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悪の華になる筈だった彼女を綴る  作者: 如月瑠宮
侍女の部(完)
31/38

悪になりえない麗しの華~昇華

 愚かな娘の首が転がり落ちる。その光景はあまりにも醜く、周囲の歓声に嫌気が差します。娘の首は王城の前に晒されるらしい。全く人というのは何処までも残酷である。愚かな娘の方が可愛らしいだろう。お嬢様には負けるが。私は貴女そのものは嫌いではありませんでしたよ。この世界には相応しくない純粋さ。次第に誰もが失っていく物ですから。貴女はこの世界でなければ、幸せになれたでしょう。哀れではあります。同情はしませんが。では・・・さよなら。ゆっくりお休み下さいませ。

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