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テレーゼ院長のセフィロト見聞録  作者: 西風の剣
第9章:農場運営の開始と両親の来訪
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第1話:農場運営の開始と計算あれこれ

 イチゴへの成長魔法を成功させたテレーゼは、妹たちと協力して、他の野菜の栽培や、農場運営(現状は耕種部門のみですが)を本格的に開始します。


 2月14日 一部誤字などを修正しました。

 イチゴに成長魔法を使っての実験成功に決意を新たにしたテレーゼは、次にイチゴの苗の育苗や、地野菜の種苗の増産に励んだ。なお、苺を収穫した株は、回復魔法やその後の肥培管理で十分に草勢を回復させた後で再び収穫の実験を行ったが、初回の収穫と全く遜色ない品質と量のイチゴが収穫できたため、テレーゼは極力、多年草であるイチゴの株の更新(古い株を廃棄して新しい株に植え替えること)を行わないことにした。いわば果樹園のように、同じ株を何年も栽培することを前提とした管理を始めたのである。彼女の気持ちとしては、頑張ってたくさんの果実を実らせてくれたイチゴを極力更新したくはなかったので、正直なところ同じイチゴをずっと育てて行けることが嬉しかった。


 また、有力な地野菜であるホームセンターで購入した唐芋に関しては、イチゴの成長実験の翌日に実験を行った。圃場に植え付けた唐芋の苗に成長魔法を使うと、あっという間に芋の苗が大きくなった。セフィロトでは、近年唐芋の産地で大問題になっている基腐病もとぐされびょう(この病気が発症すると、茎や芋(塊根)が土との境目付近から萎れ始め、最後には枯死してしまう。圃場内の残渣(作物収穫後に残った茎葉や根や収穫物にならなかった廃棄物のこと。病害虫発生の最大の原因の1つ)処理を徹底することが肝要である)の病原菌が存在しないことも大きい。そして葉や茎が黄色くなり始めたところで試し掘りしてみると、スーパーで売られている唐芋よりも数倍大きい、1個2キロ以上の芋がたくさんできていた。収穫可能と判断して、唐芋を姉妹総出で収穫した。文字通り豊作だった。


 テレーゼは収穫したばかりの唐芋3個を丁寧に洗い、早速、焚き火を用意して火魔法も併用しつつ焼き芋にした。正直な話、あまりにも大きな芋であるため食味や食感を心配していたのだが、ここしかないという絶妙な焼き加減でじっくりと仕上げた焼き芋は、食欲をそそるような美味しそうな香りが漂っていた。テレーゼが焼き芋を少しちぎって皮ごと食べてみると、味わい深い甘さが本当に癖になるような食味で、ねっとりとした食感も相まってとても上質な逸品である。これなら、1個の焼き芋を家族数人で分けて食べても十分に満足できるだろう。(テレーゼさん、本当に美味しくて幸せです・・・)と、一緒に試食したティアナが頭の中に語りかけてきた。


 妹たちは、昨日のイチゴと同じように生唾を飲み込みつつ姉の実験を見ていたが、テレーゼに一緒に焼き芋を食べようと誘われ、文字通り焼き芋に殺到した。


 「姉さま♡この焼き芋、凄く甘くて美味しいです♡」

 「テレーゼ姉さん、何でこんなに芋が甘くて美味いんだ?昨日のイチゴもだけど、本当に凄いよ!」

 「こんなに美味しい焼き芋は、絶対他所で食べられない。それと姉さんの魔法や技術や知識の力は、私たち妹を心から幸せにしてくれる。私はそんな姉さんが本当に好き・・・」

 「イーナ、この焼き芋大好きなの♪もちろん作ってくれたテレーゼお姉ちゃんもそれ以上に大好きなの♪」

 「テレーゼお姉さん、昨日のイチゴにもびっくりしたのですが、今日の焼き芋もつい食べ過ぎを心配するくらい甘くて美味しいです・・・」

 「アンナ、この焼き芋を食べていると、テレーゼお姉ちゃんに左手を治してもらったあとにもらった甘くて美味しいアメを思い出すの・・・」

 「こんな凄く美味しくて大きいお芋なら、たとえ1個でも家族みんな喜んで食べてもらえると思います・・・セフィロトでは見たことも聞いたこともない甘いお芋を、こんなにも簡単に生み出せる豊穣の女神様のようなテレーゼお姉さんと娘共々一緒に暮らすことができて、私たちは本当に幸せです・・・」

 と、ペルレ、アデリナ、ヘレナ、カトリナ、イーナ、ティアナ、アンナ、アリーナ。みんなとても満足そうで何よりである。


 唐芋は、冷暗所で長期間(適切に管理できれば半年程度)の保存が可能である。加えて、もし貯蔵中に発芽しても、ナス科のジャガイモのように有毒物質が生成されるようなことがないので、その点も有り難い。今日の実験で収穫できた分だけで、後日の栽培用に種芋を多少残しても、当分は妹たちのリクエストに応じての焼き芋を楽しめるだろう。


 (作者補足:唐芋が発芽した場合、通常は芽を取り除いて食べることが多いと思われる。芽は筋が多いが、前述の通り毒性はないため極端な話、発芽した芽を含めて芋を食べても全く構わない(作者は芽の表皮を剥いで筋を取り除いてから味噌汁の具に用いたりする)。但し、発芽に芋の養分が使われるため、芽が伸長するに従い芋の食味や食感が確実に落ちることから、発芽する前もしくは発芽に気付いたらすぐに芋を食べるか、発芽に気付いたその都度、芋から取り除いた方が良い。因みに、唐芋はアサガオと同じくヒルガオ科である)






 昨日のイチゴや先程実験を行った唐芋がとても上手く行ったのは良かったのだが、テレーゼが導入した大多数の一年草である地野菜には、イチゴや唐芋と大きく違う点があった。成長魔法を使う地野菜の一部には、種を収穫するために野菜としての収穫の時期が過ぎても成長魔法を使い続ける必要があった。つまり、その野菜が目の前で枯れるまで成長魔法を使うことになるのだが、これは次世代の命を育むという大義名分があるにせよ、結局は収穫もせずに自分の手で野菜の命を終わらせることを意味する。


 「テレーゼ姉さん、何も野菜が枯れるまで魔法使わなくても良いんじゃないか?少し待ってれば良いと思うよ」

 「テレーゼお姉ちゃん、イーナも頑張って種を集めるから、お姉ちゃんが無理しちゃやだ!」

 「イーナちゃんと一緒にアンナも頑張る!だから、テレーゼお姉ちゃんも、もっと休んで!」

 「みんな、ありがとう。私は大丈夫だから。心配させてごめんね・・・」と、アデリナ、イーナ、アンナ、テレーゼ。


 妹たちは、心優しいテレーゼの心情を慮って、成長魔法をある程度のところで切り上げて、その後は自然に種が収穫できるまで待っても良いのではないか、と提案した。それでもテレーゼは、植物の命をいただいて自分たち姉妹の生活の糧を得るということを自ら企画立案した以上、現実から目を背けることを由としなかった。


 姉の強い決意を目の当たりにして、妹たちは全員テレーゼに教えてもらいながら、無農薬栽培で最大のネックとなる病害虫対策をテレーゼの防御魔法に頼る以外は、耕耘、施肥、畝立て、播種、灌水、除草、収穫作業、残渣処理といった農作業に精力的に取り組み、ついに果菜を中心とした日本原産の良質な野菜を少量ではあるが、テレーゼの手をほぼ借りることなく収穫できるようになった。


 そんな妹たちをテレーゼは心底誇らしく感じ、また、たとえ不格好でも、これからも妹たちには失敗を恐れず、口先だけではなく自らが率先して行動する姿勢を見せ続けていきたいと強く思う。


 テレーゼが以前本で読んだ、日本有数の将帥だった人の言葉とされる、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」とは、まさにその通りだと思っている。もちろん健気な妹たちにとって、怠惰という言葉は限りなく無関係なのは百も承知である。


 だからこそ余計に、(まず自分自身が動く。たとえどんなに難しいことでも、言葉ではなく自分が先頭に立って行動するのよ。そうでなければ、妹たちに姉として胸を張って顔向けなんてできないわ。あまつさえ妹たちに行動させて、自分は口だけで何も行動しないなんて、自分が自分でなくなるレベルで噴飯物の卑怯な所業だわ!そんなの死んでもお断りだし、第一今までの自分の生き様に懸けても、冗談じゃないわよ!!)とは、まさにテレーゼ自身の、今まで半世紀生きてきた人生で培ってきた、強い自負や矜恃が篭もった魂の叫びそのものである。


 テレーゼの本質である、妹たち全員のためならば、ともすれば自らの身体や精神や命を犠牲にすることですら、微塵も躊躇わない熱く強く深い情愛や覚悟は、彼女と文字通り一心同体のティアナから、イーナ経由で妹全員の知るところとなり、姉への敬慕の情を更に強くするとともに、そんな姉に心配させるなど、「テレーゼ長姉の妹」として、まさに名折れであるとばかりに、各自自己鍛錬に一層励む妹たちであった。


 なお、個人情報管理に繊細な日本出身のテレーゼは、自分から話し掛けてこない限り、心の繋がりのあるティアナやイーナの思考に触れることは一切しておらず、自分の心情が妹たち全員に伝達されたことは知る由もない。つまり今回のテレーゼの言動は、彼女がこれまでの自分自身の生き様や矜恃に沿ったものに過ぎず、妹たちへの指示的な意図は一切ないが、結果的にその後の妹たちの自発的な学びに繋がっている。テレーゼは自らの行動によって強力なカリスマまたはリーダーシップを発揮するタイプ(言うなれば、妹たちに「背中で語る」タイプ)のリーダーと言える。






 そして、姉妹が農業を開始しておよそ6ヶ月。この間、テレーゼが51回目の誕生日を迎え、姉妹全員で心温まるお祝いが行われた。容姿は今までと同じく全く変化せず、見た感じ20歳前後のままである。妹たちの間から、テレーゼの片親または両親は、実は妖精族エルフであり、テレーゼは妖精族の血を引いているのではないか?という話が、妹たちの間で改めて語られたのは余談である(なお他の妹たちの誕生会も、その都度実施している)。


 閑話休題。テレーゼの隠蔽魔法と防御魔法で、魔物などの外敵からほぼ完全にシャットアウトされた農場は、常時数種類の果菜を中心とした野菜を、安定的に生産できるようになった。そろそろ自給自足の家庭菜園から、農作物の出荷も行う農場へとステップアップして良い頃合いであろう。

 加えて、相当簡略化しているが、日商簿記3級相当の貸借対照表、損益計算書、固定資産台帳、小口現金出納帳などの帳簿を作成して、本格的に始動する農場運営が丼勘定にならないよう意を用いたりもしている(流石に工業簿記の範囲までは当面不要であると、この件の発案者が判断した)。


 帳簿作成は言うまでもなくテレーゼの発案である。日商簿記資格は、前職で一時期通訳業務と総務事務を兼任することになった際に社内教育の一環で半年間、勤務時間中に1時間ずつ通信教育会社作成の簿記学習用動画を視聴する時間を与えられるなどして取得している。これは前職の会社幹部が、入社当初より即戦力レベルで通訳業務に通暁するテレーゼを、近い将来の幹部職員候補と見込んでの処遇による。

 加えて前職の退職後は、父方祖父の果樹園の青色申告作成も行っていたので、作物の栽培だけでなく、何とか必要十分なレベルには農業経営にも心得があるテレーゼである。なお帳簿記入は、テレーゼよりマンツーマンの指導を受けた、カトリナとアリーナが行うことになった。


 2人には計算するための道具として、電卓と算盤のどちらが良いかを選んでもらったが、煩雑な電卓のボタン操作は難しいとのことで、2人には先に算盤での加減乗除を、基本である九九から教え込み、次第に算盤を使った加減乗除の計算が問題なくできるようになった。


 経理を担当してくれるカトリナとアリーナには、桁が23桁、上段1珠、下段4珠という一般的なタイプで、左上のボタンを押すとワンタッチで「ご破算」ができる便利なワンタッチ算盤を、算盤ケースや算盤用の滑り粉などと一緒にプレゼントした。


 珠算に関しては、テレーゼが中学のとき、毎週土曜日の放課後(土曜日は、部活がなかった。因みに彼女が3年間所属した部活は剣道部であるが、そのことに関しては別の機会に語られることがあるかも知れない)に、社会人向けの近所の珠算塾に、高校受験の直前まで通った。基本を大切にしたいというテレーゼの意思で、全珠連の10級からスタートして1級まで合格しており、ある程度の心得はあった。


 テレーゼが当時使っていた、珠算検定の各級を合格した証である、色とりどりの合格証の貼られた算盤は、昔ながらの自分の指で「ご破算」を行うタイプであったため、妹たちに余計な不自由をさせたくないというチョイスだが、当初は2人ともテレーゼが使っていた算盤を使いたがったため、最終的には妹たち全員が誰でも使って良いということで話がまとまった。


 もっとも、その後も2人が機会がある毎に、テレーゼの算盤のほうを使いたがり、結局は両方のタイプの算盤に慣れたため、2人にとって計算する上でワンタッチの有無は、ほぼ関係がなくなったようである。 






 「九九って、帳簿だけでなく、日頃のちょっとした計算にも使えて便利ですね。あと、テレーゼお姉さんが私やアリーナのことを考えて解りやすく教えてくれるから、本当に嬉しいです」

 「テレーゼさんが紹介してくれた計算の道具はどっちも素晴らしいんですけど、カトリナとも話し合って、お姉さんも以前修練していた算盤のほうを主に使いたいです。電卓はもっと計算に慣れてから、改めて教えて下さい」と、カトリナ&アリーナ。テレーゼは、自分の経験から算盤から電卓への転向は比較的容易だが、その逆は非常に難しいという印象であり、2人が先に算盤を選んだのは良い選択だと思っている。


 九九に関しては、テレーゼと一心同体のティアナや、既に覚えているペルレはもちろんであるが、一緒に学んでいたアデリナ、ヘレナ、イーナ、アンナも完全に覚えたため、折角なので、次はテレーゼが知っている数種類の暗算のコツを教えた。


 ・(例)99円の品物を9個買ったら、いくら?

 これをそのまま掛け算や指算ゆびざんで計算ができるのなら、それに越したことはないが、慣れないうちは、最初にキリの良い数字で(100円×9個)と計算し、次に余分な数字の(1円×9個)を計算し、最後に両方を引き算すると、手数は必要でも結果的に速く計算できて間違いも少ない、という具合である。


 (作者補足:なお、ここでの「指算」は、暗算のときに指だけで算盤の動作を再現して、それにより計算する珠算の技法である「指算盤ゆびそろばん」のことを指す。但し指算は、言葉が似ている「指折り算」を意味することもままあるため注意のこと。因みに、珠算では「指折り算」は一切使用しない)


 この手法はテレーゼが、特に中学の遠足の前日に同級生にスーパーなどで会うと、お菓子の金額の計算(遠足のお菓子の総額を、先生から指示されていたことによる。帰国子女であるテレーゼの珠算教室通いと暗算の速さは、本人の知らない間に同じクラスどころか、校内の同学年の生徒ほぼ全員(約300人)や教諭たちにまで知れ渡っていた)を度々頼まれたり、暗算のコツを聞かれるなどする中で試行錯誤して身に付けたものである。


 暗算のコツを妹たち全員が覚えたことで、つい先日、「マルクトの街の店で買い物したとき、店員よりも計算が速くできた。店員から誉められて、品物をおまけしてもらえた。流石姉さん」と、ヘレナがとても嬉しそうに話してくれた。喜んでもらえて何よりである。






 テレーゼは、次に「伝票算」(現在の珠算では、残念ながら一部の団体主催を除いて、ほぼ廃止されている)のテクニックをカトリナとアリーナの2人に教えた。


 具体的には、左手で伝票をめくりながら右手で算盤を使う(加えて、計算した答えは右手に持ったままの筆記用具で紙に記入する。つまり、右手は算盤での計算と解答筆記の2役である)スタイルで計算を行うのだが、伝票を日常的に取り扱う機会の多いセフィロトでは相当に有用だと考えたからである。


 但し、伝票算の計算中は算盤を左手で把持することができず不安定なので、コツとしては算盤が計算中に動かないようにゴム製の留め具を使うと楽である。そこで、伝票を止めるためのブッククリップや、伝票をめくるための紙めくりクリーム(指サックとどちらを使うかは個人の好みであるが、指の感覚や紙のめくりやすさという点を考慮して妹たちにクリームを勧めた)と合わせて、2人にプレゼントした。


 (作者補足:前述の伝票算の説明は右利きの人の計算スタイルである。左利きの人に関してであるが、算盤が基本的に左から右に向かって計算することに加えて、当時の伝票算の問題集が、左上端でホチキス止めされた形で製本されていたため、右手で左上に紙をめくり上げることは非常に困難で、こと伝票算に限って言えば、右手で伝票、左手で算盤という人は、ほぼ皆無に近い状況だったようだ(もちろん、珠算教室や珠算検定以外の事務仕事で用いるのであれば、伝票の止め方や、算盤の計算のやり方を工夫すれば可能と思われる))


 あと「開平算」(いわゆるルート(√)の計算)は、珠算でも特に難解な部類であり、また基本的に帳簿整理には不要と思えるため現状では省略した。






 (妹たちに何かを教えるとき、昔教育実習で自分たちの後輩に試行錯誤しながら教鞭を執ったことを思い出すわ・・・あと、その時の拙いけど貴重な経験が、確実に役に立っているのは有り難いわ・・・人生においてどんな経験でも、何一つ無駄なことはないし、決しておろそかにしてはいけないと改めて痛感させられるわね・・・)と、テレーゼは日々妹たちにいろいろなことを教えながら、同時に自らも学びを得ることが多く、セフィロトでの妹たちとの生活に強い充実感を感じる毎日である。

 最後まで読んで下さり、ありがとうございます。


 テレーゼが先頭に立って行動することで、妹たちはそんな姉を見習って自らを磨き実力を向上させていきます。そんな愛娘たちを作者は誇らしく思います。


 簿記や珠算のエピソードは、かつて作者が学んでいたことを思い出しながら綴りましたが、本文でも触れたように現在の珠算では、伝票算がほぼありませんので、それを得意科目にしていた作者(因みに本文で触れた伝票算用の補助用具は、ごく最初の頃を除いて、慣れていたこともあってほぼ使っていませんでした)には正直残念に感じます。テレーゼが珠算と剣道に打ち込んでいたのは本文で触れたように中学生のとき(プロローグ4にもあるように、小学校時代の大半は母親と一緒にドイツ在住でした)ですが、作者は何れも小学生のときであるのが愛娘との違いです。


 あと、遠足前日のスーパーでお菓子の総額計算を頼まれた話は、当時住んでいた団地の校区内には、数軒の駄菓子屋を除くとスーパーが2つ(因みに同じ団地の校区外にも複数ありました)で、高確率でクラスメイトに遭遇することから、小学生高学年時のある意味年中行事のようなモノでしたが作者の実話です(加えて小学校5~6年の担任からは、年に数回放課後に、珠算で教職員組合か何かの帳簿計算を頼まれるということもありました)。もし計算を間違えると流石に拙いので、当時は、ある意味珠算の検定よりも緊張したように思います。


 次話は、農作物出荷にギルドの協力を仰ぐ話と、末妹が急成長を遂げる話です。

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