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お姉ちゃんが査察ってので拘束されているらしいということを聞かされて、僕の心臓がとくんとはねた。
まずい。発作が。
『おい、アキラ。俺の名前はトラオ・フクツキだ。これからおまえをつかまえるが、クリーン・ユニバース艦まで連れて行く。それでだな……? おい、どうした?』
「発作、が……」
薬。えっと。あった。
僕は首からぶら下げていた命の薬を強引に飲み込んだ。苦くて気持ち悪くなるけど、心臓が痛いよりましだ。
『大丈夫か? ひょっとして、マニュアル操作にすると健康に悪いのか? こっちも情報がないんですまんが、少しだけ我慢していてくれ』
ピーっというハウリングがアイシアから聞こえてきた。
アイシアは僕が苦しんでいるのをわかっている。
『待ってろよ、坊主。クリーン・ユニバースには優秀な医師がいるからな。できるだけマニュアル操作のままでいてくれ』
うん、って答えるのが精一杯だった。
こんなに苦しくなるってわかっていたら、オートモードのままにしておけばよかった。
だけど、それだとトラオさんを傷つけてしまうだろう。
だから、マニュアル操作のままでいる。
《酸素を吸入してください。酸素を吸入してください》
僕は、アイシアにしたがって酸素を口につけた。
少しだけ意識がはっきりしてくる。
『よし、おさえた。ここから艦まではそんなに距離がないから、すぐだぞ。しっかりしろよ』
おまえになにかあったら寝覚めが悪い。
トラオさんはそれで、僕の機体をつかんで飛んだ。
こうして飛ぶのは久しぶりすぎて、圧力に負けそうになる。だけどそれでも呼吸することだけはわすれないでいた。
そして、さっきトラオさんが言った言葉が思い出される。
タケノコは07まであったんだ? そうすると、僕より先に到着していたのかな?
でも、生存者は僕だけ?
意識を手放しそうになりながら、着艦する。
そうしてコクピットを開けると、急に安心して意識がなくなってしまった。
情けないな、僕。
子供の頃から病気ばっかりで、家族に迷惑ばっかりかけて。
お姉ちゃんにもきっと嫌われているはず。
それなのに僕に会うと笑顔を見せてくれて、優しくしてくれる。
僕はなんて恵まれた人生を歩んでいるのだろう。
つづく




