42話 チーム集め
「はあ、まさかお嬢様同士でサドンデスをやらされることになるなんて……」
「まあ良いじゃねえか。今日みたいな試験よりは楽しそうだぜ」
「それはまあ、そうですけれど」
ハイカー第二王子から告知された次の試験内容、それはお嬢様同士のサドンデスマッチ試験だった。
試験名だけ聞くとめちゃめちゃ物騒だが、内容としては騎馬戦のお嬢様版のような感じで、4人でチームを組み、リーダーが頭にハチマキ代わりのティアラを装着。
他の3人がティアラを守るなり相手のリーダーのティアラを取るなりして戦い、最後の1チームになるまで決着をつける。
勝敗の基準がイマイチ分からなかったのだが、自分のチームのティアラが取られるまでにどれだけ他のチームのティアラを取ることが出来たかという点と、どれだけティアラを取られずに最後まで試合に残れたか、という点が評価されるらしい。
ちなみにギフトの使用はOKだが、相手が死ぬレベルの攻撃はNG。
「つまり、最後まで残ったチームとティアラを1番多く集めたチームが高評価ってことだな」
「それは同じチームになるんじゃありませんの?」
「自分のチームのティアラを取られても、それまでに集めたティアラは相手に移行されない。序盤からティアラを集めずに逃げ回り、最後の2チームになったところで初めて相手のティアラを取って優勝した場合は集めたティアラは1つだけだ」
「なるほど、最後まで勝ち残れずとも積極的にティアラを集めていれば評価はされるということですのね」
なんというか、いかにも脳筋のハイカー第二王子の考えた試験というか……えっこれ、王妃候補の選抜試験だよね?
王国軍の入隊試験じゃないよね?
「なんにせよ、まずはチーム集めですわね」
「ボクとシィナだけじゃチームは組めないしな……あと2人必要だ」
ハイカー第二王子から最後に言われたことは、チームメンバーやリーダーの選定は参加者同士で話し合って決めること。
つまり、試験までに4人でチームを組んでおかないと当日にランダムチームに入れられてしまうというわけだ。
要するにそのメンバー集めのための時間が明日の終日休みなのだろう。
いやあ……こういうの嫌いなんだよなあオレ……体育で二人組作って~とか、修学旅行の班決めとか……
「ヨルがいなかったら泣きながらゼテール領に逃げ帰っているところでしたの」
「大げさだなお前は……むしろこの試験に限って言えばシィナは引く手あまただと思うぞ。なにせフィジカルは参加者イチだからな」
「そう言われると、まあ確かに……お嬢様的にはあまり喜べませんけどね」
ヨルの話によると、逆に五大公爵家のヨルと一緒にいるのでオレの事を誘いづらい雰囲気があるらしい。
今は二人で王都の喫茶店で作戦会議中なんだけど、そういえばどこからか視線を感じるような……
「じ~……」
「ヨル、あの子はメンバーに誘ってもよろしいのではないかしら」
「ん? って、ユンじゃねえか。何やってんだアイツ……」
喫茶店の植え込みの陰からこちらを伺う小柄な女の子。
今回の選抜試験にも参加している五大公爵家の一人、ネピュア公爵家の娘……ユンちゃんだった。
とりあえずお店の外で五大公爵家の令嬢があんなことをしているのはさすがに民衆の目につきすぎるので、手招きしてオレ達がいる席に誘ってみる。
トコトコトコ。
「ごきげんようヨルさん、シィナさん。奇遇でございますね」
「全然奇遇じゃないだろ」
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