第二章:港への道
登場人物
•片山 蓮:13歳、中学2年生。
•バス運転手(短い登場)
•港の職員(中年男性)
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【シーン1】夜明け前、自宅を出る
描写
午前4時。まだ薄暗い町。蓮は靴音を立てぬよう静かに玄関を開け、冷たい朝の空気の中、リュックを背負って家を出る。
蓮(心の声)
「ばれないように。見つからないように。」
(振り返らずに歩き出す。まだ誰もいない街灯の下、白い息が夜に溶けていく)
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【シーン2】黒島港へ向かう
描写
蓮は新居浜駅近くまで歩き、始発のバスに乗って黒島港方面へ向かう。車内は新聞配達員や工場へ向かう作業員ばかりで、学生の姿はない。
バス運転手(料金箱を指して):「小学生? 中学生?」
蓮(少し迷ってから):「小学生…です。」
(子ども料金で支払う蓮。運転手は特に何も言わず、発車する)
蓮(心の声)
「これで、最後になるかもしれない。誰にも、さよならを言わなかった。」
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【シーン3】黒島港のフェリー乗り場
描写
港はひっそりしていて、小さな待合所には自販機とベンチしかない。フェリーは6時すぎに出航予定。券売機で「新居大島・大人60円」と書かれたボタンを押す。
蓮(心の声):「たった60円で、ぼくの知らない世界に行ける。」
港の職員(乗船口でチケットを確認しながら):「一人か?…気をつけてな。」
(蓮は軽くうなずいて、フェリーに乗り込む)
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【シーン4】フェリーの甲板
描写
空が明るくなり始め、海の上に朝日が差し込む。冷たい風が蓮の頬を打つが、彼の目には一点の迷いもない。
蓮
「風が強くて、少し泣きそうになる。でも、違う。泣いてなんかいない。ただ…風が強いだけだ。」
「新居浜から15分。小さな船の旅が、蓮の大きな逃避行の始まりだった。誰にも見つからない場所を、彼は確かに目指していた。」




