵家の2人を差し置いてリーダーになるわけにはいかないし、ユンちゃんは今回の試験において唯一実践的なギフトを持っているので出来ればアクティブに活躍してほしいということでヨルに決定した感じ。
「他のチームも、なんだかんだ言って爵位が高い人をリーダーにしていますわね」
「試験が終わった後のことを考えると適性だけでポジション決めすんのは難しいだろ」
ヨルとユンちゃん以外の五大公爵家の3人もそれぞれチームリーダーを任されているようだ。
他にリーダーをやっているのは……
「ノーラ様! ティアラがとてもお似合いですわ!」
「ありがとう……カーヴィン」
「このカーヴィン・リバレー、命に代えてもノーラ様のティアラをお守りいたしますわ!」
「よろしくね……カーヴィン」
「いや流石にそこは『そこまでしなくていい』とか言うべきところなのでは……」
前につっかかってきたノーラ・ワイルドシップとうるさい取り巻きのカーヴィン・リバレーたちのチームか……
旧五大公爵家のノーラはヨルに因縁がありそうだし、少し警戒しておいたほうが良いかもな。
「皆の者、位置に着いたな! それではこれよりサドンデスマッチ試験を開始する! スリー、ツー、ワン……ゴォーシュゥーッ!!」
ベイブレードじゃねえか。
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