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The battle of parallel world  作者: 青緑
鉄虎と姫
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21/22

道中

「なんだあの軍隊は……」


呆気にとられる日高の前方800mほど先、日が照りつける平原の中心にその軍団はいた。


1万に達するであろう軍団の迫力はつい先日戦ったリエージュ軍とは比べ物にならない。


あんなのに攻撃されたら……と戦々恐々する日高、しかし横で双眼鏡を覗いていた下北の言葉が彼を安堵させた。


「あれ? あの旗フリースラントのじゃない? 村で見たのと同じだよ」


下北から双眼鏡を受け取った日高が彼女の指差す所を見れば、宴会の時村で見かけた旗と同じものが見えた。


「確かにそうだな。それなら攻撃されることはないだろう。」


日高はほっと息をつく。


「本当に? あっちの人達は私達のこと知らないんだよ? ティーガーも怖がるだろうし」


落ち着きを取り戻す日高に対し、下北はまだ警戒を解いていない。 双眼鏡を日高に渡してからずっと周囲を警戒している。


「それも一理あるな。敵と間違えられて攻撃されたらたまったもんじゃないし。 よし、葵。寝てる奴らを起こしてくれ。見つからないうちにここから離れよう」


「りょうかーい!」










平原から離れた日高らが移動したのは山の中の小さな道路。舗装などもちろんされてないため凄く揺れる。別の道を通りたいところだが先程の軍団と鉢合わせては困るのでなるべく見つかりにくい山道を走ることになった。

しかし、遅かれ早かれドワーフの住む所へ行くには山の中を進むしかないためこのルートを通ることに異議を唱える者はいなかった。




「そう言えば平原にいた軍隊はなんだったんだろうね?」


ティーガーの上に立つ下北が思い出したかのように話始める。


「なにって、そりゃ前線への増援だろ。近く攻勢にでもでるんじゃないか?」


「そうかな? 攻勢には戦力少ないと思うんだけど」


「まあ詳しいことは分からんが……取り合えず、ティーガーから降りろ。そして手伝え。サボってんじゃねぇ」


「えー、疲れたし少しぐらい風を浴びさせてよー」


「文句言うな! はよ降りろ!」


下北が文句を垂れながら地面へ降りる。


日高がここまで言うのには理由がある。現在ティーガーは道の真ん中で立ち往生している。長距離走行の影響か履帯が外れたのだ。


ここまで故障が無かったのを感心する一方で、何故ここで故障するのかと辛い気持ちになる日高。

修理に馴れてない上、ここは山の中。非常に作業がしにくいのである。

そのため5人全員で作業しなければならないのだが……


「おい、ストラールはどこいった?」


下北が降りたのを確認すると同時にもう一人いなくなっているのに日高は気がつく。


「あれ、さっきまでそこにいたはずなんですが」


同じく作業をしていたヴォルクが顔をあげ答える。集中していたため気づかなかったようだ。


ふと、誰かが日高の肩を叩く。振り向けばリーフデがテケ車を指差していた。


テケ車の上ではストラールが寝ていた。それはそれは気持ち良さそうに。


それを見た日高は静かに言った。


「ヴォルク、奴を撃て」


「待って下さい! 謝らせますから! 感情を無くした目でそんなこと言わないでください!」




なんやかんやあったが無事履帯の修復も終わり一行は順調に進んでいた。

そして数時間後、ついに大きな町が見えてきた。


「あれがドワーフの町かな? 随分とデカいな」


「工業が得意な種族だから町の発展が進んだんじゃない?」


下北の発言を裏付けるように町のいたる所から黒い煙があがっており、多数の工場があることが伺える。


「これならティーガーの改造も任せられるね」


「そうだな。それじゃあ早く行こう!」


5人を乗せた2台はドワーフの町へと入っていくのだった。

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