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RALLY  作者: マーティン
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第三章 ― オレンジジュース

「以上で終わりです。今日の宿題は明日必ず提出すること。特に活動がない者は、まっすぐ帰宅するように」


教師がそう言い残して教室を去り、終業のベルが鳴ると、教室内は一気にざわつき始めた。そこへ、学級委員長の早戸直が前に立ち、皆の注意を促した。


「楓さんのことなんだけど、今日お見舞いに行かないか?先生が言ってた通り、少人数でな。で、誰が行ける?」


直は続ける。「それと、鷹尾くん、君なら楓さんと連絡が取れると思うんだが、今日お邪魔しても大丈夫かどうか聞いてもらえるか?」学級委員長は、透と茜の親密さをよくわかっているようだった。


透は少し考えた。「昨日のメッセージは既読がついたまま、丸一日返事がなかったから、新しく送っても返事が来るかどうか疑わしかった。ちょうどその時、かずみがまた目の前に現れた。「喧嘩中?」と彼女は推測し、あいにく図星だった。


透は否定しなかった。「送ってみる」


「既読スルーされてるの?二股でもバレた?」かずみが相変わらず無邪気に冗談を飛ばすと、透と茜の関係をよく知るクラス中がどっと笑った。


「変なこと言うな!それに事実を広めろって言っただろ——俺は茜の彼氏じゃない!」透が主張するも、クラスは大して反応しない。そんな肩書きなどどうでもいいとばかりに、二人の親密さは十分すぎるほど物語っていた。


早戸が仲裁に入る。「もし気を遣うなら、別の方法で茜に連絡を取るけど…」


透は遮った。「送る」そしてメッセージを打つ。「茜、クラスの何人かが今から見舞いに行きたいって。大丈夫?無理しなくていいから」


すると驚いたことに、メッセージはすぐに既読がつき、茜から「大丈夫だよ」と返信があった。


返事を見た瞬間、かずみがまた突っつく。「今ので仲直りした?」透は相手にしなかった。


「よし、みんな」早戸が再び注意を引き戻す。


「楓さんのお見舞いに行ける人は、手を挙げてくれ」


一人、また一人と手が上がる。透は、かずみが手を挙げていないのを見て不意を突かれた。


「来ないのか?」


「今日、練習があって…」


そこで合点がいった——かずみはバドミントン部だった。透は教室を見回した。多くはないが、何人かが手を挙げている。


「一、二…四人…それに透を入れて五人か。これ以上はさすがに楓さんに迷惑かな」と早戸が言う。


そして付け加える。「鷹尾くん、案内してもらえるか?」透は何のためらいもなく承知した。


全員で校門に集まり、早戸が茜のために何か差し入れを持っていこうと提案すると、次々に案が飛び出した。


「ポカリ!」


「プリン!」


「ピザ!」最後の案には笑いが起きた。


そうしてぞろぞろと歩き、途中でコンビニに寄り、それから透の案内で茜の家へと向かった。


「あれが茜の家で、その隣が俺の家…」


皆が絶句した。


「かえでっちとずっと隣同士だったの?!」幸太五郎が驚きの声を上げる。


すぐに富子光が続く。「二人ともお似合いすぎる!!」透は顔が赤くなるのを感じた。


学級委員長の早戸が、最初にインターホンを押す。


「失礼します。楓さんのお友達で、見舞いに来ました」


すぐに茜の母親が応対し、皆を中へ招き入れてくれた。


透は茜の家に来るのには慣れていた——学校前に迎えに来たり、食べ物やお土産を届けたり、ただ一緒に過ごしたり。しかし今日は何かが妙だった。一言では言い表せない、形容しがたい違和感がまとわりついていた。それでも、居間の空間は深く馴染みのあるままだった。かつて意味もなく数えた階段の数も、茜の部屋へ続く廊下も、ドアのネームプレートさえ——何もかも変わっていない。


ただ、その奇妙な感覚だけが、ここにいる間じゅうずっと、透の心を覆い続けていた。


学級委員長がドアをノックすると、中から茜の声が聞こえた。「どうぞ」


ドアが開いた瞬間、透が最初に目にしたのは、茜が単なる発熱には見えない様子で横たわっている姿だった。


「かえでっち!大丈夫?!」光が相変わらずオーバーなテンションで叫ぶ。


「落ち着け、病人がいるんだぞ——つか、その質問はどうなんだ?」興奮した光を五郎がたしなめる。


「楓さん、少しは良くなりましたか?」学級委員長が尋ねる。


「さっきよりずっと良くなったよ!でも、まだ数日は安静にしないといけないみたいで…」茜は気丈に振る舞おうとした。天性の明るさが胸の痛みをうまく隠していた——透には、彼女の表情のほんのわずかな兆候からそれが読み取れた。


「お菓子と飲み物買ってきたよ!ピザはさすがに持って来れなかったけど…」と光。


茜が首をかしげる。「ピザ?」


五郎がすぐに口を挟んだ。「その変人の言うことは深く考えるな」


「誰が変人だって?!」


「お前以外に誰がいるよ?!」


「やんのか?!」


その時、学級委員長のオーラとカリスマ性が、いつもより濃く、確かに感じられた。彼はただ黙って、一度だけ軽く咳払いをし、静かに微笑んだ。


早戸が口を開く。「では、迷惑になるといけませんので、そろそろおいとまします」その平坦な口調がどこか有無を言わせず、微笑みには誰もが感じ取れる鋭さがあった。


五郎と光は目に見えて大人しくなった。早戸が続ける。「楓さん、何か少しでも手伝えることがあれば、いつでも言ってください」


茜は、学級委員長の本気のカリスマを初めて目の当たりにし、固まったまま頷くことしかできなかった。


「透、君から何か言うことは?」


透はその不意打ちに心の準備ができていなかった。すぐにしどろもどろになり、茜の目をまともに見ることすらできない。


「ごめん…」最初に口を開いたのは茜の方だった。


透は言葉を失った。なぜ彼女が謝るのか、理解できなかった。


必死に考え、文章をつなげようとしたが、どの言葉もするりと指の間をすり抜けていく。その時、父親の言葉が胸の内に浮かんだ——大事なのは、いつだって茜に正直でいること。


「俺もごめん…お前が自分のせいだって言った時、その場ですぐに違うって言ってやれなかった…」


透がそう言うのを聞いて、早戸が提案する。「少し二人きりにした方がいいか…?」


透と茜が同時に「大丈夫!」と声を揃え、直後、二人とも気まずさでいっぱいになる。


その小さな瞬間が、透に茜をまっすぐ見つめるだけの勇気をくれた。そして見つめた先にあったのは、彼女の顔に描かれた、不完全で、壊れそうな微笑みだった。


二人が見つめ合うど真ん中で、光がまた騒ぎ出す。「かえでっち、私もかずみんみたいに『あかねっち』って呼んでいい…?」


「かずみん?」茜が首をかしげる。


そのまま明るく、「もちろんいいよ!好きに呼んで!」茜は明るく答えた。


あんなに疲れ切った顔をしながら、あそこまで元気に振る舞う茜を見て、透の胸の奥に、深く刺すような痛みが広がった。


茜は続ける。「委員長!どうしてかずみは来なかったの?てっきり一緒だと思ってたのに…」


今度は、見舞いグループの最後の一人、それまでずっと沈黙していた清子香が、ようやく口を開いた。「かずみは部活の練習に行かなくちゃいけなかったから」


透は今の今まで香の存在にほとんど気づいていなかった。学級委員長が付け加える。「聞いた話だと、かずみはバドミントンの大会に出るらしい。だから、あまり無理させたくなかったんだ」


透はそのことを知らなかった。頭より先に本能が動き、口が勝手に言葉を紡ぐ。「どの大会だ?」と彼は尋ねていた。


それを見た茜——透の目が本当に輝いた、その珍しい瞬間を目の当たりにした茜は、小さな安堵を覚え、微笑みが本物に変わった。


「透、興味あるのか?」学級委員長が言った。


自分の反応が無意識のうちに出てしまったと気づき、透は気まずくなったが、否定はしなかった。


「あ、あとで応援しようと思っただけだ」と透はぎこちなくはぐらかし、それが茜の小さな笑いを誘った。部屋の誰もがそれを聞いた。


「あかねっち、今笑った?」光がからかう。


「わ、笑ってない!ただ…ゴホッ!」


「はいはい〜」


「もう!本当に笑ってないんだから!」茜は必死に否定しようとする。


「茜は照れてる時が一番可愛いよな」透はまるでごく当たり前のことを言うみたいに、さらりと言った。


しかしその言葉は、聞く者によってまったく違う重さを持っていた——彼らの友人たちも含めて、長年のあらゆる憶測に即座に飛びついたのだ。


「たっくん…茜のこと、好きなの?」光がずばりと訊いた。


透にはまったく心の準備ができていなかった。ちらりと茜を見ると、彼女はもう布団の中に顔を隠してしまっていた。


学級委員長が、光の暴走に疲れ果てたようにため息をつく。


透が何か言うより先に——運が良かったのか、それとも何かの巡り合わせか——茜の母親がドアをノックし、盆に乗せてこう尋ねた。


「皆さん、オレンジジュースはいかが?」

ありがとうございます。

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