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The battle of parallel world  作者: 青緑
鉄虎と姫
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22/22

アスベルト

ドワーフの町アスベルト。 山の麓にあるこの町はリーフデ達の村の何倍もの大きさがあった。 町の各地には煙突が立ち並び元気良く煙を吐き出している。


「産業革命期のイギリスってとこか。随分と発展してるんだな」


「でもイギリスとは違って町はきれいだよ。少し煙たいけどね」


町を見物しつつ大通りを進む。石やレンガで作られた新しく家が立ち並びあまり工業の町という雰囲気は感じられない。道端には沢山のドワーフ達が珍しいもの見たさに集まってきていた。彼らはシャンベリーと同じで人間そっくりだった。違う点を挙げるなら肌の色が少し濃いことと背が小さいことだろう。


「さてと、勇次郎は何処かな。先に来ているはずなんだが」


特に集合場所などは決めてないが、まあこんだけ騒ぎになれば気づくだろう。と日高が思っていると案の定ドワーフ達の間からその人物は現れた。




何故か馬鹿デカい戦車に乗って。




「よお道行、遅かったな。」


砲搭の上で手を振る平戸。彼を乗せた戦車はその巨体を建物にぶつけながらこちらに迫ってきた。


「なにやってんだ勇次郎! おい、止めろ、こっち来るな! 主砲を動かすな!」


「久しぶりにお前と相撲しようと思ってな」


「お前と相撲なんてしたことないだろ! ああ、速度をあげるな! リーフデ、バックしろバック!」



多くの群集の集まる町中で、戦車対戦車の熱いバトルが始まったのだった!









「随分とはしゃいだみたいだな」


町の中心部、町一番の煙突が立つ工場に日高らはいた。ティーガーの燃料が尽きかけたため大慌てでやってきたのだ。 この世界ではオーパーツであるはずの戦車を修理出来るとだけあって工場の中は町以上に発展していた。

広い工場をドワーフか忙しくそうに走り回っているなか一人の屈強なドワーフが説教をしていた。


「あの戦車、シャール2Cだったか、あれは故障しやすいから気を付けろと言っただろう。それなのに全速を出すわ壁にぶつけるわ、挙げ句の果てに戦車で相撲だと? 貴様らは馬鹿なのか?」


「「「すいませんでした」」」


シャール2Cに乗っていた勇次郎や他のドワーフが床上で正座させられている。が同情する者は誰もいない。


「まったく……。 とすまんな勇次郎の友人達よ。私はビルム。この工場を束ねる者だ」


説教をしていたドワーフは日高のほうを向き深くお辞儀をする。


「ご丁寧にどうも。僕は日高道行といいます。後ろにいるのは左から下北葵、リーフデ・ハーグ、ヴォルク、ストラールです」


「はっはっはっ、勇次郎とは違って君は礼儀正しいな。門から落ちてきたのがあの馬鹿ではなく君だったらどんなに良かったことか」


ビルムがそう言うと、平戸が立ち上がり抗議する。


「リーダー! そんな事言わないでくださいよ! 俺けっこうこの町に貢献してきましたよ!」


「確かにお前はこの町に貢献した。お前が来てからたった半年でこの町は大きく進歩した。だがな? それを打ち消すほどにお前は色々やらかした。過去に町を半壊させたことは絶対に忘れないからな」


「……すんません」


「分かったらもうしばらく正座しておけ。正座が終わったら反省文だぞ」


「うっす」


反論のしようがない説明に平戸は諦め顔で正座する。


「さて、そろそろ本題に入ろうか。君達の依頼は戦車二台のエンジンの交換、砲弾の補充、後細かい修理でいいのかい?」


「はい、それで問題ないです。全部でどれくらいの時間がかかりますか?」


「そうだな、約二週間ってところだ。ああ、心配するな寝床やらはこっちで用意してある。空いた時間は観光でもするといい」


「いいんですか? 何か手伝うこととかありませんか?」


「大丈夫だ。設計図さえ書いてくれれば後はオレ達だけでやる。心配しなくてもきっちり仕上げてやるよ」


ビルムはどんと胸を叩く。その自信しかない表情を日高は信用することにした。あらかじめ書いておいた設計図を渡し工業を後にする。










工場を出るといつの間にか日が落ちていた。それでもこの町はまだまだ喧騒に包まれていた。道路に建ち並ぶ露店を眺めながら日高達は宿へと向かう。


「いやー今日は疲れたよ。早くベッドに飛び込みたいな」


下北は大きくあくびをする。


「お前はずっと座ってただけだろ。一番疲れるのは運転手に決まってる」


そう言って日高が後ろを振りかえるとリーフデが眠そうな目で歩いていた。今日一日ティーガーの運転は彼女に任せきりだったから疲れるのは当たり前だ。


「大丈夫かリーフデ? 何ならあいつらみたいにおぶってやるぞ?」


日高の指の先には恨めしそうな顔のヴォルクとその背中で気持ち良さそうに寝るストラールの姿がある。


「心配しなくても平気」


「そうか。まあこれからしばらくは暇だからなゆっくり休んでくれ。休息をしっかりとったら観光でもしよう」




程なくして彼らは宿へと着く。部屋はひとつだったが5人でも充分過ぎるほど広い。


「やれやれ、風呂にも入らずに寝て。明日の朝後悔するぞ」


部屋に入るなり寝てしまった4人に日高が呟く。誰の反応もないのを見ると彼は一人ずつ布団をかけていく。それが終わって荷物を整理していると彼にも睡魔が襲ってきた。


「ふわぁ、もう少しで片付け終わるんだがな……」


片付けを続けようとするも眠気には勝てず、次第に彼の意識は夢の世界へ落ちていった。

お久しぶりです。


今回登場した車輌はシャール2C。フランスの超重戦車です。

デカいノロイ古いと三拍子揃ったこの戦車に活躍の場はあるのか? お楽しみに!



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