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家出  作者: 希言
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第三章:島に降り立つ

登場人物

•片山 れん:13歳、中学2年生。



【シーン1】大島港に到着


描写

フェリーが静かに接岸する。朝焼けの光の中、蓮がゆっくりと船を降りる。島には誰の姿もない。遠くに小さな集落と、朽ちた校舎が見える。


蓮(心の声)

「人の声がしない。車の音も、スマホの通知も……なにもない。」


(港にあるベンチに座り、リュックからおにぎりを出してゆっくり噛みしめる)



【シーン2】廃校の発見


描写

歩いて10分ほど。草が伸びた道を抜けると、赤茶けた屋根の建物が現れる。かつての「大島小学校」。錆びた校門と、割れた窓。だが、不思議と怖さはない。


蓮(心の声)

「昔、ここに子どもたちが通ってたんだ…。笑って、走って、呼び合って……。」


(校舎の裏手に回ると、雑草の中に倒れかけた遊具や朽ちたベンチ。木陰には、少しだけ雨風がしのげそうな空間があった)



【シーン3】寝床づくり


描写

蓮は、リュックから折りたたみシートとレインコートを取り出し、地面に敷く。草を手で払い、風よけに板切れを立てかける。


蓮(小声で):「今日だけ…今日だけここで寝て、明日はもっとちゃんとした場所を探そう。」


(空を見上げる。雲ひとつない、広い青)


モノローグ

「ここが、ぼくの新しい部屋。屋根も壁もないけど……誰もいないって、それだけで、少しだけ息ができる気がした。」



【シーン4】夜の孤独


描写

陽が沈み、島の空気が急に冷え込む。虫の声と、海の音だけが聞こえる。リュックを枕にして横になった蓮は、何度も寝返りを打つ。


蓮(心の声)

「…ねむれない。お腹、すいた。……こわい。……でも……もう、もどれない。」


(月明かりの中、蓮の目に涙が滲む)



第三章の締めくくり(モノローグ)


モノローグ

「誰もいないって、やっぱり、さびしい。でも……もうちょっとだけ、ここにいてみよう。まだ、ほんの少しだけ、生きていたいから。」


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