4ー5
ヘルメットをかぶったままタケノコに乗り込んだら、ブザーが鳴ってしまった。
やっぱり宇宙用のヘルメットじゃなければ乗ることができないらしい。
僕は整備士さんにヘルメットを渡すと、宇宙用ヘルメットをかぶり直した。
《照合します。新田 晶。シートベルトを装着してください》
さっき乗った時と言葉が違うからあせっていたら、整備の人がカスタマイズしておいてくれたらしい。
「ありがとうございます。行ってきます」
『アキラ、先に行くぞ』
トラオさんが威勢よく飛び出すと、つづいてテリーさんも飛び出した。
僕は一番後から出撃する。
宇宙空間はすでに戦場になっていて、無人機の真ん中で守られるように人型ロボットが立ちふさがっていた。
『アキラ。手加減しないからそのつもりでいてね。あなたのせいで、両親は死んだのだから』
「え?」
両親が死んだ? そんなことは知らない。だけど今は、お姉ちゃんと戦うしかないんだ。
「お姉ちゃん、ごめんね」
タケノコとは違うロボットは、ずんぐりしていていきなりビームサーベルを抜き放った。
そのサーベルが、無人機ごとトラオさんの一号機に斬りかかってゆく。
『お譲ちゃんには負けねぇよ』
お姉ちゃんは力でトラオさんに負けていた。
もどかしい思いで僕は無人機を斬りつけてゆく。
そのうち力で押されたお姉ちゃんが悲鳴をあげて後ろに飛ばされた。
「お姉ちゃん!! 降参して。お願い』
『誰が……』
お姉ちゃんの声は驚くほど低かった。
『せっかくあたしを必要とされているっていうのに、誰が降参なんてするものかっ!!』
後方に飛ばされた勢いから前に進み出たお姉ちゃんが、僕のゼロゴーに斬りかかってくる。
『アキラ!!』
「お姉ちゃん、お願いっ。戦ったら傷つけちゃうよ」
『あんたにだけは負けないっ!!』
お姉ちゃんの攻撃で、ゼロゴーの腕が斬り落とされた……と思ったのに、無傷だった。
ゼロゴーが自分から防御のシールドを張ったのだ。
『こんなこともあろうかってな。整備士と相談してシールドをつけたんだ』
テリーさんの四号機がそれを教えてくれた。
『小癪なっ』
お姉ちゃんはそれでも僕のゼロゴーを斬りつけようとしてくる。
だけど、僕はもう無力な子供じゃない。短期間でいろんなことを知ってしまったんだ。
そして、みんなによって生かされていることを知った。
だから、負けないっ!!
僕はサーベルを持つお姉ちゃんの機体の右腕を斬り裂いた。
『ぐあっ。晶のくせにっ!!』
お姉ちゃんは叫ぶなり、撤退して行った。
「お姉ちゃん……」
去り行くお姉ちゃんの後ろ姿を、ただ見守ることしかできなかった。
つづく




