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妹を庇って死んだ俺、辺境伯令嬢に転生する ~第四王子になった妹を迎えに行きますわ!~  作者: ふぃる汰


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22話 王都



「さあ着きましたよ。長旅お疲れさまでした」



「こちらこそ、馬車を出していただきありがとうございました」



 ゼテール領を出発して馬車に揺られること半日弱、オレたちは遂にクレイン王国の王都へと到着した。

巨大なクレインハーツ城が建てられた王宮を中心として、深い堀と高い壁で囲まれた星型要塞のような完成された形状の王都。

シィナの女心はあまり動じていないが、オレの中にある夏山彪牙という少年の男心は大いにワクワクしているようだった。



「ふわあ……とっても大きなお城があります……!」



「アイラは王都に来るのは初めてでしたわね」



「はい! 人も建物もいっぱいです! これだけいればアパルスの収穫作業もすぐに終わりますね!」



「王都でアパルスは栽培していませんけどね」



 生まれも育ちもゼテール領のアイラは、今回オレのお世話役ということで初めて訪れた王都に大興奮の様子。

とはいえオレも記憶が戻ってからは王都に来たのは今日が初めてなので、内心かなりワクワクしている気がする。

まあ、今までのシィナとしての記憶を探っても、王都自体アパルスの初積み献上を行なうルトヴァン父さんにくっついて年に一回行く程度だったみたいだし……なんというか、たまに遊びに来れるテーマパークというか。



「王妃候補選抜会の開始は二日後となっております。シィナ様は王都に滞在中、迎賓館の利用はなさらないと事前に連絡いただいておりますが、間違いはないですか?」



「ええ。わたくしたちは宿泊する場所が決まっておりますので」



 各領地から王都のクレインハーツ城に登城する場合など、貴族が王都にやってきて滞在する際には基本的に王城がある王宮内に建てられた迎賓館を利用することが多い。

それ以外だと、地方の貴族であっても王都に親戚というか本家というか、まあそんな感じの本流の貴族が住んでいてそこの屋敷に宿泊する場合や、王都に別邸を持っていてそこを利用する場合など。



「シィナお嬢様、ご当主様は別邸を持っていないとおっしゃっていましたが、王都に来られた際はどちらに宿泊されているのですか?」



「ふっふっふ……それでは案内いたしましょう、わたくしたちの本日のお宿を……あ、モニータさん。宿泊場所まで馬車を出していただいても……?」



「もちろんです。さあ行きましょう」



 ……。



 …………。



「到着いたしました」



「ありがとう、モニータさん」



 星型に広がるように建てられた王都の街並みの、星の一角。

そこに建てられた機能性重視の少し武骨なお屋敷が、オレたちが王都に滞在する際の宿泊施設だ。



「シィナお嬢様、ここは……?」



「ヨルの家の別邸ですわ」



「ギ、ギストレンジ公爵の別邸!?」



 そう、王都に本家貴族がいるわけでもなく、別邸も所持していないゼテール伯爵の娘が迎賓館を利用しないで滞在する方法……それは、別邸を持っている友達の家に泊まることだった。

気分はまさに、金持ち友人の別荘リゾートでお泊り会……まあ、これからやるのは海水浴でもBBQでも花火でもなく王妃候補選抜会なわけだけど。



「いやあ、驚きました。迎賓館を利用しない理由がギストレンジ公爵家の別邸に宿泊するからと書かれていましたので」



「持つべきものは五大公爵家の友人ですわね!」



「卑しい発言だなオイ」



「あ、ヨルですわ。ヨルー! このでっかい門重いですわー! 開けてくださいましー!」



「今行くから大人しく待ってろ!」



 というわけで、ここまで送ってくれたモニータさんと別れてオレとアイラはギストレンジ家の別邸に。

てか冷静に考えると王宮内にある迎賓館に泊まった方がタオ王子に会える確率高かったのでは……?

まあいいや。断っちゃったもんはもうしょうがない。

 


「シィナ様、こちら王妃候補選抜会の日程表となっておりますのでご確認ください。何かありましたら王政管理局・王家継承管理室のモニータまでご連絡を」



「分かりましたわ。それでは二日後にまた……あっヨル、こちら宿泊料のバナナですの」



「なんだよそれ」




————  ――――


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