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新延命装置タケノコ  作者: 空羽 叶
第三章 新田 晶
22/36

5ー5

 痛み止めを打たれた後、渚さんは一気に身体の力を抜いて眠りについた。


「ごめんね。今はこんなことしかできないんだわ」


 渚さんを見て、僕はなんの苦もなく今を生きていることが恥ずかしくなってきた。


 と、同時に彼女を守りたい衝動に駆られた。


「アキラどうする? このまま艦のこうげきがつづくと、ナナミの骨はもっと折れるかもしれないよ。最悪の場合、肺血症で死ぬかもしれない。それでいい?」


 ためされている。僕は、お姉ちゃんと戦えるのか?


「ナナミだって、ここまで体調が悪くなければ07(ゼロナナ)に乗って戦っていたかもしれないんだ。ミヤを攻撃したことを後悔しているからね。きみは、どうすんの?」

「僕は……」

『クリーン・ユニバースへ。トラオだ。艦の損傷が激しいのと、敵機の有人ロボットが二体もある。一つはアキラの姉ちゃんのと、あと一つはわからんが、おそろしく強いっ』


 トラオさんの報告が聞こえると、艦が戦慄した。


 このままだと、艦ごと新型機に爆撃されるおそれがある。それは、ここにいるみんなの死を意味する。


「僕、出ます。ゼロゴーに乗せてくださいっ」

「いい顔になってるじゃん、アキラ」


 ドクターはそう言うと、僕を優しく追い出してくれた。


 僕は早足でガレージへ向かう。すでに一号機と四号機、それにようやく整備を終えた二号機が出陣していた。


「やれるのか? アキラ」


 整備士さんに問われて、力強く頷く。


「はい。僕にも守りたい人がいるんです」

「たのむぞ。このまま艦が攻撃されたら、最悪ドッカーンだからな」

「そんなことさせません」


 クリーン・ユニバースのみんなは、宇宙で漂うしかない僕を拾ってくれた。そして、優しくしてくれた。


 僕はその優しさをあたりまえのように受け取りすぎていたんだ。


 そのことを反省するなら、実力で示すしかない。


「アキラ、シールドはあるが盾も装備したし、ビームライフルも装備した。おまえがその気になれば、タケノコは守ってくれるし、この艦も助かる。まかせたぞ」

「はいっ」


 そして僕はゼロゴーに乗り込んだ。


《搭乗者、新田 晶。照合完了しました。オートモードですか? マニュアルモードですか?》

「マニュアルで」

《了解しました。マニュアルモードに変更しました》

「行きますっ」


 レーンの上に乗った僕は、ゼロゴーが受ける圧力を極力我慢した。


 僕がとめなきゃ、みんなが死ぬかもしれない。そんなのはダメだ。


 だけど。戦場に出ると、いきなり無人機に攻撃されてしまう。


 無人機は一つずつはとても小さいけど、蚊に刺されるようにたくさんあるから厄介なんだ。


 僕は無人機をビームライフルでなぎ払う。


「やるんだ。僕はみんなを守るんだっ」


     つづく



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