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4ー2

「彼女の名前は(なぎさ) 奈々美(ななみ)。アキラより一つ年上の十六歳よ」


 渚さん。僕は口の中で彼女の名前をつぶやいた。ゼロナナの搭乗者が女の子だったなんて。


「彼女はどこが悪いんですか?」


 僕が聞くと、ドクターはやれやれとでも言うように肝臓、と答えてくれた。


「生まれつき肝臓がよくないのよ。その点ではアキラとおなじね。で、その彼女を攻撃せざるを得なかったのがミヤ。ナナミはマニュアルに切り替える知識すらなかったってわけ」


 そっか。それでミヤさんの二号機が壊れてしまっていたんだ。


「それで、その。奈々美さんは元気なんですか?」

「とりあえず意識を取り戻しただけよ。まだ話もできないし、自分がどこにいるのかもわかってないわね」


 目が覚めて、いきなり知らない場所だったら、僕とおなじように混乱したんだろうな。


「奈々美さんに会うことはできますか?」

「ん〜、まだ辞めておいた方がいいわよ? 女の子って、すっぴんの顔見られるのを極端に嫌うから」


 そんなものなのかなぁ?


「それじゃ、話を変えて。ぼくのゼロゴーの損傷はどんな感じですか?」

「今整備中だけど、たいしたことないわね。さすが搭乗者を守るタケノコだけあるわ」


 そうなんだ? 無人機にたくさん攻撃されていたから心配したけど、よかった。


 だけど。


 それじゃあ、お姉ちゃんと戦う理由になってしまうな。


 できれば戦いたくないけど、お姉ちゃんがこの艦の人たちを傷つけるのはゆるせない。


 だって、クリーン・ユニバースのみんなはすごく優しくしてくれたから。


 本気で僕のことを心配してくれるから、厳しいことも言ってくれるんだ。


「クリーン・ユニバースは宇宙ゴミの回収だったが、オーロラ号のおかげで、またゴミが増えそうだな」


 笑いながらテリーさんが言った。


 宇宙ゴミ……。


「タケノコに乗っていた他の五人は本当に亡くなったのですか?」

「ええ。大気圏突入の際に機体の損傷が激しかったのと、病気が悪化したのと両方でね。遺体は宇宙にと思ったけれど、霊安室にいてもらってるわ」


 僕意外の五人は、確実に亡くなっている。


 お姉ちゃんはそのことも知っているのかな?


 週に一回の物資の配給の時の声も、どこかぎこちなかった。


 今は、お姉ちゃんのことは考えたくない。つらくなってしまうから。


 僕は、どうして生かされてしまったのだろう?


     つづく



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