6ー2
ミヤさんと一緒にプレイルームに来ると、トレーニングをしているトラオさんとテリーさんに会った。
あんなに激しい戦闘の後なのに、二人ともタフだなって思っていたら。
「どうした? アキラ。もう懲罰房へは行かないつもりか?」
笑いながらトラオさんが言ったから、多分もう懲罰房に行かなくてもいいんじゃないかと思った。
「シューティングブースをやってみたくて」
「いいぞ。ほれ、ここに座れ」
テリーさんに導かれて、液晶パネルが三枚横に並んだ前の椅子に腰掛けた。
「最初だからレベルワンでいいわよね?」
ミヤさんは手早く情報を入力してくれた。
《搭乗者、新田 晶。承認しました。レディ――》
そして突然撃墜された。
よくわからなくてぼんやりしていると。
「馬鹿だな、アキラ。敵が待ってるわけないだろうよ。いきなり撃墜されるわけだ」
「そんな。じゃあ、トラオさんがやってみてくださいよ」
「いいぜ」
トラオさんはしっしと手で僕を追い払うと、慣れた調子で椅子に座った。
「いいか? 搭乗した瞬間から始まってるんだ」
《搭乗者、トラオ・フクツキ。承認しました。レディ――》
ぴゅんと一機撃墜する。ついで、二機、三機とつづく。
「すごい」
「あたりまえだ。俺たちはこれで飯食ってるんだ」
そう言われても、すごいものはすごい。
「ほんじゃ、次は俺様の腕を見てもらおうかな」
テリーさんは腕まくりをして椅子に座りかけた。
と、そこへ整備士さんからテリーさんとトラオさんに無線連絡が入る。
『艦の整備で人手がいるんだが、二人こっちに来れないか?』
「すぐ行く」
そうして無線を切った二人は、じゃあまた、と言い置いて去って行った。
「艦の補修までするんですね。すごいなぁ」
僕が関心していると。
「さぁ、アキラくん。今度は出撃前に撃墜されないように気をつけてやってごらんなさい」
ミヤさんに言われて、僕ははいと返事をすると、あらためて椅子に座った。
《搭乗者。新田 アキラ。確認しました。レディ――》
今度は油断しない。
いきなり攻撃を仕掛けてくる敵機を撃墜し、死角から迫る機体も撃墜した。
あくまでも練習だから、ここまでできるのだけれど、これに人が乗っていると思うと冷や汗が出る。
だけど、そのつもりで練習を重ねた。
そのうちに少しずつレベルアップして、得意になったところを撃墜されてしまった。
「残念。あと少しでレベル三十までいけてたのにね」
「これって最高でいくつまでレベルがあるんですか?」
「さあ? 百やそこいらかもしれないわよ。どう? 練習しているうちに勘が働くようになってきたでしょう?」
「はい。すごくためになります」
「それはよかった。あとは05がどこまで復活できるかよね」
「あの……」
僕は言ってもいいのかわかわからなくて下を向いた。
「なにかわからないことがあるの?」
「はい。オーロラ号なんですけど、あれって前から襲撃してきたんですか?」
「いいえ。あなたを助けてからが初めてよ」
そうなんだ、と言い置いて。
「それじゃ、僕を助けたせいで狙われるようになったんですか?」
「GPSが付いてたからことは予想外だったけど、アキラくんのせいじゃないよ。あの子、サーシャって子の言っていたことから想像すると、前からうちの艦へ襲撃かけたかったみたいだもの」
だけど、どうしてなんだかわからないと僕が言うと。
「若いってだけでせっかちになるものよ」
そんな風に答えてくれた。
つづく




