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2話「ヴォルプリエの前夜」中編


 よく晴れた春の空、天高く昇った日の光を浴び白く輝く大教会。

 多くの来賓を迎え多量の人間でごった返すその結婚式場は、教会というよりはむしろ小さな城と言うべき建築規模を誇り、以前私が逃げ出した水の国でのパーティにも負けず劣らずの豪勢な宴の場であった。

 建物に一歩中に踏み入るとすぐに、煌びやかな装いの者達が鍋の中の煮物のように寄せ集まってこれから始まる祝い事に胸を高鳴らせていた。


「さて、私達も来賓として呼ばれたからには挨拶をしていかないとですけど」

「なぁそれ私もいかないとダメ……? この人ごみ、酔う……」 

「やっぱりダメですか? 今回は貴女が主役じゃないので、前みたいに色々な人からいっぺんに詰められる事は無いと思うんですけど」

「なんつーか、空気が無理、しんどい、呼吸が詰まる」


 よく磨かれた大理石の床、眩い装飾の施された色鮮やかな壁紙、高い天井、高尚な調度品。

 式場に誂えられたそれらは私の住んでいた城とさほど変わりなく、むしろ親しみやすさすら覚えるのだが……


「式の参加者のさ、どこか探ってくるような視線というか、かといって敵対まではしてこないって感じの中途半端な視線が、なんていうか、無理……!」


 建物の入り口に入ってすぐ、私には多量の人間から多くの視線が浴びせられていた。

 おかげで一分と経たず眩暈を覚え胃液がぐるぐると逆流を始めていた。

 つまり、めっちゃ気持ち悪い、気分が悪い。


「ふむ、視線ですか」

「うん、四方八方から飛んでくる、殺意向けられる方がよっぽどマシ」

「おそらくは品定めされてますね」

「え」

「貴族の結婚式ってつまりはそういう場ですからね、どんな人が来てるのか、知らない人がいるならそれはどんな人なのか、その人は自分の家にとって利になるかどうか、それらを品評する場ともなっているんです」

「何それ気持ち悪っ!?」

「そんな場にやってきた貴女は多くの貴族にとっては直接会うのが初めての人、それも英雄マティアスという大物ですから、この場の誰もが貴女を、マティアスという存在を見ないフリなんてできないでしょうね」


 イリスは私を、私ではない者の名で呼んだ。

 魔王討伐の英雄にして私の故郷を滅ぼした男、私の本名を公の場で語れなくした元凶。

 そして生存を赦された代わりに名を騙る事となった男、マティアスの名を。


「はぁそっか、じゃあもうそれはこの際我慢するよ、仕方ねぇ、でもさぁ……せめて敵なのか味方なのかだけでもいいからハッキリしてくれねえかなぁ、私に向けてくる視線全部、どっちつかずな輩が多いから頭が混乱するんだよ」

「社交の場にそんな白黒はっきりした人なんてそうそう来ませんよ」


 祝いの場と言うには緊張感があり、かといって戦場程には張りつめているわけでもない、独特な視線がこの場を満たして私の感覚を狂わせている。

 生まれてからずっと剣を生涯の友とし、ひたすら戦場で敵を打ち倒し続けた私の体にはこのような空気がどうにも受け付けられなかった。

 敵か味方か、死ぬか生きるか、それだけが全ての白黒はっきりした世界で生きていた私には、この場は異界としか思えない気持ち悪い場所であったのだ。


「悪い、やっぱりこの中で歩き回るのは無理だ、吐きそう」

「なるほど、まぁそんな気はしてましたよ、ですがご安心を! こんな事もあろうかと根回しは済ませてあります!」

「根回し?」

「勇者マティアスは先の魔王の呪いとの戦いにて負傷し体調不良、との情報を事前に関係者へ流しておきました、これで挨拶回りに同行する必要はありません」

「おぉ」

「なので、貴女は私が挨拶回りを済ませる間、どこか空き部屋で休んでいてもらえればと」


 それは実にありがたい申し出であった。

 正直この空気の中でさらにマティアスのフリを維持しろ、なんて言われても絶対無理だ、吐く。


「助かるよ、じゃ私は外に……」

「いや流石に式場内にはいてくださいよ」

「えー」

「えーじゃないですよ、体調不良ってだけで来賓である事には変わりないんですから、そこだけはちゃんとしてください、ここまでが私にできる最大限の譲歩と配慮です」

「……そう言われると断り辛い、けど」

「おぉ、態度の軟化! うんうん、いいですね、相談も無しに逃げた以前から大きく進歩してます! 少しづつ私達の側に慣れてきてますね! いいですね!」

「なんだよぉ、上から目線で物言うなよぉ」

「では早速行きましょうか」

「え、どこに?」

「いいから、いいから」


 多量の視線に酔いつぶれそうになる私の手を引いてイリスは教会の中をぐいぐい進み、人混みを搔き分け私を教会内部に据えられた客室の並ぶ廊下へと引きずって行く。

 そうしてたどり着いた先、式場の中心から離れた教会の端っこ、細長い廊下には「この先休憩室」と書かれた看板が立てられており、そこからさらに奥へ奥へと進むほど人気(ひとけ)は少なくなっていった。

 私に向けられる視線や気配も弱まり呼吸が大分楽になる。


「ほら、ここまでくればもう大丈夫でしょう?」

「助かったぁ、ありがと、だいぶ楽になった」

「でしたら私は面倒事を済ませてきますから、その間貴女は……」

「変な事はするな、だろ? 流石に分かってるってそれぐらい、適当に空いてる部屋でも借りて寝てるよ」

「お、おぉ……! 自発的に協力的な行動するなんて、なんて目覚ましい成長……! 素晴らしい、子を持つ母とはこんな気持ちなのでしょうか……!」

「馬鹿にしてんのか子供扱いすんな! とっとと用事済ませて来いっての!」

「わかりました、それじゃあお母さんがんばりますね」

「くたばれ、糞売女!」


 腐れ口を利きながら式場の中心へと戻っていくイリスへ中指を立てつつ、私は教会の隅っこ、客間へと続く扉が廊下へと一人残る事となった。


「はぁ糞ッ、調子狂うなぁ」


 誰もいなくなった廊下で一人、毒づきながら手近な扉のドアノブへと手をかける。

 どうにも調子が狂う、人が多すぎる、敵でも味方でもなく、かといって雑踏の他人程に無関心でいてくれない多数の視線。


 敵兵からの殺意ならなんともないのに、部下からの期待や羨望ならいくらでも受け止められるのに。


「無関係なのに関心を寄せてくる奴の視線が一番きっついって、何なんだコレ? 意味わかんねぇよ……」


 突如降って沸いた自分の弱点に戸惑いつつも、安らかな孤独を求めて客室の扉を開ける。

 とにかく今は休みたい、そう思ってドアノブを回し木造の大きな扉を押し開ける。

 扉の先には六畳一間の個室があり、大きなベットと床頭台、日光が差し込む窓が眩く輝きそして……


「「あ」」

「え?」


 抱擁を交わしながら互いの唇を今まさに重ねようとする、妙齢の男女がすでに部屋にいたのであった。

 今まさに一戦交えようという、身長差の大きな男女カップルがそこに居た!


「ご、ごめんなさい、部屋間違えました! 失礼します!」

「「あっはい……」」


 大声で謝罪の意を述べながら慌てて部屋を出て扉を閉めた。

 動機が止まらない、顔がものすごい勢いで火照っているのを嫌でも自覚する。


「な、なんでこんな所で! は、破廉恥! いや、個室なんだからいいのか!? じゃあ鍵かけろよせめて!!」


 駄目だ脳が混乱して考えが上手くまとまらない。

 ああいうのも知識としては知っていたのだが、実際の場面に遭遇したのは生まれて初めてだ。

 それに、破廉恥以外にももう一つ、気になった事が。


「しかも今のカップル、人間と、ビッグフットの……?」


 ビッグフットとは巨人系の亜人種と魔族の間に産まれた半人半魔の混血児の一族を指す。

 成人の身長が2m後半~3mという大型の二足歩行生物で、寒さに強い種が多いため主に寒冷地の制圧用兵員として重宝する種族だ。

 姿形は人間に近いが魔力構造はれっきとした魔族であり、人間からもきちんと魔物扱いされていたはずだが。

 そんな種族が、人間と、カップルに……?


 それに思い返してみれば式場の中心にいた人混みには、エルフを筆頭にビッグフット、タイニーフットなどの亜人種系統が多く見かけられた。

 半人半魔のはぐれ者が流れ着き定住した土地とは聞いていたが、まさかこんな式典にまで参加するなんて。

 もしや、これら元魔族や半魔族までひっくるめてこの地域の人間はこれから国として新たな門出を始めるのか?


「ちょっといいかな、ごめんよ」

「え? あ! こっちこそゴメン、通行の邪魔だったな、ちょっと気分が悪くて気が付かなかった」

「いいよいいよ、お大事に」


 頭の中に浮かんだ疑問を精査していると、廊下の奥のお手洗いらしき場所から出て来た獣人の女性とすれ違った。

 身長170㎝程、衣類の端から覗く肌は全身毛むくじゃらで、顔は狼の要素が強く表れ長いマズルと天を突き鋭く尖る長い耳を備えており、口には固い牙、腕には鋭利な爪、そしてバランサーの役割を果たすもふもふな尻尾が特徴の獣要素の強い獣人種。

 人狼と呼ばれる種族の女性であった。


「え、人狼……? 何で人間の式典に人狼が? アイツらたしかガッツリ私達まぞく側だったはずだけど……」


 獣人の中でも特に人間嫌いで、魔族側に強く加担していたはずの人狼までこの結婚式の賓客に加わっているようであった。

 何事も無かったかのように式場の中心へと歩いていく人狼の背を視線で追いかけてしばらく様子を伺うが、場内からは悲鳴や怒号などの声はまったく上がっては来なかった。


 魔王討伐後、つまり人と魔の戦いが終結してから約2か月、彼らがどのような身の振り方をして今の立ち位置になったのかは知らないが、少なくともこの地域では人間と同じ屋根の下でいても殺し合いにはならない程度に仲が良好なようであった。


「人狼と人間が仲良くしてるなんて、マジかよ、少し前の私に話しても絶対信じないだろうな……」


 2か月前、まだ魔族と人間が戦っていた時期だったなら決してありえない光景であった。

 私が左手の薬指で輝く指輪に縛られ魔王の呪い相手に戦わされている間に、世界は随分と様変わりしていたようだ。


 この結婚式が敵対していた貴族同士の結婚、とイリスは言っていたが、もしかしてそれは人間と魔族の結婚だったりするのだろうか。

 私の知っている常識では考えられない世界だ、何だか取り残されている気がして、少し寂しい気持ちになる。


「いつかは私も、かぁ」


 そしてその時ふと、この教会に来る直前イリスが呟いていたことを思い出す。

 「いつか私も結婚を」そんな意味の言葉を言っていた。


「羨ましい」


 私にはそんな遠い未来の事なんて考えられない。

 私にできるのはただ目の前の敵を殺す事だけ、そう期待され、その通りに育ったから。


 だから、私はあんな風にはなれない。

 私には未来に思いを馳せるなど……


 胸の内から何やら黒い感情が沸き上がり始め、余計な思考がヘドロのように心の内に溜まりだした。


「はぁ……やめやめ、考えるのは私の苦手分野だ、やるだけ無駄だ、そうだろう、私」


 よからぬことを考え始める前に、私は思考を強制的に終わらせることにした。

 とにかく今私の目の前にぶら下がっている問題に集中する。


 面倒事を引き起こしてしまう前に空き部屋を探して、寝る。

 今、私のこなすべきタスクはこれなのだ。


「……」


 先程カップルが逢瀬を交わしていた部屋の隣。

 人の気配のしない部屋の、ドアノブに手をかける。

 大丈夫、今度はもう油断しない、ちゃんとドアの先の気配は察知した、

 この部屋は今度こそ無人のはずだ、大丈夫、大丈夫……


「あの、すいませんお嬢さん、一つよろしいでしょうか」

「うわぁ!?」


 大きく深呼吸し、えいやと扉を開こうとした、その時。

 今度は後ろから声をかけられた。

 目の前の部屋に集中していたせいで、誰かが近づいていたことにまったく気付かなかった!


「何なんだよもぉ!」


 振り向くとそこには。


「エルフの、子供……?」

「ご、ごめんなさい、貴女相手ならこちらの接近に気付いているのかと思って、配慮に欠けた行動をしてまいました、ごめんなさい」


 身長140㎝程、二足歩行で服の隙間から覗く体皮に毛は少ない、少年のような姿をした金髪碧目のエルフと呼ばれる人種の魔族がそこにいた。

 人間によく似た見た目だが中身は全くの別物、体表に備わる葉緑素で栄養を補給する植物じみた生態の、どちらかといえば魔物に近い身体構造の生き物だ。


「何の用だ? 私今ちょっと具合悪いから、あまり長話はしたくないんだけど」

「あ、大丈夫です、すぐ終わるんで、ほんとすぐなんで大丈夫ですニーナ・ラナトゥスさん」

「……あ?」

「あ、あれ? 合ってますよね? 貴女の名前、ニーナさん、ですよ……ね?」

 

 確かに私の名前はニーナ、ニーナ・ラナトゥスだ。

 だがそれは公表されていない名前であり、今現在私が名乗っているのは苗字のないマティアスという五文字だけ。


 ラナトゥス家長女ニーナは魔王討伐の前哨戦で敗北し処刑された、それが公にされている全てだ。

 なのになぜ、このエルフの少年は知っている!


「あ、あの、大丈夫ですよ? そ、そんな怖い顔しないでくださいよ! こ、こちら側に敵意は無い、みたいですよ……?」

「……なんで疑問形なんだよ?」

「ちょ、ちょっとお話をしたいだけ、らしいですよ……」

「なんで聞いた風なんだよ!」

「あ、あの殺さないで……いや、殺してもいいですけど出来れば楽な死に方でお願いするので……」

「何なんだよお前、調子狂うなぁ!」


 訳が分からない。

 このエルフの少年に対する印象はその一言に集約されていた。


 何なんだコイツ。

 敵兵から向けられるような敵意や殺意のようなものは感じないが、式場の人間達から向けられたようなこちらを伺うような動向も感じない。

 今まで出会った誰とも違う、意志というものが感じられない、気持ち悪い奴だ。


「ボクはただの伝言役なので、デミトリ様の声を伝えるための端末なので、なので僕という存在にはさしたる意味も無いので、どうか寛大な処置を……」

「……ダメだ、もう無理、お前と話してると頭痛くなってくる」

「頭痛ですか? よく効くエルフの妙薬ありますが、使いますか?」

「いらんいらん、それよりお前、何か私に話があって来たんだろ? とっとと話せ、そんで終わったらさっさとどっか行け」

「お話、聞いてくれるんですね! ありがとうございます! それならどこか座れる場所へ移動をお願いしますね!」

「オドオドしてんだか図々しいんだか、よく分かんねえ奴だなお前……」


 このエルフの少年は、オドオドと下手に出ながらこちらに命令じみた発言をしていた。

 相も変わらず訳が分からなかった。

 呆れと諦めの混じった溜め息を一つ吐きながら、私は少年に背を向け先ほど開けようとしていた空室の扉に再び手をかける。


「そんじゃ、この部屋でいいだろ? ほら、行くぞ」

「いやぁそこは止めといたほうがいいかと」

「あ? なんで? 別に座れるならどこでもいいだろ?」

「隣の部屋の声、聞こえてくるかと」

「隣の、部屋……? あ!?」


 この部屋の隣。

 少年に言われ、そこでは何があったか、思い出そうと記憶を巡らし。

 そして先ほど接吻間近のカップルを思い出して。

 そこから漏れ聞こえる声がどんなものかまで想像して。 

 最後に私の顔から火が飛び出した。


 いや訂正。顔から火が出たと錯覚するほどに、私の顔は上気し大いに火照った。


「な、なんて事を言うんだよお前、子供のくせに……!」

「いえ、これは僕ではなくデミトリ様が、ニーナ・ラナトゥスはそういった事を気にしそうだから配慮してあげなさい、と言っていましたので」

「つーかさっきも言ってたけど誰だよそれ、デミトリ様とかいうのは」

「はい、それについての説明も含め、落ち着いてからお話しますので」

「だからとっとと動けってか、わかったよ、糞っ」

「あ、あの、そこまでは言ってない……です」


 動揺を隠すように少年へ乱暴に対応しながら、私はもう一つ隣の空き部屋の扉を開け場所を移した。

 部屋は先程のカップルがいたのと同じ間取りの六畳一間、部屋の中央には大きなベットと床頭台。

 それと入り口から隠れるようにテーブルが一台と椅子が二脚そこにあった。

 

「はぁ……やっと着いた、疲れた、なんかもう一日分動いたみたいだ、糞っ」

「でもまだ座ったらダメです」

「あ? 何言ってんだ、座れる場所って指定したのはお前だろ?」

「座れるのは僕だけです」

「喧嘩売ってんのかてめぇ!?」

「いえそうではなく、貴女はすぐこの部屋を立ち去る事になるから座ってはいけない、とデミトリ様は言っています」

「は?」


 どういう意味だ、何を知っている。

 少年の言葉にそんな言葉を投げかけようと私の喉が動いたが。


「……ッ!?」

「うん、この部屋だとよく聞こえます、流石デミトリ様です」


 突如、怒号と悲鳴が教会のどこかから起こり、私の疑問を遮った。


「お前何をした! 言え!」

「何もしてません、これから起こる事を予測しただけです、勿論それは僕ではなくデミトリ様がです」


 少年は私の恫喝に身じろぎもせずゆったりとした仕草で椅子に座り、そして訳知り顔で足を組みながらこちらに話しかけた。

 どうしよう、殴りたい。

 今すぐこのクソガキぶん殴って尋問したい!


 ……が、そんな事に時間をかけて、挨拶回りに出ているイリスに何かあってしまうのは嫌だ。


「おい、お前! ここに居ろよ! 戻ってきたら絶対ぶん殴ってやる!」

「大丈夫です、落ち着いたら説明しますと、先程きちんと言いましたです」

「いや、お前の話を聞くわけじゃ……」

「早く行かなくていいんですか? 何かあったら遅いのではないです? あぁ、場所がわからないのなら伝えましょう、悲鳴が上がったのは式場の中心ですよ」 

「そういう事じゃねえって……もうっ! 調子狂うなぁ!!」

「安心してください、僕はこの部屋で待ってますから、安心して行ってらっしゃい」

「もういい、これ以上喋るなぁ!」


 これ以上この少年との会話は時間の無駄と判断し、私は部屋を出て廊下を走り式場へと向かって飛び出した。


「戻ってき……ら神器……戦い……」


 部屋を飛び出す私の背に何やら気になる単語を少年は投げかけ続けていたが、全て無視してあの気持ち悪い視線の飛び交う式場へと私は駆け出した。


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