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6ー6

 僕が整備を始めてから三十分くらい過ぎた頃、手の空いた整備士さんが溶接をしてくれることになった。


 半分に分断された機体は、ゆっくりゆっくりとつなぎあわされてゆく。


「わぁ、すごいや」


 僕が感嘆の声をあげると、整備士さんはお手の物、とばかりに溶接を終えてくれた。


 僕はサンドペーパーで溶接のはみ出した部分を丁寧に磨くと、コクピットに乗り込み、ゼロゴーがまだ生きているかの確認をした。


《搭乗者、新田 晶。承認しました》


 やった。あんなにボロボロになっていたのに、ゼロゴーはまだちゃんと生きている。


 と、急にゼロゴーが愛しくなってきた。


「生きててくれてありがとうな、ゼロゴー」

《理解不能》

「ふふっ。それでいいよ」


 コクピットから降りると、整備士さんがあたらしく考えた武器を見せてくれた。


「相手がバズーカ砲なら、こっちはムチだ。このムチを振るってボタンを押すと、電撃が走って爆発させることができる。アキラ、おまえにその役目を任せていいか? ますはバズーカ砲を狙ってくれ。あれがあると、艦が危ない」

「わかりました。やってみせます」

「なぁ、アキラ。おまえ、だんだんいい顔になってきたな」

「そうですか?」


 ああ、と年配の整備士さんは囁いた。


「お姉ちゃんと戦うのに葛藤はあると思うけど、俺たちだってまだ死にたくないんだ。そこをわかってほしいんだ」

「……はいっ」


 そう、誰だって死にたくない。そのために立ち向かわなければならないのなら、お姉ちゃんだって攻撃してみせる。


 もう、説得しようなんて思わない。


 そこで整備士さんの無線に連絡が入った。


『そっちにアキラいる?』


 その声はドクターのものだ。


「ああ、いるぞ」

『ナナミの目が覚めたからこっちに来るように言ってくれるかしら?』

「ほい、任された」


 無線を切ると、整備士さんは僕の手から電動スパナを取り上げた。


「あとは俺たちがやっておくから、おまえはナナミに会いに行ってやれ」

「はいっ」


 と、振り向きかけたところを呼び止められる。


「軍手をはずして。なるべく清潔な状態で行けよ。ちょっとした塵でも具合が悪くなると困るからな」


 それは、僕にも渚さんにも言えたことだった。


「ありがとうございます。行ってきます」


 軍手を外すと今度こそ医務室に向かって歩く。


 今度はちゃんと差し入れをあげたいから、一回食堂に寄ってオレンジジュースをもらってきた。


 そして、医務室のドアをくぐる。


     つづく

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