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新延命装置タケノコ  作者: 空羽 叶
第一章 新田 晶
2/35

1ー2

『こちらクリーン・ユニバース。こちらクリーン・ユニバース。応答願います、どうぞ』


 すごいや。いきなり無線が入り込んできた。


 声の感じだと、強そうな男の人ってかんじだけど、どうなのかな?


「えっと。こちらタケノコ05(ゼロファイブ)新田(にった) (あきら)です。どうぞ?」

『子供か? 一人?』


 男の人は、僕に話しかけてきた。


「はい。一人です」

『タケノコシリーズは07(ゼロナナ)まで確認できたが、生存した状態で発見できたのはおまえが初めてだ。側に行ってもいいか?』


 クリーン・ユニバースの人が少しこっちに間合いをつめると。


《敵機接近! 敵機接近! これより反撃モードに切り替えます》


 人工知能のアイシアが勝手に銃を構えてる。って、銃なんてどこから出てきたのさ!?


『やっぱり生存者がいても守るか。悪いな、アキラ。攻撃させてもらうぞ。そうしないとこっちがやられ損だからな』


 そう言ううちに、シートベルトがさっきよりきつくなって、銃撃戦が始まってしまった。


「ちょっと、アイシア。敵機じゃないみたいだよ!? 攻撃を中止してよっ」

《生存者の命を守るのが我の使命。攻撃を続行する》

「もう、アイシアってばっ!!」


 この宇宙で初めて人に会ったんだ。攻撃なんてやめておくれよ。


『おい坊主、マニュアルにできるか?』


 マニュアル? たしか、手動にするやつだ。


 全部英語だった取扱説明書にちゃんと書いてあったから覚えてる。


 たしか。このあたりに、と椅子の右下をまさぐる。と、キーボードが出てきた。


《暗証番号を入力してください》

 

 マニュアルに切り替えるには、暗証番号が必要だ。


 僕は、お姉ちゃんに教えてもらった暗証番号を押した。1408。お姉ちゃんの誕生日だ。


《マニュアルに切り替えます。マニュアルに切り替えます》


 アイシアはそう言って静かになった。


「マニュアルにできました!」

『よくやった、坊主。今そっちに行くからな』


 あれ? だけど僕、ここを離れたらお姉ちゃんからの物資を受け取れなくなっちゃう。


「あの。僕をどこかへ連れて行くんですか? 今日は物資を受け取る日なので、ここから離れられないのですけど?」


 僕が言うと、男の人はしんみりとした声で。


『悪いが坊主。研究所は国から査察が入ってな。全員その場で拘束されているところだ。だから今日は物資が届かない』


 僕は頭の中が真っ白になった。


 査察ってなに?


 お姉ちゃんも拘束されているの?


     つづく



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