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『スキル【空間魔法】で転移ライフを謳歌する』  作者: 愛月量


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第60話 動向①

 ランキング戦まで残り2ヶ月。

 それは長いようで、短い。

 そして──この学園では、その時間は決して「準備期間」ではない。

 戦いは、もう始まっている。


 Dクラスで戦略会議が行われていたその頃。

 同じような話し合いは、他のクラスでも同時に進んでいた。


 それぞれの思惑。

 それぞれの野望。

 誰もが“1位”を狙っている。


── ── ── ── ──


~Aクラス~


 教室の中央に立つ少女が、楽しそうに笑った。

 楠その。

 勇者組でも屈指の戦闘力を持つ少女だ。


「あはっ!私たちのクラスって割と火力高い人が多いと思わない?」


 教室の視線が自然と彼女に集まる。


「勿論、成績ランキングの枠組みで見るなら私たちは数人だけで高めの平均を出せるけど」


 その言葉に頷く者が多い。

 Aクラスは“個”の強さが突出している。

 単純な火力。

 単純な突破力。

 それに関しては、他のクラスより頭一つ抜けている。


「そうだね」


 落ち着いた声が続いた。

 楠の隣に立つ青年。

 陽陰 駿(ひかげ しゅん)

 元生徒会役員であり、理論派の人物だ。


「僕たちはお互いの順位を把握している」

「その守秘性を無くしてまで本気なんだ。1位を取りたいと思うのは必然だよ」


 Aクラスでは既に、互いの実力が共有されている。

 それは通常なら絶対に行われない行為。

 だが──

 彼らは本気だった。


「まあ、僕たち以外のクラスで特に警戒するならEクラスだね」

「逆に穴と呼べるならCとDかな」


 何人かが頷く。


「Cは何かが突出しているわけでもなさそうだし」

「Dは数人のスキルと立ち回りがバレているからね」


「私は個人的にDが鼻につくから、ランキング戦までの期間中に徹底的にシバいてもいいと思ってる」


「ん〜、それは楠さんが1人でやってよ」


 陽陰は肩をすくめる。


「流石にスポーツマンシップに欠けてる行動だと思うよ」


「まぁまぁ」


 柔らかい声が会話に割って入った。

 空上 刹那。

 彼女は手を合わせて微笑む。


「しのも落ち着いて、ね?」

「刹那は皆が仲良しだと嬉しい!」


 空気が少し緩む。


「刹那は何も思わないの?」

「自分の能力がバレてるっていうのに」


「わたし...?」


 彼女は首を傾げる。


「全然だよ!」


 そして、にこっと笑った。


「だって、刹那たちにはとっても強い人が付いてるじゃん!」


 その視線が向いた先。

 教室の後方。

 そこには、一人の男が静かに座っていた。


 腕を組み、壁にもたれながら。

 この学園の成績ランキング──

 4位。


「ね!一緒に頑張ろうね、付焼くん!」


 男は目を細めた。

 小さく頷くだけ。

 だが、その存在感は確かに教室を支配していた。


── ── ── ── ──


~Bクラス~


「いや〜、俺らは肉体的にバキバキな奴多いから物理で殴っていこう!」


「「「「「うおおおお!!!」」」」」


Bクラスの会議は一瞬で終わった。


── ── ── ── ──


~Cクラス~


 Cクラスは静かだった。

 理性的な空気。

 その中心にいるのは──

 小松 心海。


「ランキング戦までの期間に決闘を申し込まれたら、迷わず私に言ってね」


 彼女は淡々と言う。


「大抵の能力なら完封できるから」


 自信ではない。

 事実として語っているだけ。


「いや、俺のことも呼んでくれ」


 声を上げたのは盛田 稲(もりた いな)


「小松さん程では無いかもしれないけど、俺も大体の人には有利取れる」

「先生にも勝ったことあるし」


 教室が少しざわつく。


「人が多いことに越したことはないよ」


 小松は微笑む。


「私たちのクラスって何も無いように思われてそうだけど」

「意外とそうでもないのよ」


 そして少し考えた後、言った。


「同じ立ち位置...って言うと怒られそうだけど」

「境遇の近いDクラスと手を組むのもアリだと思うよ」


 その提案に、数人が興味を示した。


── ── ── ── ──


~Eクラス~


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── ── ── ── ──


~Fクラス~


 椅子に足を乗せながら、一人の男が笑った。

 林田。

 Fクラスの中心人物。


「ふん」


 彼は腕を組む。


「叩くのはD」


 教室の数人が笑う。


「特に水谷」


 明確な名指し。


「Aクラスになら擦り寄ってやってもいい」


 プライドの高い男だが、戦略を知らないわけではない。


「ランキング戦は遊びじゃねぇ」


 その目は真剣だった。


「勝つためなら、何でもやる」


── ── ── ── ──


 それぞれのクラスは計画を立てていた。

 情報を集め。敵を分析し。

 その時のために準備をする。


 だが──

 彼らはまだ知らない。

 この動きが。この策略が。この緊張が。

 自分たちだけのものではないということを。


 この学園で動いているのは──

 彼らだけではない。

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