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新延命装置タケノコ  作者: 空羽 叶
第三章 新田 晶
13/36

4ー1

 お姉ちゃんが宇宙にいた。あんなに会いたかったのに、今では敵になってしまった。


 僕はゼロゴーに乗る意外に使い道がないのだろうか?


 壊れものな身体が憎い。


 誰よりもなにも知らないままだった。


「まさか敵艦体があったとはな」


 トラオさんは心底意外そうにそうつぶやいた。


 無人機と交戦して、疲労した僕を、金魚鉢のようなヘルメットが癒してくれる。


「すごいですね、このヘルメット」

「おい、アキラ。無理しなくていいんだぜ? これからはオーロラ号と戦うことになるんだ。まったく、芽生が居ないって時点で、宇宙にいるってことを気づけなかった自分が恥ずかしいぜ」


 テリーさんはキザったらしく前髪をかき上げると、僕が今日の初陣で生き残れたことを褒めてくれた。


「取扱説明書は全部覚えてしまったので、無人機だったらいくらでもやっつけますよ」

「姉さんが来たらどうする? お前、戦えないだろう?」

「はい、はあ〜いっ!! 悪いけどこっちで話してもいいかしら?」


 トラオさんの言葉尻を奪ったミヤさんは、とても小さな部品を手に持っていた。


「やっぱりというか、GPS(ジーピーエス)が付いてたからこっちの動き丸わかりだったわ、アキラくん」


 GPSだなんて。


「アキラくんが搭乗すると、データがオーロラに送られるようにプログラムされていたから、それもぶっ壊しておいたわ」

「……ごめんなさい」


 僕のせいで、みんなを危険な目にあわせてしまった。


 それなのに誰も僕を責めない。これじゃ、病院にいるのと変わらないじゃないか。


 僕はもっと、みんなの役に立ちたくてゼロゴーに乗ったのに。


「僕がゼロゴーに乗らなければよかったですよね」

「それは違うかな?」


 ドクターは僕に紅茶を淹れてくれた。ヘルメットを外すと、案外疲労感が取れていることに気がついた。


05(ゼロゴー)にはアキラくんじゃなきゃ受け入れてくれないんだよ。他の人間じゃ動かない。最初に乗った時、棘が刺さったような感じがしたでしょう?」

「……そういえば、そうかも?」

「やっぱりね。その時にアキラくんの遺伝子情報が書き込まれているから、他の人が乗っても動かないよ」


 そうなんだ? ゼロゴーなら誰でも受け入れるのかと思っていたのに。


「あの、それで……」


 なんと言えばいいのかわからなくて、言いよどんでいると、ドクターがそうそう、と大声を張り上げた。


「ついさっき、07(ゼロナナ)の搭乗者が目を覚ましたよ」


 まさにその話を聞こうと思っていたところだった。


     つづく

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