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妹を庇って死んだ俺、辺境伯令嬢に転生する ~第四王子になった妹を迎えに行きますわ!~  作者: ふぃる汰


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25話 とりあえず観光



「っつーわけで、屋敷に荷物も置いたし……」



「王都観光に出発ですわ!」



 オレたちが王都にやってきた目的であるバシム第一王子の『王妃候補選抜会』は二日後に開始される。

というわけで、それまでは暇なので久々にやって来た王都の街を観光することにした。

シィナ自身も夏山彪牙としての記憶を取り戻してからは初めての王都来訪だし、メイドのアイラはそれこそ生まれて初めての王都だ。



「シィナお嬢様、観光などしていてよろしいのですか? 王妃候補選抜会まで日もあまりありませんが……」



「良いんですの。だってわたくし、王妃候補なんて興味ありませんし」



「右に同じくー」



 本来なら選抜会に向けて色々と準備する期間なのかもしれないが、オレもヨルもバシム第一王子の王妃になるつもりはないので王都に滞在中は最低限の備えだけして観光を楽しみたいのだ。



「てっきりご当主様の首を縦に振らせるための嘘だと思っていたのですが、もしかしてお二人は本当に興味がないのですか……?」



「ええ、勿論ですの」



「全くもって興味ないな」



 まあ、普通はそういう反応になるか……王妃になれるかもしれないチャンスなんてそうそう無いわけだし、もしその座を勝ち取れば将来安泰とかそういうレベルじゃないくらい良い暮らしが出来るわけだし。



 ちなみにバシム第一王子とハイカー第二王子については初採り献上の際に会った記憶があるので顔を知っているのだが、かなりのイケメンだ。

ブサデブ王子の婚約者になるってことなら地位と金に目がくらんでなければ遠慮する貴族令嬢もいると思うが、容姿も良くて金も地位も最高級となると多くの女性は本気で選抜会に応募しているんじゃないだろうか。



「わたくしはお顔を把握していないのですが、ヨルはリューキ第三王子とタオ第四王子にも会っているのですよね?」



「ん、まあな」



「やはり上のお二人と同じく容姿端麗でいらっしゃいますの?」



「そうだなあ……第三王子と第四王子はまだ幼いし、可愛らしいって感じだな」



 まあ、それはそうだろうな。

リューキ王子が今12才で、タオ王子なんて3才だもんな……イケメンというより可愛らしい美少年って感じなのだろう。



「なんだシィナ、お前やっぱそういう趣味……」



「わたくしはショタコンではありませんわ!」



「シィナお嬢様、ショタコンってなんですか?」



 なんだろうな。



 ―― ――



「馬車の中から眺めていた時も思いましたが、王都は人も建物も多いですわね」



「とっても賑やかです!」



「まあ、クレイン王国の中心だしな」



 星型の防壁に囲まれ、中心にクレインハーツ城がそびえる王都の街並みを屋台で買ったジェラート片手に散策する。

ちなみにこのジェラート、フルーツと砂糖を加えたミルクを凍らせて削っただけのとてもシンプルな氷菓子なのだが、シンプルが故に濃厚かつクリーミーでとても美味しい。



「シィナお嬢様、このジェラートって……」



「気づきましたかアイラ。あのお店のジェラートはゼテール領で育てた果物と乳牛のミルクを使っていますのよ」



「そうだったのか、やるじゃねえかゼテール領……ちなみにあのジェラート屋台の工具はギストレンジ領の職人製だぜ」



「そうでしたの、やりますわねギストレンジ領」



 普段の生活では中々実感できないが、こういう所で自分たちの領地で作った物が実際に使われているのを見るとなんか嬉しくなるな。



「あっそうですわ、バナナジェラートとかも作ったら美味しいかもしれませんわね……」



「バナナジェラート!? それはどこで売っているのですかお嬢様!!」



「落ち着きなさいアイラ、まだ企画段階なのでどこにも売ってませんわ」



 初めて王都にやってきたウチのメイドは、賑わいを見せる王都の街並みよりも新作のバナナスイーツを食べることに心を奪われていた。



「あっ見てくださいましアイラ、あっちのお店に……」



「きゃあああ~っ!?」



「ひったくりだー! 誰か捕まえてくれー!!」



「お嬢様、強奪犯です!」



「こっちに向かって走ってくるぞ!」



「……えっ?」





————  ――――


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————  ――――

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